2022年07月21日
人類の外圧構造の変遷② ~始原人類から新人まで
前回は現モグラからオランウータン(類人猿)までの外圧を振り返りました。今回は、足が先祖返りして樹上機能を失った始原人類(猿人)から新人までを見ていきます。
人類の外圧構造の変遷(クリックして拡大)
【始原人類(猿人)】
樹上機能の喪失により、地上に降りたオランウータン。地上では素早い移動ができず大型肉食獣から隠れ住むしかありません。同類欠損は、オランウータンの最先端機能である、共認機能の対象を喪失したことを意味し、主体の喪失=「無」の状態に。主体がなく、対象を全面受容する状態。この状態を起点として、同類を求め、同期行動に強く収束していきます。
オランウータンは母子密着の同期や、性による同期が一体化を生み出すことを知っていたと考えられます。初期人類は全面受容回路と同期回路を発達させていき、二足歩行訓練でもある踊りや性といった同期行動に収束してきます。先端外圧は、生存をかけた同類との一体化の追求圧力です。
【原人】
全面受容回路と同期回路を長い期間をかけて発達させ、同類のみならず自然(万物)との一体化ができるまでに至ります。メス発の性収束は皮膚感覚を鋭敏化し、快感回路はより増強してゆき、ついには同類の波動だけでなく宇宙や自然の波動をキャッチします。それは一体化回路が掴んだエネルギーの塊。これが、人類が獲得した原観念です。
万物のとの一体化回路と本能・共認回路との間に意識の混濁がおこります。意識を再統合するためには、具体対象の背後に、かつ一体化回路が掴んだエネルギーの塊の中に「何か」を措定する必要が生じます。それが「精霊」であり、共認回路から見た「期待応合(対話)の対象」です。
措定した精霊とその本質は眼に見えない対象、それを皆で追求しあらわそうとした。そのために身振り手振り、表情、地面にカタチで描くなどの表現方法が発達。その結果、指先や表情筋がより豊かになり微細な表現を可能になり、さらにより本質を抽出した音声言語の獲得に至ります。火や道具を扱い、脳容量の増大とともに急速な外圧適応を果たしていきます。
先端外圧は、万物との一体化の追求圧力です。
【旧人・新人】
生存課題の全てを本能⇒共認 ⇒観念(精霊信仰=事実認識)へと先端収束させることで観念機能を発達させ、その事実認識の蓄積によって生存様式を進化させていきました。観念機能(特に言葉)は、表情や身振り手振りによる共認よりも、遥かに多様で容易な共認を可能にし、共認内容の無限に組み換えを可能にしました。観念機能がDNA進化に代わる新たな進化機能となります。土器や石器など道具の多様化、石器を使った狩猟器具の発達、投槍による大型動物の狩猟、弓矢の発明による生産力、防衛力の上昇により出洞窟を果たします。地上に進出した人類は、忽ち外敵を駆逐して繁殖していきます。
先端外圧は、観念の自在な組み換え追求です。
ちなみに日本の歴史の第1章である縄文時代。自然と共生し、持続的で、人を殺す武器を持たず、女性が中心の母系社会で、縄文土器や木製品に代表される芸術性の高い物づくりに長けた人々の社会が1万年(弥生時代から現代まで2400年でしかない)続いたのです。この縄文時代の解明に、人類再生のヒントが隠されていると思われます。
次回は、出洞窟以降の外圧の変化について見ていきます。
お楽しみに。
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2022年07月21日
人類の外圧構造の変遷① ~哺乳類からオランウータンまで
今回から3回にわたって人類の外圧構造の変遷を見ていきたいと思います。
哺乳類から、サル、人類に至るまでに外圧は塗り重なっています。元の圧力は先端圧力に相乗収束しており、先端圧力への対応が元の外圧にも適応できる構造になっています。外圧=内圧ですから、外圧は生きる上での活力源であることも忘れてはいけません。
以下に外圧構造の変遷(クリックして拡大)を表にまとめました。
今回は、哺乳類(原モグラ)からオランウータンまでを扱います。
【原モグラ(哺乳類)】
現在の哺乳類につながる種は6500万年前に出現しています。特殊寒冷期を土の中で生き延びた原モグラ類が、急速かつ多様な適応放散していきます。胎内保育や母乳での子育てが特徴で一体化の基盤はありますが、成体での淘汰圧力を強化するために極端に性闘争本能を強化しています。先端圧力は自然外圧・外敵圧力です。
【原猿】
原モグラ類から樹上に逃避し適応したのが原猿です。拇指対向性と立体視を獲得により原猿と定義されます。原猿にとって外敵のいない樹上は楽園であり、食料限界まで繁殖していきます。絶えざる縄張り侵犯が常態化、弱オスは恒常的な飢えと怯えから、無限苦行に陥り本能が混濁。状況と欠乏の同一視から共感回路を形成します。これがサル、人類がもつ共認機能の原回路です。先端圧力は縄張り確保のための同類圧力です。
【真猿】
真猿の定義としては、オス同士の闘争共認の成立、集団化です。課題、役割、規範を共認する共認統合による集団が形成されています。集団化により異種のサル間での種間闘争が激化し大型化してきます。地上に逃避したパタスモンキーやヒヒ、北方に逃避したニホンザル、樹冠に逃避したテナガザルなど。内雌外雄の闘争集団を形成しており、メスは役割不全から性機能に収束しています。特徴としては、顔に毛がない、毛繕いをする、授乳期間や子育て期間が延長されています。先端圧力は縄張り確保のための同類圧力です。
【オランウータン(類人猿)】
樹冠に逃避したテナガザルは体性感覚の必要性から後天的に脳回路を形成していきます。さらに授乳期間を延長させ、親和回路・共認回路が発達していきます。メスは性収束し年中発情が可能となっています。知能獲得に加え大型化することで、森林中央部を占拠する複雄ザル(真猿)を寄せ付けない制覇種へと進化し、ユーラシア全域に類人猿は拡散していきます。
そのなかでもテナガザルから派生したと考えられるオランウータンと人類の類似性は際立っています。人類との類似点が28(ゴリラ7、チンパンジー2)と圧倒的に多いほか、人類と同様に繁殖を超えた性を行っています。オランウータンの長時間(40分)の交尾は、わずか数秒のチンパンジーやゴリラとは全く異なります。原猿のペニスにはトゲがある複雑な形状ですが、真猿類になるにつれて形状が単純になり、オランウータンではほとんど人類と同じトゲのない滑らかな形状になっています。これは飢餓の圧力に対して相互にエネルギーを与え合う一体充足の性を行っていると考えられます。この一体化欠乏は同類のみならず自然対象にもむけられており、強い好奇心や未知へ収束は観念の原回路と考えられます。先端圧力は同類との一体化の追求圧力です。
次回は、足が先祖返りして樹上機能を失った始原人類(猿人)から見ていきます。
お楽しみに。
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