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2011年03月12日

印欧語とその歴史 ~印欧語の特色②~

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前回は、
◆格を持つ
◆性を持つ
◆子音言語である
という特色が挙げられましたが、主に「子音言語である」という点について、言語形成・分岐の歴史(仮説)、他言語との比較を通じて特色をより鮮明にしたいと思います。
  

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■言語形成の歴史(仮説)
○観念機能の獲得

極限状況の中で、人類は直面する現実対象=自分たちを遥かに超えた超越存在たる自然を畏れ敬い、現実対象=自然に対して自分たちの生存(=危機からの脱出)への期待を込め、自然が応望してくれる事を切実に願った。つまり、人類は直面する過酷な現実対象=自然を凝視し続ける中で、元来は同類を対象とする共認機能を自然に対して作動させ、自然との期待・応望=共認を試みたのである。そして遂に、感覚に映る自然(ex. 一本一本の木)の奥に、応望すべき相手=期待に応えてくれる相手=精霊を措定する(=見る)。人類が万物の背後に見たこの精霊こそ、人類最初の観念であり、人類固有の観念機能の原点である。


このように、人類は徹底した自然への同化によって観念機能⇒言語を獲得しました。当然、自然の音(≒子音)の真似なども含まれ、この時点では子音中心に多様な音があったであろうことが推測されます。(動物が発する威嚇・警戒音等も子音)
○母音の獲得

この観念機能(特に言葉)は、サルが頼りにする表情や身振りによる共認よりも、遥かに多様で容易な共認を可能にし、共認内容の無限の組み換えを可能にする。従って、観念機能こそ、DNA進化に代わる新たな進化機能=共認機能の完成形態であると言える。


この観念機能の特徴を高め、意思疎通⇒共認をより深めるために、情を相手に伝えることのできる母音を獲得していったのではないでしょうか。そして、母音の獲得⇒増大によって、人類は共同性をさらに育んでいったのではないかと推測されます。
■語族の種類と音の特徴
①印欧語族
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・子音言語
②オーストロネシア語族、日本語(日本語の発音はオーストロネシア語族に近い)
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・母音言語
③コイサン語族(アフリカ南部)
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※コイサン語族(サン人)は最も古い民族といわれる
・音素が非常に多い(子音だけで100種類以上と言われる)
・声調言語であり、声の高低のパターンを識別する(それによって意味が変わる)
(・印欧語等の名詞の性をさらに細かくしたような「名詞クラス」がある)
■印欧語の最大の特徴
言語は、時間が経過するにつれて、概ね単純化(音の減少、文法の簡略化等)していく傾向にあると言われていますが、この本質は、言語の「道具」としての進化なのではないでしょうか。つまり、言語がどのような目的で使われ、どのような場面で重要性を持つかに応じ、単純化の方向性が規定されているということです。
例えば、
①印欧語族にとっては、言葉(ロゴス)は一種の武器であると同時に、支配のための道具であるため、相手との距離を保ち、威嚇する子音言語になった。さらに英語等においては植民地での同化政策のために特に文法を急速に簡略化した。
②日本人・ポリネシア人等にとって、言語は共認充足をより高める道具として使われたので、情を伝えることのできる母音主体の言語になっていった。
③コイサン語族等は、狩猟民族等として自然への純粋な同化を続けたために、現在でも非常に多くの音が残っている。
ということではないでしょうか。
(上記は、人類の言語が単一起源であるという前提で書いていますが、多地域起源であっても、同じことは言えると思います。)
よって、印欧語の最大の特色は、支配・私権のための言語である(それが各種の特徴を生み出している)、という点にあるのではないでしょうか。
■脳機能の変化
やや番外編になりますが、母音言語を使う日本人+ポリネシア人(オーストロネシア語族)とそれ以外では、脳における音の処理に大きな違いがあるようです。

日本人の脳
 左脳:言語(母音・子音)、情動的な人声(喜怒哀楽の声、
    ハミング)、虫や動物の鳴き声、波や雨音、邦楽器音  
 右脳:洋楽器音、機械音 
欧米人の脳:
 左脳:言語(子音)  
 右脳:言語(母音)、情動的な人声(喜怒哀楽の声、ハミング)、
    虫や動物の鳴き声、波や雨音、邦楽器音、洋楽器音、機械音


これは、遺伝=DNAレベルの差異ではなく、使う言語によって脳が変化(適応?)するようです。6~9歳ぐらいまでにどの言語を使っていたかに、右脳・左脳の処理内容が規定されます。
時系列的には、アフリカを出て、東に進む=時代が下るにつれて母音中心の言語になっていったと考えられます。そう考えると、原初の観念機能=精霊信仰は、私たち日本人がイメージする以上に、純粋な「科学」だったということかもしれません。
言語の獲得後、言語の共認機能を充足させるための役割が大きくなるにつれて、脳における処理方法を変えていったということであり、日本人・ポリネシア人等の共同性、共認充足に対する収束力の強さが伺えます。(冒頭の「言語形成の歴史」の第3段階とも言えるかもしれません。)
次回以降は、印欧語族が印欧祖語から分岐・変化していく過程を追っていきます。お楽しみに

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