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2013年01月05日

「共同体社会における生産と婚姻」プロローグ

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画像はコチラからお借りしました。
昨今の婚姻を取り巻く環境は、晩婚から未婚率の増加へ、そして子育ても晩婚・未婚の影響を受けて少子化が慢性的な問題になってきています
では一体このような状況はいつから始まったのか?婚姻件数で見ると、第一次ベビーブーム世代が25歳前後の年齢を迎えた1972年の年間1,099,984組を境に低下傾向にあり、2010年には700,214組と大きく減少していっています。
婚姻や子育てに対する不安が増えてきた要因には、景気の悪化や働く女性の増加、子育て支援サービスがマッチングしていない等、例を挙げればキリがありませんが、実はそれらを全て包括した根本原因があるのです。それを切開しない限り、婚姻や子育ての不安を取り除くことは出来ず、どんな政策も問題を先送りにしているだけに過ぎません!
では一体どこに根本原因があるのでしょうか
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■婚姻、子育てに対する不安意識△の根本原因とは?
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まずは婚姻制度は何によって規定されるのか?から押さえていきましょう。

11/27なんでや劇場2 人類の婚姻制もみんなの最大期待(⇒統合軸)によって規定されるより。
人類の婚姻制度は各時代ごとにめまぐるしく変わっているが、人類の婚姻制を規定しているのは何なのか?
採集部族の群婚制、狩猟部族の勇士婚だけを見ると、婚姻制度も生産様式によって規定されているかのように見えるが、その見方は本当に正しいのか?
例えば、一対婚は農業生産という生産様式に規定されたものだったのか?
農業生産だから一対婚になるという論理は繋がっていないし、実際、農業生産の時代でも日本の夜這い婚など、一対婚ではない事例もある。
私権時代は万人が私権第一であるが故に一対婚になった。つまり、私権獲得というみんな期待⇒私権統合という社会の統合様式に規定されて一対婚になったと考えた方が整合する。
つまり、婚姻制を規定するのも、みんなの最大期待⇒集団や社会の統合軸なのである。
(中略)
もちろん、みんなの期待を規定する一要因として生産様式があるが、直接的には、人類の婚姻制度を規定するのは、みんなの最大期待(⇒統合軸)なのである。

本来、自然外圧や生産様式によるみんなの期待によって統合様式が決まっているのに対して、現在は自然外圧を克服し、生産様式も大きく変わったのに婚姻制度等の統合様式が変わっていない(=適応できていない)状況だからです。晩婚、未婚、出生率の低下という現象ばかりに目を向けた政策はもう止めましょう。時代は農業生産から工業生産、そして意識生産へと大きく転換しているのですから、意識生産時代における新しい統合様式の模索が必要です。その為にはまず、歴史的事実を押さえる必要があります。婚姻や子育てが上手くいっていた時代は、どのような環境の中で生産と生殖が行われていったのか?そこが整理できて初めて現代におけるズレを解決することができるのです 😉
■村落共同体とは?

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画像はコチラからお借りしました。
婚姻や子育てが上手くいっていたと言われて一番イメージしやすいのが村落共同体ではないでしょうか?

『共同体経営とは?』5-1 ~日本の村落共同体とは?① 主体性の高い集団自治より。
2-5. ゆりかごから墓場までを村全体で見守る体制
大家族制度で知られる飛騨白川郷からの江馬三枝子氏の考察も面白いです。

飛騨白川郷の大家族の家々では、一軒の家の縁側に、嬰児籠(エジコ、エズメ)と呼ばれる藁でつくった入れ物が六つも七つも並べてあり、その容器に赤ちゃんたちを入れて、母親たちは田畑へ農作業に出かけていきます。仕事を終えて家に帰ってきた母親は、まず泣いている赤ちゃんに乳を飲ませます。それは誰の子でも差し支えないそうです。満腹して赤ちゃんが泣きやんだら、自分の子に乳を飲ませますが、前の子に充分飲ませるために自分の子が飲み足りないことがあります。すると次にやってきた母親に自分の子供を渡して、乳を飲ませてくれと頼み、また働きに出かけていく、といった日常の風景であったようです。

この話は、真の共同生活を確保するためには、女たちの育児の共同性にまで及ばないとならぬことを示唆している事例と言えるでしょう。子供が生まれた場合、母と子の強固な紐帯が生まれることで、他者との連帯を脅かすようになることは必至です。白川郷の場合、それが巧みに抑止されている様が伺えます

生産集団である共同体を基盤として、それを維持するための規範に基づく行動が残存していていたことがわかりました。共同体を構築、維持するためには生産・闘争過程だけを共同にするだけでは不十分で、子を育てるといった生殖過程も包含しなければいけないことを現しています。また、誰の子という拘わりなく育てていくことで女性の自我も自然と抑制される、または自我が萌芽しないと言った方がいいかもしれません。

本シリーズでは、生産も生殖も集団課題として捉えみんなで解決していく集団、共同体に着目し、とりわけ村落共同体が確立していく過程である江戸時代に焦点を当てて追及していきたいと思います。
■シリーズ概要
各記事は以下のように展開していく予定です。
1.百姓の変遷(百姓の歴史:古代~近世まで)
⇒江戸時代以前では大家族だった集団が、家族集団となる村落共同体を形成していく過程で共同体の成員である百姓はどのように適応していったのか?
2.江戸時代の農村社会とは?
⇒農村内の組織形態は?村3役とは?誰がどのように統治したのか?
3.農村における結婚、家族、男女関係は?
⇒結婚、家族、男女関係をそれぞれ扱います。元々家族も結婚も無かった集団から江戸時代に皆婚化した。
4.百姓の暮らしぶり
⇒江戸時代の農民は貧しかったと言われていますが、江戸時代の中でも前期と後期では状況は違うようです。婚姻や子育てにも変化があるのではないでしょうか?
お楽しみに

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