2009年03月04日
ギリシャの「結婚」 ~開かれた儀式~
世界の現在の性意識シリーズ、今回は、’05DUREX社データのセックス頻度・満足度No1の国、ギリシャについて見ていきたいと思います。
まずは、ギリシャの「結婚」ってどんなの?から行きたいと思います。
↓まず、いつものをヨロシク。
ありがとうございます。
ギリシャの「結婚」について、詳しく解説された記事がありますので紹介します。
以下、「ギリシャへの扉」さん より、
ギリシャ人にとって結婚は家族ぐるみで盛大に祝う儀式だ。EUの規定で、役所に届け出るだけのシヴィル・マリッジも認められるようになったが、多くのカップルは教会での結婚を選択する。それは信仰による場合もあるし、世間体による場合もあるが、大抵は両方の理由が共存している。
日本の結婚は、役所に届ける「入籍」が一番大切で、結婚式を挙げるかどうか、どういう形で、いつ挙げるかはカップルの選択による二次的なものであるけれど、ギリシャでは少し違う。まず、ギリシャ人はほとんどがギリシャ正教会のメンバーなので、結婚式の形に選択の余地はほとんどない。教会に申し込んで、日にちを決め、司祭か主教に婚姻の秘蹟を授けてもらうのだ。この場合、婚姻届は教会が代行するので、教会での儀式が法的な結婚を同時に意味する。
とはいえ最近では、シヴィル・マリッジで入籍を済ませた後、一定の期間をおいて教会で式を挙げる場合も増えているらしい。若いカップルだと、教会で結婚式を挙げる費用がなかったり、とにかく籍だけ入れておけば、税制上優遇されるというのが理由だそうだ。
教会で挙げる結婚式は三十分から一時間程度だ。ここには、結婚するカップルや、その両親が多くの人を招く。教会に招かれるのは特に親しい人とは限らない。閉ざされた会場ではなく、教会という公の場所で行われるので、たとえ招かれてない人でも立ち入ることは可能だ。結婚するカップルは、式を挙げる数ヶ月から数週間前に、新聞に結婚を公示することが義務付けられており、結婚に公的な性格が強いのだ。
さて、結婚式に招かれた人はプレゼントを持ってやって来るか、数日前に、招いた人の家にプレゼントを持って行くなり、送るなりする。たいして親しくない人だと安いものを、親しい人や親戚は数千円から十万円程度のプレゼントか現金を贈る。
二番目のグループに属する人は、教会の結婚式だけではなく、その後に行われるパーティーにも招待される。このパーティー費用はもちろん結婚したカップルか、その家族もちだ。ただ、ギリシャの外食費用は、日本と比べると安いので、一人頭二から三千円程度ですますこともできる(もちろん、数万円かけたければ可能なのだが)。ケーキカットはパーティーの席で行う。日本では、結婚式に親しい人だけを呼び、それほどでもない人は披露宴(かパーティー)にだけ呼ぶことがあるが、ギリシャでは全く逆なわけだ。
結婚式が行われるのは普通、週末。時間は日本人の感覚ではかなり遅く、夕方の6時以降、夏だと夜10時から始まったりする。パーティーまで全てが終わるのは、始まる時間にもよるが、夜の2時から4時ごろで、ギリシャの民族ダンスがつきもの。
結婚式の数日前には「新床の儀式」なるものも行われる。友人や親戚がカップルの新宅に招かれ、そのうち、未婚の若い女性だけがベッドに新しいシーツ、枕カバー、ベッドカバーなどをととのえる。ベッドが整えられると、招かれた人はその上に花びら、コンフェッティ(アーモンドを砂糖で包んだ菓子)、お札か金貨、そして子供を投げて、新たな生活を祝福する。その後、カップルは、食べ物と飲み物を供して、招待した人々をもてなすのだ。どのような友人、親戚がいるかにもよるが、この時にもかなりの現金が集まる。ただし、この儀式は地方の習慣によって異なり、行われない場合もあるそうだ。
ギリシャの結婚で独特なのは、「クバロス(男性形)、クバラ(女性形)」の存在だろう。普通、結婚するカップルの親友が選ばれる。この人が結婚式の費用を提供し、教会での結婚式の際では、新婚カップルの頭の上で冠に見立てた輪「ステファナ」を交差させる。式が終わると、カップルと共に結婚証明書にサインして、結婚の証人にもなる。一人の場合もあるし、二人の場合もある。日本人からすると、友人に結婚式の費用を出してもらうなど申し訳ないようだが、ギリシャ人に言わせると、クバロス(クバラ)に選ばれるのは名誉なことだし、友人のために出費できるのはうれしいことなのだそうだ。実際クバロスを務めた人の話では、1,000ユーロ程度の出費とのことだったが、式の規模によって異なるに違いない。習慣によれば、二人の友人間でクバロス(クバラ)に指名し合うことはできない。つまり、一度クバロスを務めてもらった友人が結婚する時にクバロスになってお返しをするということはできないのだ。友人を大切にするギリシャらしい習慣だと思う。
ギリシャの結婚は、開かれた=公的な(みんなで盛大に祝福する)儀式のようです。
カップルは結婚を新聞で公示する義務があるとは驚きです。
式にたくさんの人を招き披露宴(パーティ)には親しい人だけを招く、日本と全く逆なところもおもしろいですね。
また、カップルの親友が結婚式費用を負担し結婚証明書にサインするなど、実に特徴的なシステムだと感じます。
このように、開かれた、たくさんの人たちに祝福される儀式を通じて結ばれたカップルたちは、性に対してもおおらかに肯定的に捉えるであろうことが容易に推測されます。
ギリシャ人のセックス頻度の多さ・満足度の高さ(DUREX社データ)の背景には、ギリシャ人特有(?)の何か集団的な結婚(性)への肯定視や期待があるのではないかと感じさせられます。
ギリシャ人のほとんどがギリシャ正教会のメンバーということからも、ギリシャ正教が現代ギリシャ人のアイデンティティのひとつの軸になっていると思われますが、これが性に対する意識とどのような関連があるのか?
また、DUREX社データでは、ギリシャをはじめクロアチア、セルビア・モンテ、ブルガリアなど東欧グループ(バルカン半島の国々)はセックス頻度・満足度ともに高い位置にいますが、これらの国々には何か共通の要因・背景があるのではないか?
・・・などなど考えられます。 🙄
ギリシャ(さらには東欧諸国)の民族的特性や歴史的背景などさらに探っていきたいと思います。 🙂
- posted by echo at : 2009年03月04日 | コメント (3件)| トラックバック (0)
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comments
嫁も姑も、自分の出自のやり方を通そうとするから、衝突するんですよね。出自が同じところで結婚・出産できれば、そんな衝突とは無縁に暮らせていいなあ。
こいつも気持ち悪いな。 今地下で話題なのはJみる問題だし
共同体社会と人類婚姻史 | 北タイの母系集団における「家族」について
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