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2013年09月28日

【東南アジアにおける、南方モンゴロイド的社会とその可能性を探る】1-2Y染色体ハプログループにおける日本人他東アジアの傾向について

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画像はこちら→日本人の起源から(※凄いサイトです)。

前々回より始まりました【東南アジアにおける、南方モンゴロイド的社会とその可能性を探る】ですが、「日本における今後の突破口は、今も残存する南方モンゴロイド的気質に基づく社会制度、婚姻制度にヒントがありそう」との観点から、前回は「南方モンゴロイドって何?」を扱いました。
これから、モンゴロイドの移動ルートと文化を辿る予定ですがその前に、Y染色体遺伝子と人類の移動ルートについて調べて見ました。

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■Y染色体ハプログループって何?

最初はY染色体や「ハプログループ」について基本的な事柄を押さえましょう。

以下WIKIPEDIAから引用です。

ハプロタイプ(Haplotype)とは、”haploid genotype”(半数体の遺伝子型)の略。

ハプロタイプは親から子へ引き継がれるものであるから家系調査にも応用できる。特に男性のY染色体のハプロタイプは父系の調査に用いられる。Y染色体のハプロタイプは他のハプロタイプと違ってペアをなさないから、他の染色体との乗換えが起こらずに父から息子へと伝えられる。同じ姓をもつ様々な子孫を調べた場合、その姓に対する標準的なY染色体ハプロタイプが見られることもある。これはその姓を名乗った最も古い共通祖先のハプロタイプである可能性が高い。

逆にミトコンドリアDNAのハプロタイプは母系を推定するのに用いられている。

ハプロタイプは人類などの集団の比較にも用いられる。ハプロタイプには多様性があり、近い集団では似ているが遠い集団では大きく異なる。ハプロタイプを大きくまとめたものをハプログループといい、これは遺伝的集団を示す指標として用いられ、また地理的なまとまりを見せる場合が多いので、人類の移住の歴史を推定するのにも用いられる。

WIKIPEDIA ハプロタイプ

ハプログループは同じハプロタイプに属する(正確には同じSNP(ある生物種集団のゲノム塩基配列中に一塩基が変異した多様性が見られ、その変異が集団内で1%以上の頻度で見られる時、これを一塩基多型(いちえんきたけい、SNP : Single Nucleotide Polymorphism)と呼ぶ。)を持つ)人々の集まりである。Y染色体のSNPは、突然変異により生まれ、新たなサブグループを形成する。

(これら派生的なハプログループを系統樹としてあらわすと以下の様になります。)
keitou.JPG

(以下省略しますが、系統樹の更に先に「O 中国、朝鮮、東南アジアで多い。」があります。)

 
WIKIPEDIA Y染色体ハプログループ

※これらのA,B,CT…などと表記しているのがハプログループの類型で、当初ハプログループAがアフリカ人類に見られたが、その後突然変異でハプログループBが同じアフリカで見られるようになって来ることを意味します。こうして染色体の変異の過程(サブグループの出現状況)を系統にし、こうした人々の居る地域と重ね合わせることで人類が地球上に拡散していった過程を辿るものです。

こうした系統を東アジアで分類すると、
■Y染色体ハプログループ(東アジア) 

hapuro.JPG

WIKIPEDIA Y染色体ハプログループの分布 (東アジア)

 
※幾分強引に傾向を論ずれば、東アジアの民族のY染色体ハプログループの相違性は、C、D、O2、O3グループの傾向に有るように思います。特にO3の割合の高いのが漢族、朝鮮族で、日本人はD、02の割合が高い。他にバリ島、ボルネオ島の民族も02が高い数値を示しています。

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画像をクリクすると拡大します。

この図は人類のY染色体で辿った移動ルートを図示したものですが、Cグループはインド中央で発現し、ボルネオ島から日本に至るルートと北に向かいバイカル湖を過ぎてベーリング海峡へ向かうルートが有ります。

Oグループは、長江のかなり南現在のベトナム北部ヴィンという町の辺りで発現し、西に戻りながらO2グループを発現、同じO2グループは、中国東沿岸を北上し朝鮮半島から日本にも流入しています。上記のY染色体ハプログループの割合によれば東南アジアのバリ島、ボルネオ島、ジャワ人、マレーシア人にも多く見られます。

O3グループは、Oグループがモンゴル高原まで北上した後、O3グループを発現し中国内陸部に至ります。日本にもその後朝鮮半島を経由して流入しています。

日本人に特徴的なDグループは、モンゴル高原に発現した後日本に流入しD2グループを日本で発現したようです。

■南方モンゴロイドと日本人そして東南アジア

日本人の出自については南方モンゴロイド、北方モンゴロイドなどがよく言われますが、こうしてみると東南アジアの人々との近似性が有るように思えます。日本人に特徴的なD系統が縄文人と言われてもいるようで、その後の朝鮮半島からの流入部族03はもともとの系統から言えば日本ではさほど混血が進んでいないとも言えそうです。

南方モンゴロイドと新モンゴロイドが混血する日本。しかし、その基層は、O3系統の漢民族よりの系統ではなく、南方から流入したD、O2系統に有るのではないでしょうか?

弥生時代以降に朝鮮半島から流入した民族が、その後の日本では重要な地位(皇族や貴族などの支配層)を占め、文化や政治などは朝鮮半島経由のものを範として日本の古代国家が出来上がったことなどと、些か趣が異なる様子です。

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