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2009年11月27日

サル・人類の機能獲得と弱点6~弱点を克服してからの集団様式

木に登れなくなった人類は、洞窟に隠れ住み、飢えや恐怖を克服するために性と踊りをはじめとする強力な解脱充足回路を形成し、500万年間生き延びる事ができた。しかし、その解脱充足回路が、人類にとって最大の弱点となってしまう。弓矢等を発明し、自然外圧を徐々に克服し始めると解脱を貪り堕落して行くことになる。そうなると集団はどのような課題を背負う事になるのか?そしてどのように集団を統合していったのかを探っていきます。
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実現論 第一部:前史 チ.採取時代の婚姻様式より引用します。
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観念機能(事実認識=洞窟・貯蔵・火・調理具・戦闘具・舟・栽培・飼育)の進化によって生存力を強化した人類は、約1万年前弓矢によって外敵と互角以上に闘えるようになった頃から洞窟を出て地上に進出する。そして地上に進出した人類は、忽ち外敵を駆逐して、繁殖していった。その結果、繁殖による集団の拡大→分化を繰り返した人類に、ようやく同類闘争の潜在的な緊張圧力が働き始める。とは言え採集部族や狩猟部族は、互いに贈物etc.を通じて友好関係の構築に努め、闘争を回避していた。

しかし、外圧が低下すると集団統合力が低下し、規範収束力も低下してゆく。同時に、外圧の低下につれて解脱収束(中心は性充足の欠乏)が強まってゆく。更に、集団規模が拡大したこともあいまって、原モグラ以来1億年に亙って踏襲してきた首雄集中婚を維持することが困難になっていった。こうして約1万年前、人類の雌雄(婚姻)関係は劇的に変化してゆくことになったが、豊かな山野や海辺に進出して木の実などの採集や漁労に転じた採集生産の部族と、従来通り獲物の豊かな森林で狩猟を続けた狩猟生産の部族では、全く異なる婚姻規範を形成する。

東アジアの黄色人(モンゴロイド)をはじめとして、世界人口の過半を占めていた採集・漁労部族は、仲間の解脱収束→性欠乏の上昇に対して、皆が心を開いた期待・応望の充足を更に高める方向を目指し、部族内を血縁分割した単位集団(氏族)ごとの男(兄たち)と女(妹たち)が分け隔てなく交わり合う、総偶婚規範を形成した(但し、氏族を統合している部族レベルでは首雄集中婚が踏襲されている事例が多いので、正確には上部集中婚・下部総偶婚と呼ぶべきだろう)。なお、その後同類闘争の緊張圧力が高まると、再び集団統合力を強化する必要から、氏族ごとの閉鎖性を強め分散力を強める兄妹総偶婚は廃止され、部族内で定められた他の氏族の異性たちと交わり合う交叉総偶婚に移行してゆく。何れにしても、期待・応望充足を最大の活力源とする採集部族は、総偶婚によって期待・応望(=共認)充足を破壊する性闘争を完璧に解消して終うと共に、総偶婚によって一段と期待・応望充足を強めたことによって、その充足を妨げる自我回路もほぼ完全に封印していった。

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ここでの採集・漁労部族における女の役割は、注目に値する。採集部族では、弓矢を持った男たちが防衛する(狩猟もするが、獲物は少ない)安全域で、女たちが主要な食糧を採集する。もちろん、闘争過程の主役はあくまでも男たちの防衛であって、女たちの採集は従役である。それにしても、食糧の過半を女が採ってくるというのは、外圧の強い極限時代には考えられなかったことであるが、皆=集団の期待(食糧の採集という役割)に応えて、採集部族の女たちはよく働いた。しかし、それでもなお男たちの期待の中心はであり、従って女たち自身にとっても、自分たちの中心的な役割は性役(男たちに性的充足を与えること=自らの性的充足を得ること)であった。役割欠損ゆえに性的存在となった女にとって、集団=全ての男たちの期待(=性役という女の役割規範)に応えることほど、自らの存在理由を充足させるものはない。従って、タヒチをはじめ採集部族の女たちは、極めて積極的に集団の期待=性役規範に応え、更に性機能を磨いていった。(近世になって西欧人が侵略の目的でやって来た時でさえ、タヒチやカリブの女たちは、彼らを性的に歓待した。これは、採集部族の人たちがいかに心を開いていたか=いかに警戒心が無かったか=いかに完全に自我を封印していたかの証明であり、また女たちが、集団の性役規範にいかに積極的に応えていたかの証明である。)

それに対して、ヨーロッパの森林地帯に留まった白色人(コーカソイド)をはじめとする狩猟部族は、その狩猟という生産様式から、まだまだ強い闘争圧力を受けて強い集団統合力を維持し続けており、その結果、首雄集中婚の規範が長く残り続ける。しかし、外圧の低下によって次第に解脱収束が強まり、集団規模も拡大してゆく。そこで狩猟部族は、首雄集中婚を踏襲しつつ、首雄=族長という資格を一段下に拡張した勇士集中婚を形成していった(これは、女長老が采配する母系氏族の姉妹たち全員が勇士を迎え入れる、勇士婿入り婚とも言える)。だが、ここに大きな落とし穴があった。首雄は、原モグラ(哺乳類)以来の自然な存在であり、かつ唯一人である。それに、皆が評価し共認した族長に対して不満などあろう筈がない。仮にもし不満があったとしたら、直ちに皆が認める新たな族長に替わるだけである。しかし、勇士は一人ではなく何人もいる。しかも、勇士の資格は人工的に作られた資格である。従って、男たちの相対性と各々の正当化から自我を発生させて終う余地が大きい。何より問題なのは、首雄集中婚や総偶婚では集団規範によって性(婚姻)の相手は決まっており、従って娘たちは12歳前後で、思春期を迎えるや否や直ちに性関係に入ってゆく事ができる(=女の最大欠乏たる性的役割欠乏が充足される)のに対して、人工的な勇士婚では相手は決まっておらず、勇士が決まり婚姻が決まるまで、娘たちの性欠乏=存在理由欠乏は宙に浮いてしまうことである

もともと首雄集中婚の下でも、外圧が低下して解脱収束を強めた男たちの性欠乏は宙に浮いていた。しかし、モグラ以来、首雄以外の男の性は封鎖されてきたし、性の主役は女なので、女の性の相手を定めた婚姻規範が有る限り、問題は起きなかった。ところが、勇士婚規範によって、その女の性が宙に浮いてしまった。こうなると、規範破りの性関係が発生してくるのは避けられない。とは言え、狩猟生産の段階ではまだまだ闘争圧力⇒集団統合力が強く、規範破りの不倫は殆ど発生しなかっただろうし、万一発生したとしても、部族を捨てて逃げるほど反集団的には成れず、従って(恐らく男が)処刑されて一件は落着しただろう。しかし、牧畜生産に移行すると一気に闘争圧力が緩み、集団統合力も低下する(牧畜は、一般には採集部族と同様に女の仕事であり、従って牧畜部族に働く外圧は、採集部族に働く外圧レベルにまで低下したと考えられる)。そこでは勇士の資格が更に下に拡張され、規範破りの不倫も、時折は発生したに違いない。しかし、やはり氏族(親や兄弟や仲間)を捨てて逃げるほど、反集団的な意識には成り得なかった(集団を捨てて逃げる為には強固な反集団の自我収束が必要だが、そこまで強く自我収束し得る場が、狩猟部族や牧畜部族には見当たらない)。だが、彼らが遊牧へと移行していった時、彼らは遂に開けてはならないパンドラの箱を開け、集団を破壊する性闘争を顕現させてしまうのである

ポイントは以下の内容になると思います。
外圧状況により、生産様式が作られ、そして生産様式による外圧状況の変化に対応するために集団の根幹を成す男女の婚姻様式が決定されていく。
集団としてどのように外圧に適応していくのかが集団にとっての第一課題であり、この課題が克服されると、集団課題が捨象され、個人課題へと暴走する可能性が生まれていく。
上記内容の図解を纏めたものがありますので、紹介します。
実現論勉強会 チ.採取時代の婚姻様式の図解をお借りします。
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先日のなんでや劇場で、現代のセックスレスの問題も、適応本能の位相で秩序の崩壊という問題意識を誰もが普遍的にキャッチしており、得体の知れない不安と焦りから、性欲が生起しない状況との分析がされた。要は男の最優先課題が秩序の崩壊をキャッチと先行き探索、新秩序の構築することであることが見えてきた。だから、性は棚上げ状態。セックスレスは自我の性のリセット過程であり、本源の性へ向かうためには避けて通れないということも見えてきた。
今後、このブログでも、男女の役割共認から、どういう秩序化が可能かをきちんと答えを出していく必要があるでしょう。今後とも期待してくださいね♪
by 充足の叫び

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ネアンデルタール人は、DNA解析が現在も進められているようですね。この研究で混血の話など新しい発見があるかもしれません。期待したいところです。
過去の生活を推し量るのは非常に難しいことですが、定説にとらわれない意見を私たち素人からも出していければと思います。

  • HAYABUSA
  • 2010年3月13日 22:11

>『交配の事実』=『ヨーロッパ人(白人)はネアンデルタール人との混血種』となり、万物の長たる白人には耐え難いことだからです。このような優性思想は過去に『ピルトタウン人事件リンク(人類発祥の地はイギリスである)』と言う捏造事件も生み出してしまいました<
ネアンデルタール人について書かれている説を調べると、DNA鑑定などの化学的アプローチを別にすると、思い込みや一面の事実のみを取り出して考察しているような説が多いように思います。
結局ネアンデルタール人が現生人類につながっているのか、いないのかすらはっきりしないくらいネアンデルタール人研究が混乱している感じがするのは、確かに言われていることがその元になっているのではないかと、私も思います。

  • TAB
  • 2010年3月16日 02:50

hermes uk mail 共同体社会と人類婚姻史 | 人類の進化 6 ネアンデルタール人は「野蛮」だったか? 人類の生活をどう復元するか

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