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2016年04月14日

日本人の起源

前回までの記事。
遺伝子解析による人類史の解明~Y染色体の遺伝の仕組み
言語分布と人類の移動ルート
ヒトの起源を調べる方法
新人類の出アフリカ~移動ルート
渡来人・徐福一行のDNA

これまで遺伝子解析による人類の移動ルート、日本人の起源について紹介してきましたが、今回でラストです。
DNAから導きだされる日本人の起源」より。

 

JPNfrmDNA

 

① G(Gm)遺伝子の分布で説明の付かなかったオーストラリアのアボリジニーは、スンダ大陸で、モンゴロイドが生成される時期よ り前(5万年前)に、スンダ大陸から移動したとすると、ルートが明瞭となる。
– インド大陸のコーカソイド系列の遺伝子を持ち、北方系モンゴロイドと同じ比率の遺伝子を持つインド大陸の民族の存在も説明が付く。

② Y染色体DNAの、日本人に特有な、D2、 O2b1(Y2型)の由来が、
– 最初に北上し、日本へ移動した民族がD2で、
– 長江文明(水田稲作・高床住居)を築いた部族の一民族の大移動(徐福伝説)がO2b1(Y2型)
– O2b1(Y2型)の遺伝子を持つ台湾に移住した福老・客家の祖先と徐福一族の接点も判明

③ 母親が共通祖先であることが判明した
アメリカ・インデアンと日本人、縄文人とインドネシア・フィリピン、縄文人とバイカル 湖付近のブリヤート人。
この共通性は、今回の移動ルートで、明瞭になった。 そのルートと時期は下図の通り。

JPNfrmDNA41

④ ATLウィルスの残存地域は、
– 北上していった初期型モンゴロイドの移動ルートに沿っていることが判る。

 

まとめ

• 新しいDNAの解析結果を読み直すことによって、判明した日本人と世界のモンゴロイドの移動ルートによって
– 日本人の二重構造が明瞭に説明できた。又、南方起源説も証明された。

• 今回、示したルートに沿って考えると、従来の課題・疑問が自然に解消する。
– 男女のDNA:免疫グロブリンG(Gm)の遺伝子の分布で、解釈の付かないオーストラリア・ニューギニアのアボリジニーの孤立が解消。 沖縄の港川人のアボリジニーに類似していることも納得できる。
– Y染色体のDNA:
• D2遺伝子は孤立していた訳ではない。
同じ黄海沿いを北上したD1・D2・D3の遺伝子グループの内、D2グループが 日本に降り、その外は、北上し、バイカル湖まで行き、生き延び、南下し、D1はチベット等に、D3はブータンへ移動したと考えると、孤立とはならない。
ブータンの着物と日本・アイヌの着物の類似は興味深い。
• 渡来人のO2bは、家族名・家系の判明した貴重なDNAで、中国古代、神話の時代に、そのルーツを溯ることができ、 日本人の由来を
考えることが出来る。又、甕棺埋葬や水田稲作から長江文明を担った一族と遡れる。
– ミトコンドリアDNA: 日本人と共通の母系が、各地にあることが、今回のルートで納得できる。
• バイカル湖畔と茨城県の発掘人骨の共通の母系の存在
• アメリカ・インディアンと日本人の共通母系
• 浦和の縄文人とマレー人・インドネシア人の共通母系 いずれも、移動ルートに存在する。
– 白血病を引き起こす、ATLウィルスの到達ルートもスンダ大陸からの北上とその後の移動から納得できる。
– 日本語とタミル語の同一性も、このルートから説明が付き、DNAも男女のGm遺伝子のパターンからも、弥生人と同一の人々が、
雲南からミャンマー(ビルマ)からインドへ移住し、水田稲作を広め、居住し、インダス文明を築いていた処を白人系の侵略者に
追われ圧迫されたことが、DNAから読み取れる。

• 結語
日本人は南方から来た初期型モンゴロイドが、黄海沿いに南下し、最初に住み着いたアイヌ人=縄文人が一つのグループ。
同じく黄海沿いに下り、日本の近くを通り抜け、シベリア大陸に入り、バイカル湖畔で、耐寒のため体型を変えた北方系モンゴロイドが、暖化後に南下し、長江中流で水田稲作を開始、長江文明を担い、戦乱の続く中、民族滅亡の危機に直面し、秦の始皇帝の助力を得て、民族大移動を行った徐福一行のグループが、もう一つの日本人の起源。
その二つのグループが、約2300年 の間に、混血し、現在の日本人となった。

日本語は、アイヌ・縄文人の単語を残しつつ、渡来してきたグループの言語の進化・変遷したもの。
言葉は民族と人の根源であるが、1000年の単位では極めて大きく変るため、大きな概念で辿る必要がある。
南インドのタミル語は、日本とインドに分岐する以前に使っていたであろう品物(稲作・衣食住)、身体の名称などで同じ単語が用いられ、五七五の韻を踏む歌などが一致し、且つ、民俗学的風習などが一致し、同一又は極めて近い民族と言語が、日本以外にいたことは、なんとも云えぬ安堵を感じる

 

 

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