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2018年11月15日

人類は近縁種と交配することによって適応可能性を拡げてきた

およそ4万年前にネアンデルタール人が絶滅して、地球上の人類は、私たちヒト(学名はホモ・サピエンス)だけになってしまった。
しかし、昔はたくさんの人類がいたのだ。仮に7万年前の地球を考えると、そこには少なくとも4種の人類がいた。ヒトとネアンデルタール人と、インドネシアのフローレス島で化石が見つかったフローレス原人と、シベリアで化石が見つかったデニソワ人だ。

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ネアンデルタール人とヒトが交配していた事実が、両者のゲノムから明らかにされたのは2010年だった。当時としては衝撃的な結果だった。
しかし、人類というものは、いろいろな種と比較的自由に交配するものらしい。現生人類と先行人類のあいだの交雑が普遍的なものであれば、我々の核ゲノムの中に、それぞれ先行人類の遺伝子が受け継がれていることになる。

世界中の人種ごとのDNAと先行人類のDNAを詳細に分析することで交雑割合を判明できる、現在までにネアンデルタール人、デニソワ人以外にも未知の原人が現生人類と交雑したことも判明している。また、サハラ以南のアフリカ人にも未知の原人のDNAが2%伝わっていること、ネアンデルタール人のゲノムが現代のヨーロッパ人、アジア人のDNAの1.5~2.1%、さらに、メラネシア人にはデニソワ人のゲノムが7.5%を占めていることなどが解っている。

無題

「ホモ・サピエンスが旧人類から受けDNAの一部は、私たちの種が地球全体に進出していく過程で、新天地への適応を助けただろう。」と、プリンストン大学の遺伝学者エイキー教授は語る。現代人のゲノムに含まれるネアンデルタール人の配列を調べると、15の配列が高頻度に見られることが判明した。それらは2つのグループに分けられる。約半数は免疫に影響を及ぼすもので、現生人類が新しい環境に拡散していったとき、未知の病原菌やウイルスにさらされた。異種交配を通じて、現生人類は適応をネアンデルタール人から獲得していたので、未知の病原体をうまく撃退できた」とエイキー教授は語る。

配列の残り半分は、色素沈着レベルに影響する遺伝子など、皮膚に関係するものだ。アフリカで誕生したホモ・サピエンスは、太陽光に含まれる有害が紫外線から身を守るためにおそらく肌の色は濃かった。そのため、彼らは北上しながら、十分なビタミンDを得るために色の薄い皮膚に進化させる必要があったと考えられる。(ビタミンDは主に太陽光を浴びることによって体内で作られる。)

私たちに有用な遺伝子をもたらした旧人類はネアンデルタール人だけではない。例えば、現代のチベット人は標高の高いチベット高原の低酸素環境に対応するのを助ける遺伝子変異をデニソワ人から受け継いでいる。また、現代のアフリカ人は有害な口腔細菌の撃退を助ける可能性がある遺伝子を未知の古代の先祖から受け継いだ。

長い年月をかけて地域の環境に適応していた旧人類との交配によって、現生人類は自身の遺伝子プールに好ましい変異が生じるのを待つよりも短期間で新たな環境に適応できたのだろう。

【参考】
・日経サイエンス2018.12「新・人類学 特集」
・講談社ブルーバックス2018.09.07「ゲノム解析でわかった我々と絶滅人類との深い関係」(リンク
・いつでもLOUPE(リンク

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