2022年08月01日
サル・人類史 ~適応戦略と雌雄役割分化〔オス編〕~
哺乳類~人類の進化の中で、その時々の適応戦略に即して、オスとメスはどのような役割を磨いてきたかを見ています。
前回のサル・人類史 ~適応戦略と雌雄役割分化〔メス編〕~に引き続き、今回は~適応戦略と雌雄役割分化〔オス編〕~ です。
【オス】
●原モグラ(哺乳類)時代
胎内保育・授乳により、種としての淘汰圧力が低下。
オスの性闘争本能を強化することで、淘汰を促進。
●原猿時代
樹上適応により、同類との闘いが第一義になった原猿は、繁殖期以外も常時、縄張り闘争(防衛と侵犯)を繰り返すようになる。
また、相手が同類であるがゆえに、僅差の闘い、かつ頭脳戦となる。
●真猿時代
オナガザル系は、オスの闘争集団を形成。
オスへの闘争期待はますます高まる。
一方で、オス同士のスキンシップも発達し、その親和関係が闘争集団の基盤となっている。
●オランウータン時代
集団猿(真猿)に対抗するために、大型化。
また、母子密着期間の延長で発情メスが減少し、オスの性闘争は熾烈になる。
加えて、母親下の庇護期間が長くなることによる軟弱化を補うため、さらにオスの性闘争を劇化させる。
●始原人類時代
同類との一体化を促進するため、同期回路を強化。
同期行動によって闘争活力や闘争能力を上昇させていったと思われる。
※一方、一体化を妨げる性闘争本能は封印もしくは無効化。
●原人時代
万物との一体化で捉えた対象世界と、本能・共認回路で捉えた対象との矛盾を突破すべく、個々の対象を超えた本質(摂理や原理や構造)を見出す。
この万物の背後にある本質を見出す力こそが、人類の観念力の源泉であり核心となっている。
このように、オスはもっぱら、闘争圧力の中で変異を重ねつつ闘争能力を高めてきた存在であることが分かります。
ただし、その「闘争能力」の中心が、DNA変異による身体的進化から、本質追求による観念的進化になったことは注目すべき点だと思います。
その点については、今後もさらに追求していきたいテーマです。
さて、ここまでメスとオスの役割分化を適応戦略から追ってきましたが、みなさんお気づきのように、原人以降どうなったのかについては、年表でもまだ追求ポイントだらけです。
私たちも引き続き追求していきますが、ぜひみなさんも考えてみてください
- posted by nisi at : 2022年08月01日 | コメント (0件)| トラックバック (0)