2014年09月26日
女主導の原理と現代への適用~女たち主導の婿取り婚が日本を老舗大国に導いた!~
みなさん、実は日本は、世界一の老舗大国なのをご存知でしょうか!創業100年を超える企業がどのくらいあるかというと・・・
画像は、こちらからお借りしました。
我が国は、世界で群を抜く「老舗企業大国」である。創業百年を超える老舗企業が、個人商店や小企業を含めると、10万社以上あると推定されている。その中には飛鳥時代、西暦578年に設立された創業1400年の建築会社「金剛組」だとか、創業1300年になろうかという北陸の旅館、1200年以上の京都の和菓子屋など、千年以上の老舗企業も少なくない。
ヨーロッパには200年以上の会社のみ入会を許される「エノキアン協会」があるが、最古のメンバーは1369年に設立されたイタリアの金細工メーカーである。しかし、これよりも古い会社や店が、我が国には百社近くもある。
Japan on the Globe-国際派日本人養成講座より
これだけの老舗企業があることも驚きですが、もっと驚きなのが、百年以上の老舗企業10万社のうち、4万5千社ほどが製造業であり、その中には伝統的な工芸品分野ばかりでなく、携帯電話やコンピュータなどの情報技術分野や、バイオテクノロジーなど先端技術分野で活躍している企業も少なくないことです。
これは、日本人の勤勉性や応望性、そして追求力による商品やサービスの質の高さによるところが大きいと思いますが、実はその背後に、高い技術や能力を代々引き継ぐことを可能にする“ある構造”があったのです。
その“ある構造”とは・・・
まずは、江戸・明治時代の商家の事例を紹介します。
江戸時代は鎖国があり、幕府により、各藩が争うことが無いように様々な政策がとられ、平和な時代が続きました。そんな中、妙好人のほかにもたくさんの女性たちが活躍の場を与えられてきていたのです。確かに、家系図や証文などで表面には出てきませんが、実権を握っていたのは実は女性であったということが、研究を進めるにしたがって、史実や記録などで分かってきました。
たとえば、大阪の商家は養子を取って跡取りを残す習慣がありました。だから長女はとても大切にされました。事実上の跡取りだったからです。養子は役に立たないと分かると容赦なく離縁されました。商家の取引先や使用人までの暮らしがかかっているのだから当然です。
しかしながら、雇われ社長は心底信頼できないので、本来の跡取りである娘たちにも帳簿や経営の全てが叩き込まれていました。夫はいつまでたってもよそ者で、信頼できるのは実子である娘なのでした。
このように江戸から明治にかけては商家以外にも女子教育も盛んで、佳き家庭人になるように源氏や伊勢など古典や様々なことを学んでいた記録があります。現代の女性よりある意味では賢かったとも言えます。
実際、おばあちゃんを育てたおばあちゃんは安政の栃木の武家生まれで、寺子屋や自宅で様々な学問を仕込まれていたようです。明治38年生まれのおばあちゃんの寝物語は高い教養がありました。旧制の小学校しか出ていないのですが、おばあちゃんから聞かされたことだったようです。
上記の事例から、江戸時代や明治時代の商家では、娘を大切にする、婿取り婚が主流であったことが分かります。中国や韓国などのように、警戒心の塊で、嫁でさえ究極的には他人で、父系の血縁のみを重視する、完全な父系性とは大違いです。
老舗というと何代も男系の系統を守り抜いてきたイメージがありますが、日本では優秀な弟子がいれば、息子がいても娘の婿に取り跡を継がせるという事が普通に行なわれていたのです。“自分の息子”という限られた枠の中で後継者を探すのではなく、広く社会から自分の会社にふさわしい後継者を探してきたからこそ、これだけの老舗が誕生したのではないでしょうか。
また、婿取りの場合、幼少時代から帳簿やお店の経営、さらには女房としての心得を叩き込まれ、世話役として活躍してきた娘が集団に残る、ということも大きいと思います。その女教育の中味とは・・・・
1 家内を見回り、費(つい)えなきように守るべし(ムダを省く)
2 もの嫉(ねた)み、中言(ちゅうげん)、告げ口を慎(つつし)み、物事意地悪く人に当たるべからず
3 下女丁稚(げじょでっち)を使い者と侮るなかれ、別して心付け、それぞれに致すべし
4 仮にも男体(なんたい)したる者と囁(ささや)き小話忌(い)むべし
5 己が器量を鼻にかけ、不埒(ふらち)の所存あるべからず
6 夫の家、始貧(はじめひん)にて後栄えたりとも、高慢顔無用たるべし
7 夫の家、始宜(はじめよろ)しく後零落(おちぶ)れたりとも悔(くい)るまじ
8 身代(しんだい)不相応(ふそうおう)の服装、櫛、笄(こうがい/かんざし)用ゆべからず
9 芝居見物、遊山(ゆさん)等にたびたび出で世間に顔見られること嗜むべし
となっており、「女房として」というよりかは、集団に属する女として必要な要素が盛り込まれています。
まとめると、
① 老舗は、婿取り婚によって、優秀な男(経営者)を獲得してきたこと
② 幼少時代から、集団の心得を学び、世話役として集団を良く知る女が、嫁かずに集団に残ったこと
の2つの構造が、日本を世界一の老舗大国へと導いた、と言えそうです。
女たち主導で、「優秀な男性を取り入れ」、「目配り心配りをする」ことで、集団は柔軟に逞しく成長し、何世代にも渡って生き残る企業が、数多く生まれたのだと思います。
- posted by KIDA-G at : 2014年09月26日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
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