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2018年08月11日

チンパンジーにあって人類にないもの・・・犬歯

チンパンジーと比較した人類の特徴のひとつに「犬歯の縮小」が上げられる。なぜ、人類の犬歯は小さくなったのだろうか? それは、犬歯を使わなくなったからだ。使わなくなったということは、昔は使っていたということだ。

★それでは、犬歯はいったい何使っていたのだろうか。

チンパンジーをを見ると、確かにオスには大きな犬歯がある。いわゆる牙だ。これはオス同士の争いに使われている。口を開けて牙を見せるというディスプレイだけで済むこともあるが、実際にこの牙を使って闘うこともある。
チンパンジーは主に果実を食べるが、年や季節によっては果実が少なくなることがある。そういう不安定な果実をめぐって、群れ同士で争いが起きることがある。

また、チンパンジーは多夫多妻的な群れを作ることが知られている。その際、群れの中でメスをめぐる争いが起きる。群れ同士でも群れの中でも、オス同士の闘いは激しく、ときには相手を殺してしまうこともある。このときに使われるの犬歯、つまり牙である。ところが人類には、この牙がないのである。

人類とサルの骨格

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約700年前にチンパンジーと人類は分岐して、別々の進化の道を歩み始めた。チンパンジー類は凶器を持ち続けたのに、なぜ人類は凶器を捨てたのだろうか。それは、人類が威嚇や争いをしなくなったから、と考えるのが自然だ。
同種内の争いでもっとも多いのは、メスをめぐるオス同士の争いだ。人類の犬歯が小さくなった原因は、おもにメスをめぐるオス同士の闘いが穏やかになったためということが考えられる。 オス同士の闘いの激しさを考えるときには、群れの中のオスと発情したメス(交尾可能なメス)の割合も参考になる。

チンパンジーのメスは発情期になると、性皮(性器の周りの皮膚)が充血して膨張する。膨張した性皮は外からはっきり見えるので、その期間はメスのまわりに多くのオスが群がってしまう。オス同士の闘いが激しいチンパンジーでは、5~10頭のオスに対してメスが1頭だ。これがボノボだと、2~2棟のオスに1頭くらいまで、オスの割合が近づいてくる。

一方私たちヒトは類人猿と異なり、発情期がない。だから、いつでも交尾ができる。しかも、子どもがまだ小さい授乳期間でも交尾ができる。その結果、オスとメスの割合が1体1に近くなっている。そのことがオスとメスの結びつきを強めていると言われている。
発情期がないというのは現在のヒトの話だが、既に初期の人類でも発情期がなくなっていたかもしれない。初期の人類で発情期が失われていれば、オスとメスの割合が1対1になり、オス同士の争いが緩やかになる。そうすれば、犬歯が小さくなったことが説明できるのである。

初期の人類は、二足歩行によって自由になった手を使い、食物を運搬し分配していた可能性が高い。同時にオスとメスの割合が1対1に近づくことで、オスとメスの関係も「分かち合う」ことで、争う必要がなくなったのではないだろうか。

【参考】『絶滅の人類史 ~なぜ「私たち」が生き延びたのか』

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