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2017年12月29日

2017年12月29日

人体の器官の起源と進化(1)

ヒトは進化の産物であり、魚類、両生類、哺乳類へと進化を塗り重ねのうえに現れて。そのため、人体を構成する器官には進化の痕跡が残されていると考えられる。いったい私たちの体の器官はどうのように進化してきたののだろうか。その過程を探っていく。

◆最も起源が古い器官は腸
まずはじめに、腸の起源と進化を探っていく。
腸は体の中で最も起源が古い器官だと考えられている。そして、腸の最も原始的な姿はヒドラに見ることができる。ヒドラ(刺胞動物)は、5ミリメートルほどの筒のようが体の上端に口と触手をもつ単純な構造の水生の生物で、“全身が腸”といえる。
hydra

腸は食物が入ってくると適切な分解酵素を分泌して消化を行い、有害な物が入ってくると排出する。これは腸の“センサー細胞(基底果粒細胞)”のはたらきのかげだ。センサー細胞が上端についた毛のような突起で食物の成分を見分け、周囲に信号物質を分泌し、「この消化酵素を分解しろ!」といった指令を与える。

センサー細胞を中心とした腸のシステムは脊椎動物だけでなく、無脊椎動物の昆虫やイカ、タコ、ミミズ、更に多細胞動物として進化的に最も古いヒドラにも同じように見ることができる。

腸はその後、さまざまな消化系器官を生み出した。栄養分をたくわえる細胞が腸から分離して原始の肝臓をつくり、無顎類(ヤツメウナギなど)になると血中糖分を調節するホルモンを分泌する細胞が腸から分離し、のちに膵臓とあた。さらに魚類がアゴをもつようになったころ、植物を一時貯蔵する場として腸の前部がふくらみ、胃ができた。

また、ヒドラの腸にはセンサー細胞から情報を受け取り、周囲の組織に指令を伝える神経細胞がある。ヒドラのある種では、腸の入口、つまり口の周囲に神経細胞がハチマキのように密集している。このことから、一説では、腸の入口できた神経細胞の集合が、脊椎動物の脳の原始型だと考えられ、脳は腸から生まれたと考えられている。

◆口と肛門はもともと同じものだった
動物である限り、食べ物を取り込む“穴(孔)”は必須である。そう考えると「口」も腸と同じく非常に起源が古い器官だといるだろう。刺胞動物のヒドラやクラゲのような生物は、一つの孔が口肛門の役割をかねている。食べ物を取り入れるのも不要な物を排出するのも同じ孔で済ませている。私たちの遠い祖先も、口と肛門は同じ一つの孔だった。そして原始の腸が体の反対側にも孔をつくり、その後二つの孔が口と肛門という“分業体制”をとり、食物が一方向に流れるようになったと考えられている。

脊椎動物の発生過程にこの進化のヒントがかくされている。球状の胚(受精卵から成長した個体)はあるとき、表面の一部が内部にもぐりこむように陥入して、肛門の原型(原口)をつくる。陥入によって体内には空洞(原腸)ができ、さらにその空洞の反対側にも孔がつくられ、口の原型をつくる。これと同じようなことが、進化の過程でもおきたと考えられるのだ。

【参考:Newton別冊 ゲノム進化論】

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