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2013年08月24日

共同体社会における生産と婚姻シリーズまとめ~意識生産時代における生産と婚姻の可能性~

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画像はコチラからお借りしました
共同体社会における生産と婚姻と題した本シリーズは今回で最終回です。これまでを振り返りながらまとめていきたいと思います
まずは今回のテーマを始めるに至った問題意識から
昨今の婚姻を取り巻く環境は、晩婚から未婚率の増加へ、そして子育ても晩婚・未婚の影響を受けて少子化が慢性的な問題になってきています
それは、本来、自然外圧や生産様式によるみんなの期待によって統合様式が決まっているのに対して、現在は自然外圧を克服し、生産様式も大きく変わったのに婚姻制度等の統合様式が変わっていない(=適応できていない)状況だからです。時代は農業生産から工業生産、そして意識生産へと大きく転換しているのですから、意識生産時代における新しい統合様式の模索が必要です。
その為にはまず、歴史的事実を押さえる必要があります。婚姻や子育てが上手くいっていた村落共同体では生産と生殖はどのように行われていったのか?
以上のような問題意識に基づき「共同体社会はどのようにして継承されていったのか?」「共同体における生産と婚姻の関係は?」を軸にこれまでのシリーズをまとめて現代の意識生産時代における生産と婚姻の可能性を追求していきたいと思います
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■共同体社会はどのようにして継承されていったのか?

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日本社会には、欧州や中国のように、絶対的な「支配者」がいません。
日本の「支配者」は、みんなの支持があって始めて成立する「身分」なのです。
表層的には、中国・欧州の支配者と同じように見えますが、実態は皆から委託されて集団統合の役割を担っているのです。
欧州や中国では、支配者はどんな無理を言っても絶対的支配者なので許されますが、日本では皆から統合課題を委託された「役割」なので、理不尽な統治をしていると交代させられてしまいます。
江戸時代に日本に来た欧州人が、将軍が非常に質素な生活をしており、平民が飢えておらず清潔な生活をしている事に驚いたと書いています。
歴史教科書から、「農村の発生」を「共同体の形成」と言う視点でまとめ直してみると、
8世紀頃は、大陸文化の「国家」の直接支配にて農地を統治しようとする。
ex.「班田収受法」「郷戸」「墾田永年私財法」

しかし、地方に広まる前に、あっという間に農地は、国家から地域における豪族の荘園の配下(大衆農民は、その集団形態のまま)に収斂。

その後に、武力に対する自衛なども農村集団で行う。国家支配と言っても農村からの税の徴収は名主などから行うという間接支配。つまり、共同体の農民集団は、そのまま存続し続ける事になる。

そして、鎌倉時代には、
『鎌倉初期の荘園・公領での屋敷はまばら(散居形態) → 地縁繋がりで自然発生の村を形成(自主的・自治的な惣村)』
この自然発生的な村(ある程度の規模の集団)が、これまでの「共同体」意識を継承して惣村となる。

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つまり、
欧州や中国では、他部族との略奪闘争により、本源集団が払拭されてバラバラの奴隷になってしまいます。集団は、その後の知らない者たちの再編成です。それに比べて、日本は一貫として、本源集団を継続してきており、村落を自治集団で運営している。藩や国家は、防衛(安全)や治水などの役割を担って、税を徴収するが、間接支配であり、中国や欧州のように皆殺し~集団崩壊に至ることはほとんどなかった。

「共同体社会における生産と婚姻」その1~百姓の変遷

「共同体社会における生産と婚姻」その2(前編)~農村の自治(荘園から惣村へ)
「共同体社会における生産と婚姻」その2(後編)~農村の自治(検地と刀狩による惣村の解体から兵農分離の近世農村へ)
「共同体社会における生産と婚姻」~その3 日本の農業概観;農業の主役は農民か領主か?
「共同体社会における生産と婚姻」~その7:日本の農村は、世界でも稀な『共同体』だったのはなぜか?

欧州、中国が他部族との略奪闘争により土着の本源集団がバラバラの奴隷になっているのに対して、略奪闘争の無かった日本は一貫して本源集団を継続しており村落を自治集団で運営してきました。
更に、日本の支配は自治集団の上から間接支配を行い、みんなの共認があって成立していたとあるように、支配者層も巻き込んで自分たちの生きる場を自分達の手で築いていきながら共同体社会を継承してきたのです

■共同体における生産と婚姻の関係は?

■共同体社会の男女の役割分担
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男達は村内の課題や対外的課題の方針を出すために寄りあいに集り、伝えられる伝承の内容に照らし合わせて方針決定を行っていました。方針を出すためには、何日もかけて徹底的に話しあったといい、このような寄りあいによって村の秩序を守り、村を統合していたと言えます。
年齢階梯によって具体課題内容は違ったものの、総じて男達は村落集団をまとめ、秩序を維持する課題を皆で担っていたと言えます。
【単位集団が集まった集合体(村=社会)としての集団課題=統合課題と集団の秩序を守る役割を男が担っていた】
日本の共同体社会において、生産とはやおろずの神々(精霊)によってもたらされる恵みを得る行為であり、だからこそシャーマン(巫女)として神々と繋がる女性達が豊穣を祈り、その生産行為を担ってきたと言えるでしょう。
他にも、女性達はシャーマン的役割として、家を護る神である火の神=囲炉裏等の管理や、恵みを神に供える行為としての食物の調理、酒(今日のような大掛かりな醸造ではなく、濁酒の生産)や餅の製造も担っていました。
【残存する母系性集団としての単位集団(家)の課題と神々に豊穣を祈る生産役割は女が担っていた】
■共同体社会の性のありよう
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古来日本は母系制社会であり、夫婦関係は妻の元へ夫が通う「妻問い婚(通い婚)」と呼ばれる形態を取っていました。特に各地の村落共同体では、一夫一婦制の概念は無く、重婚や婚姻関係に関係なく交わる夜這い(婚)が当たり前でした。
「夜這い婚」の最大のポイントは、村落共同体の皆が分け隔てなく「性」の充足を得られる点にあり、その充足が共同体運営(=生産活動)の活力源となり、また共同体意識の紐帯となっていました。
日本の農村共同体とは、この夜這い婚による性充足の共有の元に成り立っていたと言っても過言ではありません。
現代社会のように「性」は隠すもの、隠れて二人で行うものではなく、「性」は日常的で皆に開放されたものであったと言うこと、そして生産場面と切り離されたものではなく、生産と一体的であったと言うことです。
このような風習は先ほど紹介した母系制社会で広く見られ、母系性の農村社会では農作業と性が結びついている(田植え行為そのものが性行為を暗示するものとして考えられている)事例が多く見られます。
【「性」の充足は皆で共有する活力源であり、それゆえに開放的で日常的なものであった】
「共同体社会における生産と婚姻」~その4 農村の婚姻はどのようなものか?
「共同体社会における生産と婚姻」~その5 村落共同体における男女役割とは?
「共同体社会における生産と婚姻」~その6 村落共同体における「性」のありよう

■まとめ~意識生産時代における生産と婚姻の可能性は?~

本シリーズを振り返りながら歴史事実をまとめていきました。
共同体社会の生産と婚姻の関係は、【男女の役割分担】【性の充足をみんなで共有】が大きなポイントであったことが分かって頂けたのではないでしょうか?
それでは、その歴史事実を元に現代=意識生産時代に繋がる可能性はどこにあるのでしょうか?
実はその可能性の萌芽は生産の場=企業で見られるようになってきました。最後に意識生産時代の生産と婚姻の可能性として、自分たちの生きる場を自分達の手で築き始めた企業の事例を紹介したいと想います

『社会人の知恵袋』シリーズ11~職場を「全てが包摂された場」に~
しかし、先に述べたように、最大の活力源は私権獲得から共認充足に移っています。現在では誰もが、上記引用のように、仲間とあらゆる充足を共にし、それを活力源に困難な課題も突破していける、本来の集団のありようを求め始めているのです。
このことを踏まえて、改めて冒頭の事例の他、近年各企業が取組んでいる、
寮制度の復活
社内保育制度
社員食堂の充実
職場にバーを作り、職場での仲間との充足を深める工夫
社内サークルの活発化
といった、職場の充足を深める為の取り組みを見てみると、実はどれも、職場を本来の「全てが包摂された共同体集団」に再生していく軸上にある事が分かります。
つまり、これまで述べてきたように、人々の意識が大きく変化した現在は、既存の価値観に囚われず、企業を全てが包摂された共同体に変えていけばいくほど、充足⇒闘争活力上昇を実現し、自在に強い集団を作っていけるという事です
さらに言えば、これからの時代は、企業の共同体化を実現し、充足⇒闘争活力を高めていける企業だけが生き残っていけるのです

企業が社会を変える!!~地域再生に取り組む辻野建設工業~
☆次代の社会基盤を作る事業
辻野建設工業さんは自社の事業や事業部門でも、これまでの大量生産大量消費型の生活を脱した次代の社会のあり方を構築しようと取り組んでいます。事業として取り組まれているものの一つが、居住区を整備し、生活スタイルを提案して町に居住者を呼び込む当別田園住宅事業です。
【当別田園住宅事業】
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「農的な暮らしと小動物との共生」「農的環境下でのワーク」「広い土地の教育効果」「良き隣人関係」「子育てと自然環境」「景観のある暮らし」「里山の活用」当別田園住宅事業より
この事業では、7つのコンセプトを軸に農的な暮らしを提案し、移住者を集っています。住民はまちづくりワークショップや、継続的に行なわれる交流会を通し て、地域の当事者意識や仲間意識を高め、農業を軸とした自然の中での営みを通じて、都会では得られない充足感を得ています。2009年時点で47人の移住 者が共に生活さており、現在でも多くの見学者が訪れています。

自分達の生きる場を自分達で作る~株式会社21~
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☆出資者=経営者=生産者の仕組みが、自分達の生きる場を自分達で作ることを可能にする
その中核にあるのが、社員が出資者・経営者・生産者を兼任して、業績に応じて利益をみんなで配分する、社員出資制度です。
三位一体の体制を確立することで、会社は正に社員が当事者として生きる場になっています。そしてその先に、
・銀行借入なしの無借金経営
・会社の内部保留0で、売上げを社員とお客さんへの販売価格に還元する体制を確立し、業績が上がればあがるほど社員にもお客さんにも喜ばれる経営を実現して、業績も伸ばし続けているのです。

全国素敵企業 訪問レポート 「カミテ」~社員の働きやすさを追究するファミリー・フレンドリー企業☆.。.:*~
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◎託児所見学~社員が安心して働くことが出来る施設~
カミテさんの「ファミリー・フレンドリー施策」の一つである、カミテチャイルドハウス(事業所内託児所)の見学をさせていただきました♪
開所したのは平成12年で、女性の総務課長の出産を控えた際に社長が発案し、その時の社員の8割に需要があったこと、そして社員の賛同の声も多かったことにより開所に至ったそうです
この託児所には、ゼロ歳から小学校低学年の子供たちを預けることが出来、保育時間は午前8時~午後7時。有資格保育士2名が常勤し、保育料は無料です
子供のいる社員はほぼ全員利用しており、最近では子供の数が少ないこともあって、近所の企業の子供も無償で受け入れる等、地域にも貢献しています。
子育てしながら働く女性にとって、企業内に託児所があるということはとっても有り難いことですし、何かあってもすぐにかけつけることが出来るのでとても安心ですね。
無料というところに、子供たちはみんなの子供として家族のように受け入れているように感じました☆

成功を導く確かな理論~共同体類グループの事例31~みんなの想いを実現できる共同保育~
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①「家庭が生殖の場だけに陥ったこと」
②「最大の外圧が、私権圧力から共認圧力に転換したこと」
で、子育てに対する新たな期待⇒方向性を見出せなくなり、不安が高まっていったことが分かります。
それでは、どうすればこの問題を解消することができるのでしょうか?
■突破口は、企業内の共同保育
そのためには、「外圧を掴める生産機能を持つ企業が、生殖機能を包括した場を構築すること」が求められるのではないでしょうか。
核家族が主流になる以前の共同体では、闘争の場(職場)と生殖の場(家庭)が一体であり、「子育て」は日々の生産活動・生殖過程と一体になった集団課題(みんな課題)でした。その中では、課題を共認し、役割を共認し、規範や評価を共認し、それらの共認内容に強く収束することで、各成員の意識も集団も統合されていました。
その際大人たちは、日々の生産活動・生殖過程をそのまま子供たちに見せ、真似できる多様な機会や場を用意していました。そうすれば子供たちは「遊び」や「手伝い」などを通じて、生産技術や集団規範を身につけ、課題・役割・評価を仲間と共認する充足を積み重ね、共同体の成員に育っていきます。だから、生産と生殖を包括した場を実現できれば、子育て不安は払拭されるはずです。
つまり、子育て不安解消の突破口は、「今の生産集団(企業)に、生殖機関=共同保育機能を設置すること」ではないでしょうか。

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