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2018年11月1日

2018年11月01日

シャーマンとは何か11~性充足が部族和合を実現する最強の贈与だった

前稿「人類の観念機能の土台となったドーパミン」では、人類では快感物質ドーパミン回路が発達し、それが人類の探求機能~観念機能の土台となったことを紹介した。

樹上機能を失い、絶望的な状況下に置かれたカタワのサル=人類は、性と踊りをはじめとする強力な充足回路を形成した。それが人類がドーパミン回路を発達させた理由であり、それがなければ、人類は生きる希望を失って早々に絶滅していたであろう。
『実現論』「前史ト.人類の雌雄分化と人類の弱点」

その名残りが、古代のシャーマン(巫女)の性と踊りのエクスタシーである。

以下は、『皇統と鵺の影人検索キーワードダイジェスト集』「巫女(みこ/シャーマン)」を要約したもの。
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シャーマニズムにおいて「神懸り」とは、巫女の身体に神が降臨し、巫女の行動や言葉を通して神が「御託宣」を下す事である。巫女舞の「神懸り」とは、巫女に過激な舞踏をさせてドーパミンを発生させ、エクスタシー状態となる事である。それによって、神が巫女に降臨し「神懸り」状態となる。

現代でも、夜通し踊ればベータ・エンドロフィンが脳内に作用してダンシング・ハイの興奮状態になるが、陰陽修験に伝わる呪詛行為の術では、巫女に過激な性交をさせてドーパミンを発生させ、脳内麻薬のベーター・エンドロフィンを大量に発生させる。巫女がオーガズム・ハイの状態になれば、その巫女の様子から周囲が神の降臨を認め、「神懸り」と成る。

日本には古来から女神が多いが、女神の資格は性交の儀式を執り行う事であった。

大和合の国(日本列島)黎明期の女神は、神の言葉を天上から受け取り、御託宣として下界の民に伝えるのが役目、つまり巫女(シャーマン)だった。そこに介在したのが、神事として奉納する性交の儀式である。五穀豊穣や子孫繁栄の願いを込める名目の呪詛として、巫女の神前性交行事が神殿で執り行われていた。

弥生時代~古墳時代まで、日本列島は縄文原住民族と多数の渡来部族が混在する人種の坩堝(るつぼ)だった。
そこで、部族間の争い事を回避する呪術が、性交に拠る人種的和合の「誓約儀式(うけいぎしき)」である。それによって次代が混血し部族が和合する。異部族間の性交が人種的和合の呪術だったからこそ、巫女に拠る神前性交儀式や神前娼婦などの文化が残った。

弥生期初期の頃は、本来の先住民・蝦夷族(縄文人)、加羅族(農耕山岳民族系渡来人、呉族(海洋民族)系渡来人の三系統に分かれ、その三系統も部族集団に分かれていた。最大の政治(まつりごと)は、それらの勢力の争いを回避する手段として始まった。そこで和解手段として最も実効があったのが誓約(うけい)の性交に拠る血の融合なのである。
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ここで注目すべきは、原始人類の性充足が、ドーパミン回路を発達させ探求機能~観念機能の土台となっただけでなく、その後の採集部族に至っては、性充足が部族間の同類闘争を回避し、部族和合を実現する最強の手段となったという点である。
採集部族は平和友好を維持するために様々な贈与をしたが、とりわけ性充足こそが部族社会を統合する最強の贈与だったのである。

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