2019年03月19日
生殖細胞(精子・卵子)と中心小体3(竹内美継説)
以下は、 『中心小体論~「膜」の存在とその階層性について、意志は記憶のベクトルである。』(竹内美継共著 六方出版社 2000年刊)の一部要約。原文の「記憶」は必要に応じて「機能」と読み替えている。
第一次生命体(中心小体)→第二次生命体(前期真核生物)が、多生命体で一つの生命体の方向に進化。細胞の分化とともに独立性を保持し、全能性の生殖細胞を生じた。この生殖細胞の機能である減数分裂の結果として精子と卵子がつくられた。
精子・卵子も中心小体によってつくられたn体の生命体である。
●精子の中に、独立性と連続性を保持した一対の中心小体が存在している。この中心小体のうち、前部中心小体だけが生き残る。また、精子由来の中心小体だけが生き残るといわれている。
精子の前部中心小体と卵子の中心小体の一体が一対になり、これに付随する形で雌性前核と雄性前核が一つになる。
●受精卵になる直前に、中心小体は注目すべき動きをする。
卵子の中に入った精子は、塩基性蛋白質によって凝集していた核を脱凝集させ、核膜をつくる。これが雄性前核であり、この前核を雄性中心小体が卵子の中央に引っ張ってゆく。同時に雄性中心小体は、雌性前核も中央に引っ張り、雄性前核と雌性前核を融合させる。これは雄性中心小体に接合体核(2n)を保持するという機能があるためと考えられる。
●卵子も、始原生殖細胞の分化によってつくられた卵母細胞の減数分裂によってつくられる。この始原生殖細胞は第二次生命体の完成形であり、第一次生命体によってつくられた原始真核生物の進化の結果として誕生した。
【仮説19】
・精子の前部中心小体が雄性中心小体、後部中心小体が雌性中心小体。
・受精卵に残る中心小体が雌性中心小体。受精卵の極体に移動する中心小体が雄性中心小体と推定される。
但し、この仮説に適合する生命体は発見されていない。また、この仮説は真核生物の初期段階にしか適合しない可能性がある。
というのも、マウスの卵細胞では減数分裂~胚発生の初期の間、中心小体の存在が認められない。
その理由は、中心小体が記憶素子・単子が集合した統合体であり、中心小体が見えなくなるのは記憶素子・単子の状態に離散しているからだと推定される。
また、雌性中心小体は生き残ることができず、雄性中心小体だけが生き残る生命体がほとんどだといわれている。
これは、第一次生命体(中心小体)が第二次生命体(生殖細胞)に全権を委任→雌雄に分化、かつ核の独立状態が確立された後は、雌性中心小体の進化に関わる役割の相対的低下が起きたからだと推定される。精子由来の中心小体だけが生き残るという機能は多精受精が行われていた時に生じたものと思われる。
また、受精卵(第三次生命体)では接合体核を所持することが目的となり、相対的役割が低下した低下した雌性中心小体が生き残れないということも考えられる。
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2019年03月19日
生殖細胞(精子・卵子)と中心小体2(竹内美継説)
以下は、 『中心小体論~「膜」の存在とその階層性について、意志は記憶のベクトルである。』(竹内美継共著 六方出版社 2000年刊)の一部要約。原文の「記憶」は必要に応じて「機能」と読み替えている。
●過去の発生学には、大きく2つある。
前成説=精子or卵子の中に生命体が出来上がっている。
後成説=発生の初期には定まった体制はなく、発育の過程で簡単なものから複雑なものへと形態が新生される。
17世紀までは、精子・卵子の中に小さい個体が存在すると考えられていた(前成説)。18世紀以降、後成説が主流となり、20世紀には、前成説は葬り去られた。しかし、生殖細胞(精子・卵子)の中に統合体(中心小体という生命体)が存在するという点では、原始真核生物以降の生命体については前成説が正しい。
【仮説12】始原生命体→第一次生命体(中心小体)→第二次生命体(生殖細胞)→第三次生命体(成体)とへ階層的に進化した。
生命体は大きくは3つの階層から成る。
第一次生命体=始原生命体との連続性を保持している生命体(原核生物、中心小体)
第二次生命体=中心小体が独立性を保持しつつ階層的に進化させた第二次生命体(生殖細胞=n体)を結果的につくり、第二次生命体に全権を結果的に委任した。
第三次生命体=独立性と連続性を所持する生殖細胞のn体とn体の接合による、受精卵~成体までの生命体。第二次生命体は第三次生命体に全権を結果的に委任している。
第一次生命体である中心小体は、第二次生命体である真核細胞に全権を委任しているが、真核細胞以前の段階では全権を委任していない。つまり、中心小体は、初期真核生物が誕生するまでは、細胞の支配者であった。
38億年間、連続性を所持して生き残ってきたのは、体細胞ではなく生殖細胞である。
この生殖細胞(→精原細胞)より分化した精子の中で、卵子との受精後も生き残るのは、核と中心小体だけである。その他の細胞内小器官(ゴルジ体やミトコンドリア、その他の細胞質等)は、卵子の中で分解される。
生き残った核も、中心小体が原始真核生物以降に所持した外部記憶装置にすぎない。生命の連続性の条件を満たす生命体は中心小体である。実際、中心小体は核の出現以前から存在している。
物質(エネルギー)→記憶素子・記憶単子という蛋白粒状の始原生命体→中心小体→原始真核生物→真核生物となり、この生命体から生殖細胞が独立性を保持するようになった。
中心小体(類)は生殖細胞という家に宿ることで38億年生き残ることができた。その過程で自然から生き残るために、結果的に家の改築を行ってきた(主に2n体の改造)。
【仮説13】全能性を所持する真核細胞の(一対の)中心小体が複製をつくり、分かれることによって、n体の真核細胞が生じ、このn体とn体の細胞が接合することにより2n体の真核細胞になった。減数分裂によってn体⇔2n体を繰り返し、結果的に機能の差が生じ、雌雄が誕生した。
【仮説14】減数分裂は、細胞分裂(=一対の中心小体の複製、移動)に、染色体の複製が伴わなかったという、統合体としての方向性と二次的構成体としての方向性の「交点」に結果として、所持した機能である。
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