2022年07月27日
サル・人類史 ~適応戦略と雌雄役割分化〔メス編〕~
3回にわたって、人類の外圧変遷史を扱ってきました。
今回は、その時々の適応戦略に即して、オスとメスはどのような役割を磨いてきたかを見ていきたいと思います。
時代ごとではなく、メス・オスに区切ってその役割の変遷(原モグラ~原人)を追ってみましょう。
【メス】
●原モグラ(哺乳類)時代
胎内保育・授乳でメスの生殖負担が増。
知能進化を促進する皮膚感覚の発達も、結果的にメスのスキンシップに委ねられることになる。
●原猿時代
樹上を占領したことにより、同類との闘いが第一義になった結果、オスに敵わないメスは、ボスに対する依存を強める。
ボスに依存したメスは、オスに親和を与える親和役割に収束する。
※オスの鼻を舐めるなどの親和様式を開発。
●真猿時代
オナガザル系は、オスの闘争集団を形成。
集団同士の闘争で戦力にならないメスは、より親和役割に傾倒。
ただし、オス同士のスキンシップも発達する中、メスは性的役割⇒挑発機能を磨いていった。
※発情期に性器を肥大・変色させる等。
●オランウータン時代
樹冠に適応すべくさらに体性感覚を鍛える必要から、授乳期間を延長。子育て負担はかなり増大。
また、母子密着時代の身体的一体感が原点となって、交尾(オス・メス間)でも一体化を求めるようになり、それに応えて性充足回路を形成。
※対面位でも交尾する、気持ちよさそうな鳴き声、交尾時間が長い(短くても数分以上、長いと30分くらい)等。
●始原人類時代
同類欠損→全面受容から、同類との完全一体化回路を形成。
同類との一体充足に可能性収束した人類のメスは、皮膚感覚と性快感機能をとことん磨いてゆく。
※無毛化、オーガズムの境地等。
●原人時代
同類との完全一体化回路を強化した結果、ついにメスは万物とも一体化できる地平に到達する。
この万物の波動を受け入れ、増幅する能力は、性だけでなくメスの柔軟性や包容力や直感力の基盤となっている。
※オーガズムにおける宇宙との一体化等。
画像はこちらからお借りしました。
以上、原モグラ~原人までのメスの役割の変遷を見てきました。
こう見ると、身体的な適応のための子育て進化と、同類間の適応のための性進化を、メスの役割(特性)の軸になっていることがはっきり分かります。
つまり、メスの能力の中心は、子育て力と性的能力にあると言えるでしょう。
次回は、オスの役割を見ていきます。
- posted by nisi at : 2022年07月27日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
trackbacks
trackbackURL:
comment form