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2019年11月12日

人類に体毛がなくなった理由⇒その基礎事実

●体毛がない哺乳類の3類型
【1】 熱帯地方に生息し、体重が1トン以上ある場合(ゾウやサイ)
体重と体積が大きくなればなるほど、表面積は相対的に小さくなり、体内で発生した熱を外部へと放出することが困難となる。マンモスのように寒冷な地域に住んでいる場合は別だが、ゾウやサイなど、熱帯地方に住む1トン以上の哺乳類は、毛を失う。これらの動物は、皮膚の保湿と紫外線遮断のために、体を泥でパックする。なお、キリンは、1トン以上の場合でも、体重に対する表面積の割合が大きいので、毛を失わない。

【2】 完全に水中生活をしている場合(クジラやイルカ)
完全な水中生活では保湿の心配はない。紫外線も、空気よりも密度の高い水によって遮断される。陸棲動物は、毛の間に空気を溜め込んで断熱材にするが、この温度調節方法は完全水棲動物には使えない。水棲動物は、毛を失う代わりに、皮下脂肪層を発達させて、体の温度変化を和らげる。

【3】 直射日光が当たらない場合(ハダカデバネズミとハダカオヒキコウモリ)
ハダカデバネズミはアフリカのエチオピア、ケニア、ソマリアなどのサバンナの地中で暮らすげっ歯類。地下トンネルに集団で住み、最大300頭もの大規模な群を成し、「ハチやアリなど昆虫とよく似た分業制社会を形成。ハダカデバネズミは、地中にトンネルを掘って暮らす。トンネルの中は、外の環境とは関係なく、温度は28-32度、湿度は80-90%に保たれている。
1匹の女王ネズミと1-数匹の王ネズミのみが繁殖を行う。
他の非繁殖個体は、兵隊ネズミ(巣の防衛)や働きネズミ(穴掘り, 食料の調達, 仔の世話)。
「蜂と同じような社会(真社会性)をもつ哺乳動物ハダカデバネズミ」

●古生代の魚類には硬い装甲や、鱗で覆われた身体を持つものも多いが、現生の魚類の中には水中の微弱な電位変化を皮膚で感知し、エサになる小魚などを捕まえる種がいる。一方、ある匂い感知機能を持つ受容体が、オタマジャクシのころは表皮に存在するのに、成長してカエルになるとなくなると報告されている。古い時代の水の中に棲む脊椎動物、魚類は体表にさまざまな環境因子を感知する感覚器を持っていたと考えられる。そして陸上動物になった時(最初は両生類)、それらの感覚器の多くは失われたか、機能しなくなった。

人類が体毛を失ったのは、120万年前のホモ・エルガステルあるいはホモ・エレクトゥスと考えられているが、興味深いことに、これらの種から脳が大きくなり始めた。
全身の表皮が環境にさらされる、「皮膚感覚の復活」が人類の生存に有利に働いたのではないかと考えられる。それが脳の容積の増加にもつながったのではないか。
「皮膚感覚の復活が人類を進化させた」

●毛穴の数はチンパンジーとは変わらないが、体毛の長さと太さが違う。無毛といっていい状態だが、ところが妊娠6ヵ月頃の胎児には毳毛(ぜいもう)が全身を覆うように生えてくる。しかしこの毛は通常、生まれる前に抜け落ちてしまうらしい。
「人類が体毛を失ったのは?(仮説)」

 

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