2007年02月24日
母系・父系の継承について
あらためて母系社会・父系社会の出自規則 の構造を押さえたいと思います。(※出自規則=文化人類学で、個人が出生と同時に組み込まれる、特定の祖先を共通にする集団を決定する原理)
以下、出自の規則 Rule of Descent 蛭川立著より。
>出自規則の基本形は母系と父系である。そのどちらでもないものに双系、選系などがある。また母系、父系の両方の出自集団が共存している場合は、重系、二重単系などと呼ぶ。
>父系社会と母系社会は、完全に対称な概念ではない。多くの社会で富や権力は男性側に偏在するという非対称性があるため、ほとんどの父系社会は父権社会でもあるが、ほとんどの母系社会は母権社会ではない。母系社会では、成員権や財産は、ある男性からその姉妹の息子に受け継がれるのが普通です。
>母系と父系の継承を図式として見ると以下のようになります。↓↓↓
<図式>(クリックすると大きくなります)
△は男性、○は女性をあらわし、実線は母子関係、点線は父子関係をあらわしています。頂部から右斜め下への流れが父系社会で、頂部から左斜め下への流れが母系社会の継承の流れです。
******************(以上、引用)*********************
図の母系社会では、上記のコメントどおり、母親の兄弟から母親の息子へと成員権や財産を継承する線が太く表示されています。
★ただ母から娘への○を繋ぐ斜めの直線のほうがの主軸とも考えられ、成員権や財産も女たち(+女の兄弟)が継承するほうが原初形態だと思われます。この点が、男を強調している上記コメント(母権社会ではないことを示すためか?)に疑問のあるところで、引き続き調査の必要性を感じます。
この母系社会を、男女の移籍という視点でみると、大きく3つのタイプに分かれます。
このブログでも紹介されている、
モソ人の男は、自集団に残ったままで婿入りしない、母系通い婚で、
アメリカインディアンは、男が移籍する母系婿入り婚、
またトロブリアント諸島では、嫁入り婚でありながら母系という、摩訶不思議な形態も存在するようです。これは複雑で、どなたかレポートお願いします♪
読んでもらってありがとう(^_^)Nhaama bunggunggu. by 若
- posted by yidaki at : 2007年02月24日 | コメント (7件)| トラックバック (0)
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「外の仲間」意識から「自集団第一(他集団否定)」意識に転換するプロセスを理解するには、長老(ボス:統合者)の意識に同化する必要がある
msg:136166“生殖存在である「女の不安」が私有意識をもたらした”(大木氏)を読むと、母系集団から父系集団に変わったことよる「女の不安の上昇」という…
日本には母系も父系もいずれのシステムもない、と言われると、そうかもと思える反面(ex.群婚制を残す村内婚が長く続いた)、しかし日本の歴史は実態として母系制から父系制に転換したではないかとも思う。
厳密な意味での母系・父系システムの社会と比較して日本はどちらでもない(=双系)、という場合、厳密な社会と、どちらでもない社会ってどんなん?、そのあたりの疑問に答える記述があれば、続報お願いします。
日本人は母系制の意識を色濃く残している、と思っていましたが、厳密な母系制に照らし合わせると、かなり違いますね。
日本人は、もともと「家」の意識が少なく、財産管理も婚姻も村落共同体によって行なわれていたのだと思われます。
このあたりはもう少し詳しく調べてみたい分野です。
母系(父系)社会、共に所属集団は変らない
>母系制(あるいは父系制)というのは、血縁関係を使った一つの社会統合原理で、母系(父系)社会であれば、その社会のすべての構成員が同じ原理を共認することで成…
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hermes bags and belts 共同体社会と人類婚姻史 | 『母系社会』って何?~ちょっと整理してみました
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