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2019年12月02日

真猿の進化史年表(定説)

現在の定説となっているサルの進化史年表を掲げる。
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6500万年 生物の大量絶滅。恐竜絶滅。隕石落下で環境激変。寒冷化
原始霊長類の出現。モグラに似た哺乳類が樹上生活に適応
約5500万年前に現れたアダピス類が初期の霊長類
プルガトリウス、カルポレステス、プレシアダピス。
夜行性。鉤爪、親指の発達(対向指へ)。昆虫、果実食
従来は北米起源説
中国湖南省で最古霊長類の頭骨化石、アジア起源浮上

5500万年 温暖化。海底火山、マグマ熱でメタンハイドレート爆発
広葉樹、高緯度まで、樹冠=サルの楽園。原始原猿拡散、繁殖
ショショニアス:正面に並んだ目→立体視が可能
原始霊長類より原猿類と真猿類と分岐

4500万年 インド、ユーラシア大陸衝突、ヒマラヤ形成、テチス海消滅

4000万年 南極大陸で氷河の形成がはじまり、徐々に寒冷化。
高緯度地域の樹林が消え、サルはアフリカ、一部南アジアへ
カトピテクス:高い視力(眼窩後壁→視細胞集中→明瞭映像)
真猿下目の狭鼻下目(旧世界猿)と広鼻下目(新世界猿)分岐

3000万年 赤緑色盲に退化した哺乳類のうち狭鼻下目が3色型色覚再獲得。
(ビタミンCを豊富に含む色鮮やかな果実等の獲得と生存に有利)
狭鼻下目のヒト上科がオナガザル上科から分岐
ヒト上科=テナガザル、オランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ヒト共通祖先

2500万年 アルプス・ヒマラヤ地帯などで山脈の形成がはじまる。
最古の類人猿と思われる化石(アフリカ、ケニヤ)

1500万年 急速な寒冷化
ヒト科とテナガザル科が分岐
ヒト亜科とオランウータン亜科が分岐
ヨーロッパ、南・東アジアなどユーラシア各地に類人猿化石

1000万年 アフリカ大地溝帯の形成が始まる(人類誕生に大きな影響か)

700万年  気温が下がり始める
最古人類化石は中央アフリカ、サヘラントロプス・チャデンシス

600万年  ヒト族とゴリラ族が分岐

500万年  ヒト亜族とチンパンジー亜族が分岐
猿人の出現。最初の人類とされる。
(華奢型猿人、アウストラロピテクスなど)
チンパンジーほどの大きさで、足の指の形から二足歩行の可能性
脳容積500 ml。一定の道具使用
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真猿の進化(系統分化)は以下のような軌跡を辿っている。
京都大学霊長類研究所「霊長類の進化とその系統樹」

【1】オモミス類(原猿)からメガネザル系統と初期真猿(の祖先)が分化

【2】4000~4500万年前真猿登場

【3】その後広鼻猿類(新世界ザル)と狭鼻猿類が分化。3500万年前?
狭鼻猿類がアフリカ大陸からアメリカ大陸に渡ったのは約2500年前と言われており(最古の化石がそれ)、当時はアフリカとアメリカ大陸は既に分離しており約500kmしか距離がなかったとはいえ、島伝いに奇跡的に渡った模様。おそらく狭鼻猿類に追われたものと考えられる。

【4】狭鼻猿類が旧世界ザルとホミノイド(類人猿含むテナガザル系)に分化(約2500~3000万年前)
その後旧世界ザルは尾長ザル系とコロブス系に分化

【5】ホミノイド(原テナガザル)から類人猿分化(1000~1500万年前)
以上が真猿の進化史の大きな流れとされている。

これらの過程では概ね進化するにつれて、大型化する傾向が見られる。(例えば新世界ザル<尾長ザル<テナガザル系<チンパンジー)

この過程は、南方の樹上という特権的世界を独占したサル類は、主要な敵が異種のサルとなったと考えられる。
そして、大型の新たな種が登場する度に、従来の種がその場を追われ、(もしくは淘汰され)追われた種は新天地を求めて、新たな環境に適応するという過程を辿ったのではないか。

また大型化のベクトルは種間の闘争のみならず、サルの集団内の序列闘争(ボス争い)でも有利に働く=より大型の血統が多く残るので進化と大型化の相関関係により拍車をかけた。

加えて原猿から追うとこの進化過程は単体→オスメス同棲の単雄複雌集団→複雄複雌の集団という過程である。つまり種間の闘争に勝ち残るために、概ね大型化と、集団化⇒知能の発達と言う二つのベクトルで発達してきた。

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