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2009年04月09日

フランスのカップル社会とは?⇒キリスト教による奴隷の婚姻制=一対婚

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前回までフランスの婚姻制度について調べてきましたが、今回が最終回です。

第1弾 フランスは、恋愛「LOVE」で『カップル社会』です。
第2弾 フランスのカップル社会とは?
第3弾 フランスのカップル社会とは?第3弾 西洋の婚姻史

前回は、一対婚(一夫一婦制)の主要因は、キリスト教の影響が大きいのではないか?
というところまできましたが、今回は、
「キリスト教はなぜ一対婚を選んだのか」を解明していきます。 

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まず、次のフラッシュ「5000年間に及ぶ宗教の拡大を90秒で」を見て下さい。。History – of – Religion」 http://www.mapsofwar.com/ind/history-of-religion.html
 

これを見ると、キリスト教は15~16世紀にかけて急激に拡大しているのが解ると思います。 
他の宗教と比較すると、異常とも言える程の拡大の仕方ですね。

この時代は、ヨーロッパ各国が他の国を侵略し、植民地化していく時代です。
つまり、キリスト教は侵略と共に拡大していったと言えそうです。
そして、もう一つの特徴は、弱者(奴隷)のための宗教。
「精神世界の鉄人」エッセイ集より抜粋引用

 キリスト教の結婚式では、牧師さんが、厳粛に、
「神のあわせ給うところ、人、これを離すべからず」
と新郎新婦および、会衆に対して宣言します。
神前結婚式なのですが、この「人」という言葉は、元来は、「奴隷主人」のことだったそうです。そして、「新郎新婦」は、元来、「奴隷同士」だったというのが、昔の牧師さんの言葉だったそうです。
初期キリスト教は、イスラエルに始まるそうですが、その後、ローマ帝国の奴隷の間に多くの信者を獲得したようです。
当時の奴隷は、いろいろな待遇があり、全てが鎖に繋がれて重労働していたわけではなく、「下男」、「下女」、「家庭教師」、「芸人」などの自由にローマ市内を歩き回っていた奴隷もいたそうです。
そうすると、当然、恋愛をする恋人ができ、生涯を共に過ごしたいと思ったそうです。しかし、奴隷の身では、その保証がありません。奴隷主人から、「オマエ、今度、外国に売り飛ばすからな!」と言われれば、二人は別れて、まず死ぬまで再会することはありません。そういう境遇の中だったので、ほとんどの奴隷達は、恋愛をあきらめたそうです。
しかし、中にはあきらめきれないカップルがいて、その人たちは、「自分達も、人間らしく、結婚式を挙げたい」と強く願ったそうです。
でも、二人が「夫婦」であるということは、ローマ市内では、知人や家族が認めてくれるのですが、外国に売り飛ばされ、離れ離れになり、戸籍も証人もいなくなれば、誰も、「夫婦」だと認めてくれません。
そういう状態のカップルに、キリスト教の牧師さん達は、
「天上には、絶対的な神がいて、二人は、天国で再会できます。さらに、神があなた達の結婚に立ち会って証人になってくれますから、大丈夫ですよ。信者になれば、たとえ奴隷どうしでも、天国に戸籍簿があるから、立派に夫婦ですよ。」
と説いたそうです。上記の「人、これを離すべからず」というセリフは、「奴隷主人でも、二人の結婚を引き裂くことはできない」という意味だったそうです。
しかし、このセリフは、明日にもやってくるかもしれない「強制的な別離」の恐怖を、改めて思い出させるセリフでもあったようです。
現代の新郎新婦は、このセリフを、何も考えずに、聞き流しているようですが、当時の奴隷同士は、悲壮な気持ちで、結婚式で、聞いていたようです。

上記のように、侵略によって確保した奴隷の心の安定(現世で報われなくても来世では幸福が約束されている。)を与える効果は絶大だったと言えると思います。
キリスト教は、元々は結婚禁止の宗教でした。特にカトリックの司祭は独身でしか成れなかったし、その地位を守るためには、一生独身を強いられました。(参照:「バルバロイ!」結婚(Marriage)) 

それが、宗教改革(プロテスタント分派)の前後から、その規律がなし崩しになり、最終的には「一対婚」のみ(離婚厳禁)を認めるようになっていきます。 
特に奴隷という身分に於いては、何人もの妻を抱える経済的余裕はないですし、離婚を認めてしまうと「奴隷の子は奴隷」という出自管理も難しくなっていきます。
つまり、キリスト教は「一対婚」という婚姻制度を「秘蹟(ひせき)」という形で救済される形体を組み込み、支配者の侵略→奴隷の統合にとても都合の良い武器となり、爆発的(強制的)に広まっていった宗教と言えそうです。
現代では、「一生一人に添い遂げる」ということで一対婚(一夫一婦制)が美化されていますが、元々は奴隷を都合良く管理する婚姻形態にすぎないのだ。と認識を改める必要があるのではないでしょうか。

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