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2009年04月15日

マサイ族の性について②

「世界の現在の性意識」シリーズ、【マサイ族】についての第2弾です。 
 前回の投稿では、彼らにスキンシップの習慣がなく、セックスに性充足、解脱という要素もないということがわかりましたが、こうした彼らの意識はどこから来るのか。今回は彼らの生活形態や社会制度をおさえてみたいと思います。
 最近では、マサイ族の中でも定住したり、旅行客にみやげ物を売ったりする所謂「観光マサイ」と呼ばれる人々が増えているようなのですが、本来の彼らの暮らしぶりはどのようなものだったのでしょうか。
 「るいネット」の投稿に、マサイ社会の有力な長老オレ・サンカンが1971年に著した『我ら、マサイ族』の要約がありましたのでこちらを紹介します。
 


 

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【マサイ族の勇士婚の事例】(リンク

①生活形態
ケニア南部~タンザニア北部の高原乾燥地帯に住む生粋の牧畜民。(マサイ=牛に活きる人)
②集団
部族連合体であるが、各部族は自立性の高い自治組織で、固有の年齢体系に基づく制度によって統制をはかり、自前の武力組織を保有する。マサイは、火と剣で全てを滅ぼす戦士として恐れられており、牛が不足すると牛群を持つ他民族を襲撃する(神話に、地上のすべての牛は神からマサイに与えられたとあり)。飽くなき蓄財欲から、内部でも部族間の抗争が絶えず、部族の消滅や吸収を繰り返してきた。大きな闘いに際しては、預言者の指示が強い影響力を持つ。敵の集落では、男を殺すことはあっても、女や割礼を受けたばかりの若い男を殺すことはない。戦利品は、偵察要員、入社組の役職者、より多くの敵を殺した者、青年集落リーダー、その他の順で参加者全員に分配される。
③社会制度
戦闘能力を持つ少年がある一定の数に達すると、長老たちによって割礼式の挙行が決定され、各地域から集まった少年たちは、儀式用の小屋で4日間踊りを踊り、最後に牛が屠殺される。この期間中に選任される入社組(エイジグループ)長は、以降入社組を指導する役目を担い、同輩に対して強い拘束力を持つ。1~2年後、第二の儀礼として、素手で去勢牛の角を掴み、引き倒して力を誇示する儀礼を行った後、自分たちの集落に戻って実際の割礼を受ける。その後剃髪の儀礼を契機に、”下級青年”になり、槍と楯の携帯を許される。下級青年たちは、青年村と呼ばれる新しい集落で、外敵から土地を守る自衛戦士として何年かを過ごす。次世代の者にその役割を引き継ぐ時期になると、”青年昇級式”が行われ、この儀式で選任される”植樹役”が、入社組の同輩を代表して最初に結婚する役割を担う。儀礼の最後に植樹役が妻にする女を選ぶが、別の男と既に婚約している等の婚姻上の諸慣習は無視される。以降、同輩達の結婚も正式に許可され、飲乳式の儀式を経て、制度上は長老の身分となる。
時期をずらして組織される2つの入社組は、ある時期になると1つの年齢組(エイジセット)として編成され、成員は対等の権利と資格を有し、住居、妻を共有することができる。


 彼らのかつての生活は、ライオンなどの猛獣が闊歩するエリアでの遊牧という過酷なものです。騎馬文化を持たない彼らの移動手段は徒歩、猛獣に会えば戦うしかない。遊牧を糧とする民族の中でも特に外圧の高い集団といえます。
 そうした環境の中では、男は闘争集団として特化(未婚青年による戦士集団)していく必要があったのでしょう。結束を強め、役割共認を強固にするためにも(ライオンと戦うときは一人がおとり役となって近づき、スキを突いて集団で取り囲み槍で仕留める。)解脱は戦士集団の男同士で行う(戦士の踊り)事が多かったのでは?(想像)
 男同士での解脱が多くなれば、当然女の性充足は封印する方向にシフトします(そうしないと生きていけないほどの過酷な外圧状況だった?)。サバンナでの遊牧という特殊要因が「スキンシップの習慣がなく、セックスに性充足、解脱という要素もない。」という彼らの性意識につながるのかも知れません。
 一方で、マサイ族の性生活にはこんな記述もあります。こちらは平成19年の著作なので、後半部分はかなり市場経済が入り込んだ風俗となっているのかも知れませんが。
【マサイ族の文化 「晴れ、ときどきサバンナ」読書メモ】(リンク

 マサイの性生活。小学生くらいから始まる。思春期のモランには、性の快楽を分かち合う11・12歳のエンティト(陰核切除手術をしていない少女)の恋人がいる。処女で10歳になる少女は珍しい。男はモランになる前の15歳から23歳の間に割礼をすます。少女は結婚前まで陰核切除手術を受けない。
 割礼・陰核切除手術はマサイにとり大切な儀式である。男子はエイジ・グループという年齢集団で割礼儀式を受ける。その最中に眉をしかめたりすると、一生臆病者と呼ばれる。反対にエンティトはどんなに泣き叫んでもよい。エンティトはモランとの関係が続いている間、自分の恋人以外にも言い寄ってきた同年代のモランを受け入れてもいい。
 エンティトは何頭かの牛と交換に、自分より一回りも二回りも年上の男の嫁になる。昔の慣習では、妻は夫の友達や兄弟が遊びに来た時に、彼らの夜のもてなしまでしていたという。男は他のクラン(氏族)から親の決めた相手を第一夫人にめとる。第一夫人は夫の第二夫人を決める権利があり、第一夫人と台に夫人は第三夫人を決める権利がある。
 単身赴任男の集まりのようなロッジでは、誰でもマラヤ(娼婦)を抱えている。男達の間ではグヌーと呼ばれる。ロッジの給料日が近くなると、グヌーが金の匂いをかぎつけてやってくる。マサイ・マラのグヌーの相場は「洗濯・料理・夜の仕事」三点込みで一日200円。夜の仕事は平均6回らしい。

 マサイ族をはじめ、アフリカの民族を調べていくと、度々「割礼(特に女子割礼)」というキーワードが出てきます。男子の割礼は衛生面で有利だったという解釈がありますが、女子の場合はどうも起源、理由がはっきり判りません。女子割礼の歴史は古く、紀元前のエジプトのミイラにも割礼を施されたものがあるようです。バリエーションも多く、小陰唇の一部を切除するものから、外性器全部の切除および膣の入り口の縫合を行うものまで様々です。概して、衛生面では危険性は高く、女の性欲を押える又は、処女性を高めるために行うと言われています。
 割礼や宦官等の風習は牧畜民の去勢、断尾の技術が起源とされており、農耕民族の日本人にはなかなか受け入れがたいものがありますね。(古代日本も律令制度は取り入れても宦官制度は採用しませんでした。)
・先進国を中心に廃止運動が高まっている。
【村民が「女子割礼」を非難、撲滅目指すと ニジェール】(リンク
・現地の女性では存続を希望する人も…
【シエラレオネで、女子割礼の存続を訴えて女性たちがデモ】(リンク
・画像があるため閲覧にはご注意願います
【女性器切除 FGM】(リンク
 マサイ族の場合、女の性欲を押える為であれば、上記の記述にある【マサイの性生活。小学生くらいから始まる。思春期のモランには、性の快楽を分かち合う11・12歳のエンティトの恋人がいる。】とは矛盾する気がします。そもそも、若年のうちに性充足の経験を積ませておいて、後で封鎖というのもおかしい。(それぞれの文献の時系列が違うのか?)
 『マサイ族の性意識』もう少し探ってみる必要がありそうです。

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