2022年03月11日
観念機能とは何か?~言葉以前の追求は、成果をすぐに行動に塗り重ねていった~
「観念機能とは何か?」を明らかにするために、言葉の無い世界を追求しています。
・言葉を生み出す前から人類は、さまざまな道具を生み出し、火の使用もはじめています。数百万年の間、言葉を使わずに、追求し、継承してきたことになります。
・常にことばを使って思考している現代人からすると不思議な感じがします。今回は、それはどうして可能だったのか、という視点から、なぜ言葉が必要になったのかの入口まで迫りたいと思います。
・人類の追求の出発点は、本能・共認ではどうしようもならない過酷な生存状況に対して、自然に対する一体感(充足感)に導かれて、自然(身の回りのすべての事象や物)を対象化したこと(リンク)にあります。そこが動物との大きな違いです。人類は、存在のすべてを懸けて可能性収束したので、身の回りのもの、自然現象含め、めちゃくちゃ観察したんだと思います。
・結果として、道具をつくったり、火を使えるようになりました。それを可能にしたのが対象の本質を掴むこと。そのために役立ったのが、類型化や手順律(論理)による思考だと思われます。(類型化や手順律は動物の本能にも備わっている(リンク)ので、人類はそれを自然対象に適用したことが大きい。)
・石器については、たとえば骨の髄を取り出そうとするとき、そこらへんにある石を使うところまではサルでも可能です。しかし人類は、石を観察するなかで、丸い石より尖った石、軟らかい石より硬い石(類型)、叩くと欠ける、黒い石は尖る(手順)、ということに気づきます。それらは永い時間の中でちょっとずつ分かっていきます。その塗り重ねは、気づいた人が、そのつど石の選択や使い方というかたちで行動に置き換えたから。それを仲間と共有し、継承できたので塗り重ねていくことができたと考えられます。
(画像はこちらからお借りしました)
・火の使用についても、木は燃える・石は燃えない(類型)、火はモノを変質させる、燃やした骨は割れやすい、動物は避ける(手順)など、ちょっとずつ気づいていったと思われます。これも気づいた成果を行動に移していったのだと思われます。(ただし、なぜそうなるかはわからないし、体系的な認識にはなりにくい。)
・つまり、追求の成果が経験としてあり、すぐさま行動に移せれば、言葉がなくとも発達させることができたのです。
・そうすると、言葉の必要性は、そのような追求の限界を突破することだった、ということになります。たとえば、すぐさま行動に移せない、長期的な塗り重ね成果を共有・継承すること。そこに言葉化の必要性があったのだと思われます。たとえば、日常的でない自然現象や現象の法則性の追求は、言葉が無いと継承も塗り重ねも困難です。
・現存する未開部族で、抽象や時間の概念が無い部族(リンク)が見られます。それは、そのような追求の必要性が無かった、それでも原始的生活なら継続できた、ということではないかと思われます。
(一方で、未開部族が必要とする言葉は、始原人類の言葉の必要性を考える上で重要。たとえば、教訓や掟。)
- posted by kumana at : 2022年03月11日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
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