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2022年03月09日

観念機能とは何か?~言葉化以前の未知探索に夢中な乳幼児~

(※画像はこちらこちらからお借りしました)

 

「観念機能とは何か?」を明らかにするために、言葉の無い世界を探ろう!という今回のシリーズ。

今日は、好奇心の塊である乳幼児に注目してみたいと思います。

乳幼児の特長はいくつかあるのですが、その中で「好奇心」に関連しそうな行動を挙げてみます。

・何にでも興味を持って、手に取り、口に入れようとする。
・何か気になることがあると、時間を忘れてじっと観察している。
・何度も(大人から見ると同じようなことを)楽しそうに繰り返す。
・何?何で?の質問攻撃が止まらない。

 

なぜ子どもたちは、対象に対してこんなにも夢中になれるのでしょうか。
このような時の子どもたちの思考はどうなっているのでしょうか。

 

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これらの現象が特に見られるのは、0~5歳くらいの乳幼児期だと言われています。

この年令の子どもは、言葉がまだ未発達であることから考えても、またその表情や様子から見ても、どうも言葉化以前の地平で探索しているように思います。

かといって(言葉化以前の次元だからといって)、本脳次元のプラス・マイナス判断のようなものとも、共認次元の快・不快判断のようなものとも、少し違う感じがします。

ということは、まさにこの地平が、共認以上・言葉未満にある観念領域の世界(思考)なのではないでしょうか!

 

この時の感覚を思い出してみてください。

五感を入り口に、未知なる対象の性質や特徴を探り、未知なる対象に自ら働きかけて力学構造や作用関係を知り、対象に潜む本質や構造を掴んでゆく感じ。

同類以外の対象に対するこの同化追求こそ、観念探索の地平だと思うのですが、注目すべきは、恐らくこの過程では、掴んだことをいちいち言葉に置き換えることをしていないということです!!

 

そうすると、どうなるか。

 

言葉には、対象を固定化する効果があるため、言葉に置き換えると分かった気になってしまい、未知のものとしてそれ以上追求することが難しくなります。

しかし、実は現実の対象は、一時たりとも同じ状態はありません。動植物はもちろんのこと、物質も温度や湿度や他の対象からの影響を受けて、刻々と変化しています。

 

従って、もし言葉化しなければ、極端に言えば、今目の前にある対象が先ほどまで見ていたものと同じものなのかさえ、認識できないかもしれないのです。

 

実際、「猪」という言葉を持たないある部族は、猪を食べた翌日に別の猪を見て「あれは昨日食べた猪だ」と言った調査員に対して、「いや、あれは知らない。あれは初めて見た」と言ったそうです。
これは、それを表す抽象的な言葉がないと、同じものだと認識できないということの事例です。

同様に、大人が「同じ」と思っているものが、子どもにとっては「違う」のだと考えれば、子どもがいつまでも何度でも、初めて見たときと同じようにワクワクと興味を持つことの説明もつきます。
言葉に置き換えずに対象を掴もうとしている子どもにとっては、同じという感覚や認識よりも、その違いや変化が気になってしょうがないのです。

 

つまりこれが、言葉を使わない観念探索の地平であり、逆に言うと、言葉には、現実には別のものを「同じ」として抽象化する役割があるのではないでしょうか。

 

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