2006年09月20日
アメリカ原住民の対偶婚
モソ人の妻問婚は、かつて世界の各地で見られた交叉婚(の変形?)ですが、モルガンは著書『古代社会』(1877年)で、人類文化の発展段階(野蛮→未開→文明)に応じて、次のような家族形態と親族制度へと発展したとしています。
0乱婚(全員婚)…家族形態に先行するもの
①兄妹婚―→血族家族<母系でもあり父系でもある>
②兄弟姉妹の通婚を禁止するプナルア婚(交叉婚)―→プナルア家族<母系>
③排他的同棲を伴わない一対の男女の結婚―→対偶婚家族<母系または父系>
④一夫多妻(一般に妻たちの隔離を伴う)―→家父長制家族(遊牧民の例外段階)<父系>
⑤排他的同棲を伴う一対の男女の結婚―→一夫一婦制家族<父系>
①②⑤が基本で、①→②→③→⑤へ移行した。
①②はある程度解明されているので、以下で最も分かりにくい③対偶婚家族を、アメリカ原住民を中心に紹介します。なお、プナルア婚から対偶婚への移行とは、異なる氏族の男集団と女集団の通婚から、一対の男女間の結婚に移行したこと。それに伴い、女系だった氏族組織が、女系または男系へと転換している。
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