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2015年10月09日

データでみる 現代の結婚をとりまく状況

今回は、結婚にとりまく状況を、国立社会保障・人口問題研究所の統計データに基づき、考察してみたいと思います。

下記のグラフは、見合い結婚と恋愛結婚の推移を示すグラフです。
グラフでみると、戦前は7割が見合い結婚。1960年代の後半に恋愛結婚と見合い結婚の比率が逆転し、現在は恋愛結婚が9割を占めています。

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上記グラフは、結婚した男女のみを対象としたデータです。

次は男女それぞれの生涯未婚率の推移を示すグラフです。80年代を境に男性の生涯未婚率が上昇し、90年以降女性の生涯未婚率も上昇していきます。そして現在の状況は、男性の5人に1人、女性の10人に1人が生涯一度も結婚しないこと示しており、今後も上昇していくと予想されます。
※この状況下で、「負け犬(’04年)」「草食男子(’06年)」「婚活(’07年)」などの男女関係や結婚に関するキーワードが登場します。

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それにしても、戦前(70年前)と現代では、隔世の感があります。なんといっても、日本の地方では戦前まで「夜這い」の慣習が残っていました。
以下、赤松啓介・著『夜這いの民俗学・夜這いの性愛論』より

ムラの「夜這い」は、性が高度にシステム化された世界である。子供たちはまず「子供組」に入り、十三歳になると男は「若衆組」、女は「娘仲間」に入りそれぞれ性教育が施されたのち、夜這いの対象として実際に性交に及ぶ。特に祭りの日と夜這いはセットであった。夜這いが繰り返されるうちに、縁組をどうするかそれぞれの家で検討されたり家同士で協議されたりして、組み合わせが決まっていく。

高度にシステム化された「夜這い婚」は、「皆婚制度」という見方も出来ます。「若衆組」「娘仲間」に組み込まれ、性を通した集団意識が育まれ、“お試し期間”を経て、家同士での縁組に至ります。ムラ(=村落共同体)全体が個人の性に介入し、性の取りこぼしがないような仕組みになっています。

それに対して恋愛結婚は、個人の自由が尊重され、ムラや家が個人の性に介入することを拒みます。その結果、性を巡る個々人の自由競争となり、必然的に「勝ち組と負け組」(=モテるorモテな)が登場します。この構造が、「負け犬」「婚活」「草食男子」など生み出す背景になったのだと考えられます。

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