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2020年02月18日

母系社会シリーズ~ミナンカバウ部族~

母系社会シリーズ、今回はインドネシア西スマトラ山岳部のミナン地方に暮らす、ミナンカバウ部族の母系社会についてリンクより紹介します。

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ミナンカバウ人は母系社会という世界でも特異な社会形態で知られている。
母系社会の基本は氏族の系譜を母である女性を通して辿ることである。母系社会では氏族の共有財産は女が引き継ぐ。田畑、家屋の財産は母から娘に相続さる。牛の形をした民族色豊かなルマ・ガダンという伝統家屋も母から娘へ代々引き継がれる。
夫である男(スマンド)には相続権は一切なく、男自身の財産も姉妹の娘に相続される。男が氏族の財産に対して行うことは姉妹に代り財産の管理を行うことである。ミナンの諺では「スマンドは水牛の尾にとまっている虻か、切株の上の灰のようなもの」といわれる。

結婚は妻問婚が原則である。妻問婚とは夜だけ妻の所へ訪れるもので昼は別の所で生活する。伝統家屋には娘の部屋はあるが、成人の男子の居場所はない。成人になった男は昼は生家の田畑で働き、夜はアダット・ハウスという集会場かモスクにたむろする。結婚した男は、夜、寝るためにだけ妻の家に通う。

家を取り仕切る必要な男手は夫ではなくて妻の兄弟である。男は自分の子供ではなく、姉妹の子供の扶養義務がある。子供にとって母の兄弟である伯父ママックは父よりと親しい関係になる。これが母系社会の仕組みである。

母系社会とは男が虐待された社会のように見える。しかし母系社会は女権社会ではない。長老、大家族長、スク(氏族)の長の政治権力は男性にある。政治権力を有する男性は家長である女性の兄弟である。いわば政治は男、経済は女の分業体制である。繰り返すと男は財産の管理者であるが、所有者にはなれない。

結婚についても例えばコタ・ガダン出身の女性はコタ・ガダンの男性としか結婚できない。これに対して男性にはそのような制約はない。財産を相続できない男はその替わり自由である。
財産を相続する女に個人的な自由はない。

ミナンカバウの母系社会とはいわば女性は田畑や家屋という財産に縛り付けられていることである。母系社会のこれらの実態はむしろ女性差別でないかと教育を受けたミナン人の女性が伝統社会に呪縛されることの不条理を訴えている。
しかしながら近代社会の発展によりミナン人が異郷に家庭を持つようになった。異郷ではスマンドの存在が大きくなり、1974年の婚姻法の影響もあり、異郷のミナン人の母系社会は崩壊しつつある。

最後に母親を軽んじるとどんなことになるかというミナンカバウの民話を記しておく。マリン・クンダンは故郷を離れて異国の地で金持ちの娘と結婚する。帰郷した際に母親があまりにみすぼらしかったため知らないふりをした。母親に呪いをかけられマリン・クンダンは石になった。ミナンカバウ人の諺によれば「天国は母の足の裏にある」そうだ。
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・夫である男には相続権は一切ない
・母系社会は女権社会ではない~
長老、大家族長、スク(氏族)の長の政治権力は男性にある。
・男は財産の管理者であるが、所有者にはなれない。
・財産を相続する女に個人的な自由はない。
・ミナンカバウ人の諺によれば「天国は母の足の裏にある」

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