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2023年01月07日

【縄文人の特性】縄文人はなぜ火山の近くに暮らしたか?

前回の記事では、縄文時代中期の観念進化に焦点をあてて、当時の外圧状況を扱いました。

【縄文人の特性】縄文中期に見る縄文人の著しい観念進化とその背景②

その中で、縄文時代の東日本への集落(遺跡)の集中度合いから、縄文人が火山周辺を定住拠点としていたことが見えてきました。

火山と言えば、噴火、地震、それに伴う洪水など、危険が多いようにも思えますが、なぜ縄文人は火山付近へと集まっていったのでしょうか。本記事では、その理由を見ていきたいと思います。

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まず、日本の火山についてです。日本は火山大国で、世界にある1500の活火山のうち、110程度(約7%)の活火山があります。縄文中期には、富士山は100年に数回の頻度で噴火をしていたようです。かなり、噴火自体が身近な現象だったようです。

 

世界の活火山の分布

日本の活火山

画像はこちらこちらより引用しました

 

火山には、危険性もある一方で、次のような、生活に恵みをもたらす良い点もあります。

(1)栄養豊富な土壌を形成

火山の噴火により、地球内部にある栄養分が、地上にでてきます。特に、リン酸塩、カリウム、ナトリウム、カルシウムといった成分は、植物や野菜が育つための重要な栄養素であり、これが食べ物の恵みをもたらします。

火山の多い日本、イタリア、インドネシアは、他の国に比べて、農地の生産性も高いと言われています。

(2)生態系の豊かさ

火山噴火後は、地面の隙間の多く、水はけの良い土地ができあがります。それが、植物の植生や野菜の栽培に適した土地となります。また、隙間は湧き水を生み、湧き水は川から海へと流れることで、海の魚介類も豊富になり、生態系が豊かになります。

(3)凹凸が生む地形

火山でできた凹凸の地形は、環境に合わせた住居や、焚き火の風除け、動物を仕留めるための隠れ場所など、狩猟採取に役立ったと思われます。

上記のように、火山地帯には恵みも多かったため、縄文人はそこで食料やものづくりの素材を得ながら、自然と共に生活していったと思われます。その中で、集団規模や生活のための技術を進化させていったのではないでしょうか。

次の記事では、そのような環境がもたらした、日本人の力・特性を見ていきたいと思います。

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