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2015年03月26日

地域づくりの主役は女~社会問題解決に大きく貢献する女性のNPO活動

地域活動に参加する女性が増えているなか、今回はNPO活動に注目してみました。
法人格を得られるよう法改正されて以降、NPO活動が盛んになっているが、
一方で金銭的報酬が十分でないケースもあり、地域活動を事業として展開、継続していく体制づくりが求められているようだ。

 

◆女性とNPO活動
地域づくりに女性が大きく貢献するようになってきている。
日本では、近年非営利セクターが拡大し、特にNPO法人で活動する人たちが注目されている。
その大きな転換期となったのは1998年に施行された特定非営利活動促進法である。
この法律によって特定非営利活動を行う団体に法人格が付与されることになり、法人格を得た法人がNPO法人とよばれている。
これによって、資金をもたない普通の市民たちが法人という形式をとって社会的な活動をすることについて法的認知、社会的認知が与えられた。
NPO法人の認証数は2014年2月末で4万8854法人になり(内閣府調べ)、社会のなかでの認知も広がっている。

NPO活動の促進の背景には、少子高齢化社会、子育て不安の増加、若年失業問題、地球温暖化など、多様化し複雑化する社会問題がある。
これらの社会問題の多くは行政主導で解決していくことが求められるが、地域社会による助け合いや個々人が解決しようという取り組みも必要であり、ここにNPO活動の重要さがあるといえる。

社会問題の解決をめざすNPO法人の活動はさまざまであるが、2013年に内閣府が行ったNPO法人の調査によると、もっともNPO法人の登録が多い活動は、「保健・医療または福祉の増進」(57.2%)、次いで「町づくりの推進」(39.7%)、「子どもの健全育成の推進」(38.3%)となっている。
また、年間収入の中央値は662万円、職員数の中央値は5名、有給職員数の中央値は3名と、日本においては比較的規模が小さいNPO法人が多くを占めている。

このような状況のなか、内閣府が非営利で活動しているNPO法人及び任意団体に実施した「市民活動団体等基本調査」(2008年)によると、市民活動に従事するのは女性が多く、NPO法人のスタッフも女性が多くを占めている。スタッフの性別は、NPO法人では「女性だけ、あるいは女性がほとんど」が24.4%(任意団体では40.5%)、「やや女性が多い」が21.1%(任意団体では15.7%)であった。
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また、調査した団体全体では、女性が多い団体が53.3%、男性が多い団体が27.3%であり、全体に女性が活動の担い手になっていることがわかる。
同様に年齢をみてみると(多い年齢層を二つまで)、「60代以上」が55.7%、「50代以上」が43.6%、「40代以上」が21.3%、「30代以上」が12.2%であるが、NPO法人の場合は30代、40代のスタッフで構成されている場合が多い。さらに、総務省の「事業所・企業統計調査」によると非営利セクターの従業員に占める女性の割合は2009年には全体の約6割を占めている。なぜ日本では、女性の方が男性より市民活動を行い、非営利セクターで活動し、NPO法人に参加しているのだろうか。
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NPO活動の担い手として女性が注目される理由として、

(1)性別役割分業によって女性はお金を稼ぐことから解放もしくは排除されているので非営利的な活動が男性よりも女性に親和的であること、
(2)NPOは男性によって主導されてきた営利企業と行政サービスによって十分供給されていないサービスの提供者として、新たに登場してきたので、男性による主導の程度がそれほどでもなく、周辺的であるがゆえに女性が活躍しやすい面があること、
(3)現在のNPO活動の主流をなす福祉や教育が、女性に向いている活動とみなされているので女性に参加しやすい状況を作っていることがある。

 

◆地域づくりと女性のNPO活動
事例からみると、第1に、解決しようとする課題は、高齢化社会への対処、外国人との共生、女性の就労の拡大、男女共同参画社会の実現とさまざまであるが、女性たちは地域の問題を解決しようとするなかで、地域を活性化させ、つながりを深くしている。
第2に、女性たちの活動は地域づくりに資するものになっているだけではなく、女性たち自身が力をつける土台にもなっている。
第3に、一方で、金銭的報酬があまり支払われていないケースがある。

金銭的報酬がきちんと支払われるか、そうでないかは、(1)事業志向型の活動か、提案志向型の活動であるか、(2)メンバーの経験、によると考えられる。事業志向型の場合は、行う事業が明確で事業が拡大し、収益が上がれば金銭的報酬をメンバーが得ることができる。
また、従事するメンバーが金銭的報酬を労働の対価として得るのが当然と考えて活動するのか、それとも、金銭的報酬がすべてではないという考えを持つかで、金銭的報酬が実現するか、そうでないかが異なる。

そして、労働の対価として当然と考えるか、考えないかには、ひとつはメンバーのそれまでの職業経験や状況が反映していると考えられる。専業主婦で社会とのつながりを求めていた者にとって、NPO法人で活動することで得られるものは、「労働の対価+生きがい・志」であり、一方で、働くことの延長にNPO活動があった者にとっては生きがいや志はもちろんあるが、労働の対価は金銭的な報酬であろう。さらに、彼女たちの金銭的報酬への考えには他に生計を支えるものがいるかどうかにも大きく左右されるだろう。

また、NPO法人のもつ活動そのものの特徴が、メンバーが金銭的報酬を得ることへの志向性を弱めている。社会的に貢献したいという気持ちや使命感が金銭的報酬への志向性を弱め、金銭的報酬がなくてもそれを補う満足感を与えている。メンバーへの金銭的報酬といった観点から考えるとき、このような気持ち・使命感と金銭的報酬への考えを分離する必要があるといえるだろう。さらに、NPO法人に従事するメンバーが金銭的報酬を得ることの社会的認知も必要である。NPO法人は非営利団体であり、法人としては利益を追求しないが、それはNPO法人で活動するメンバーの活動(労働)の対価が切り下げられることを意味していない。

地域づくりと女性のNPO活動について考えてきた。女性のNPO活動は地域づくりに大きく資するものであり、また、女性自身が力をつける場にもなっている。一方で、金銭的報酬をみたとき、それが十分でない場合もあり、より持続的な活動を考えれば、労働の対価として支払われるような事業展開やメンバーの意思が必要といえよう。
(参考:月刊 地域づくり http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/book/monthly/1406/html/f00.htm )

 

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