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2012年10月25日

【共同体社会の原点(集団)を追究する】13~本能を超えた共認機能はどのように形成されたか~

                            b0150229_18381684.jpg
                           ワオキツネザルの親子 まるで人間の家族のようですね。
                                 (画像はコチラからお借りしました)
人類に直線上に繋がる祖先はサルと考えられています。サルは地上に適応した草食哺乳類や肉食哺乳類と同じ原モグラを祖先としながら、“樹上”という新たなニッチを手に入れて適応進化しました。またサルは、それまでの集団本能を基にした生物集団とは異なり、本能ではなく新たな機能(共認機能)を生み出して新しい集団形態を実現しています。
この新しい集団形態は「真猿」への進化段階で完成したとされていますが、新たな機能である共認機能の原型は「原猿」の段階で獲得されたようです。
今回は、性闘争本能を強化して生き延びた原モグラから直接樹上に適応したとされる「原猿」に焦点を当て、共認機能の原型である「共感機能」が何故形成されたのか、それはどのように形成されたのかについて解明していきたいと思います。
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初期哺乳類である原モグラの段階から、外敵から身を守るために樹上に逃避適応したものが初期霊長類=原猿です。まずは現在も種として生き残っている代表的な原猿の集団形態を以下にまとめてみました。
(参考:リンク
○ロリス
・オスの遊動域は9~40ha、メスの6~9haより2倍から4倍ほどで、1頭のオスの遊動域は複数のメスの遊動域に重なる。
・基本的に単独生活であるが、生殖期間は首雄集中婚の形態をとる。
○ショウガラゴ
・オスの遊動域は9.5~22.9haで、メス=4.4~11.7haより2倍ほど大きい。縄張りの形成方法は主に匂いと音声で互いに防衛しあう。
・首雄集中婚で娘同居型。子どもが性成熟するまで同居して採食場所を共有するなど親和的関係を持つ。
○グレイネズミレムール
・オスの遊動域は約3.2haでメスの1.8haより広い。地域の中心部に大きなオス(セントラル・メール)が広い縄張りを持ち、その中に数頭のメスが縄張りを構える。小さいオスたちはメスがいない(少ない)周辺部に。
・首雄集中婚の形態をとるが、オスメスは同居せず交尾後のオスは単独生活に戻る。
・メスは自立していない子ども、自立した娘と親和関係を持つ。
原猿の特徴をまとめると、
・オスが複数のメスの縄張りを包摂する広い縄張りを持つ形態は原モグラと同じ。
・生殖期間以外でも縄張り内の身近な距離にオスメスや子どもが同居し、採食場所を共有するという点が他の哺乳類と異なる。
といったあたりになるでしょうか。
前回紹介のあった地上に適応した草食哺乳類などは、外敵の多い地上に適応するために性闘争本能を生殖期のみに限定し、平時は性闘争本能を封鎖することで追従本能によって大集団を形成して適応していますが、原猿はそれとは逆に性闘争本能を残したままオスメス(子ども)同居を実現しています。このことからも、原猿が性闘争本能を強化して生き延びた原モグラから直接樹上に適応した種であることがいえます。
■負けザル同士で共感機能を獲得
「実現論:前史 ニ.サル時代の同類闘争と共認機能」を参考に、これまで追究してきた仮説を以下にまとめてみます。
外敵がほとんどいない樹上には食糧も豊富にあり、原猿は一気に繁殖して森林はたちまち飽和状態になりました。
いたるところでエサをめぐる縄張り争いが勃発しますが、樹上はいくらでも逃避ができるため縄張りから追い出されても大多数が生き残るため、縄張り争いを絶えず繰り返すことになります。かといって充分な食糧を得ることもできず、縄張りもないのに死ぬこともできないという中途半端な生存状態です。そして絶えず生存の危機に晒されて不全感覚が刺激され続けるという極限的な状況により、本能が混濁し不全状態となってしまいます。
同じような状況の原猿が縄張りの境界線上に多数生息することになりますが、彼らもまた敵同士であるため最初は近寄ることもできなかったはずでが、本能不全が極限まで達したことにより、ついに性闘争本能を封鎖して身を寄せ合うことに成功しました。
原モグラは追従本能を封鎖して性闘争本能を強化して生き延びた哺乳類であるため、生殖期間中の雌雄を除き基本的に同類は縄張り争い上の敵です。本能が混濁した極限的な不全状態において、何とかその苦痛から脱したいという根源的な欠乏からあらゆる可能性を探索します。
まずは性闘争を互いに抑止し、封鎖されていた追従本能を解除します。そして唯一の可能性であった母子関係を元にした親和本能(哺乳による子育て期間中の母子関係には安心・充足の親和本能が働く)に全的に収束・強化し、過去(乳児期)の安心・充足の体験記憶をたよりに、敵同士だった相手との同一視(共感)を初めて可能に(共感機能を獲得)したと考えます。この機能の獲得により、相手と互いに依存し合うことで初めて苦痛を和らげることに成功したのではないでしょうか。
この共感回路を獲得するまでには長い期間を要したことでしょう。その間に身体機能や形態も大きく変化しています。原猿の顔を見ると目が正面に付いていることがわかりますね。
                             <原猿>                  <真猿>
                       %E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%82%B9.jpg       f0051254_23131676.jpg
                     (画像はコチラからお借りしました)    (画像はコチラからお借りしました)
これは共感機能と大きな関係があると考えられます。人間は相手の想いを知るためにまず相手の表情(目)を見ます。相手と同一視するためには「目」が重要だったのだと思います。さらに真猿になると、顔だけ毛がなくなり表情が読み取れるようになります。
       
この身体機能の進化を見ると、サルにとって共感機能がどれほど重要だったのかを示すものといえます。
■全く新しいオスメス関係の芽生え
先述した原猿の特徴である、生殖期間以外でも縄張り内の身近な距離にオスメスが同居しているという生態はどのように実現したのでしょうか?
以下はるいネットからの引用です。

共認機能は、初めは敗け猿たち(≒若オスたち)の間で、形成されました。そして常に、この敗け猿の中の強者が老首雄を倒して次の首雄になることを通じて、共感機能の遺伝子がオスにもメスにも遺伝してゆきます(注:その変異はY染色体以外の染色体にあるからです)。そして、その様な漸進的な変異が何万回となく繰り返されて、共感機能が発達してゆきます。この若オスたちの進化は適応態に達するまでずっと続きます。
次に首雄とメスですが、首雄は多数の若オス達と絶えず性闘争・縄張り闘争を繰り返しており、強い不全感を孕んでいます。従って共感充足の欠乏も強いと考えられます。それに対してメス間の縄張り闘争は、メスの縄張り数がオスの3倍あり、メスに加わる闘争圧力はオスに加わる圧力の1/3以下です。従ってメスの不全感は首雄の不全感より小さかったでしょう。
従って、まず首雄の性(本能)的期待+共感充足の期待が先行し、それに応える形で(メスも共感欠乏を孕んでいますので)同居するようになっていったのだと考えられます。そして結果としてその方がメスにとっても、出産時の安全や食糧確保上、有利(より適応的)であったので、その方向(同居し、雌雄相互の期待・応合回路を更に進化させてゆく方向)に進化していったのでしょう。

負けザルが絶え間ない縄張り争いによって恒常的な不全状態になったと同様に、縄張りを持つボスザルも大きな不全感を抱えることになったと考えられます。そのボスザルの縄張り内に暮らすメスもまた、ボスザルに守られているとはいえ不全感が上昇していきます。
負けザルの間で形成された共感機能の遺伝子が、代替わりによってオスにもメスにも遺伝していき、生殖本能に共感機能を塗り重ねることで、ボスザルとメスとの間に互いに充足感が生まれたのではないでしょうか。
現代風に言えば、
    『いてくれるだけで安心できる』
    『いてくれることがありがたい』
                     151.jpg
という感覚です。このオスメス共感充足回路を元に、お互いの共感充足期待から初めて生殖期間以外のオスメス同居を可能にしたと考えられます。生殖本能に加えてオスメス間に働くこの「引力」の登場は、全く新しいオスメス関係が生まれたことを意味します!
この先真猿へと進化していきますが、我々人類の男女関係や集団へのつながりが見えてきたようですね。
次回はさらに進化した「真猿」を追究していきます。
お楽しみに!

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