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2020年08月20日

これからの共同体社会はどのように創られていくのか-12

前回は、権力社会の中で、政略結婚というシステムをバネに私権の中枢に食い込む勢力を紹介した。私有婚という旧い価値ではあるけれども、当時の時代の圧力に集団原理にとって基底的な婚姻を用い、生き残りをかけての闘争であった。つまり、婚姻制も社会にかかる圧力によって規定され、個人の感情発ではなく、今後の共同体としての在り様を共有した婚姻制を創らなければ持続できないことが示唆された。今回は、これからの社会にとって、外圧に適応して持続していく重要性を押さえておきたい。

現状の社会システムでは、集団といってもことごとく課題を分断した存在であるので、まともに社会外圧をとらえて適応することが困難である。これについてはこのシリーズの初回で述べた。もはや国家に依存した寄生集団に成り下がっていては突破できないし、国家や市場を支配する勢力自体、現在の諸問題を解決する力はすでにない。つまり、まともに外圧をとらえそれに適応していくためには、自立した集団で受け止め、課題を乗り越えることが不可欠なのである。

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■外圧に適応することとは?

あらゆる存在は、外圧を受けてそれに対応する内圧をもってバランスしている。生物の場合、新たな外圧状況に対して、不全を看取して欠乏意識が発生し、それを埋めるための本能をはじめとする新機能を形成することで適応=進化してきた。これは社会的な外圧に対しても当てはまることであり、現在、社会外圧の高まりはまさに進化適応が求められるときである。

 

「外圧適応態」について、”食べる”と”原基構造”から考える

■「食べる」ことから考えてみる
「食べる」とは、まさに体の中で分子が絶え間なく分解と構成を繰り返す行為です。そして、分子の構成と分解の流れがとりも直さず「生きている」ということで、この流れを止めないために、私たちは毎日食べ物を食べ続けなければいけないのです。

私たちの体は「機械」というより、流れの中にある。

彼は、これを「動的平衡」と名づけました。ジグソーパズルを想像してみてください。ピース一つひとつは細胞、あるいは細胞の分子です。あるピースが捨てられても、周りにあるピースが真ん中の形を覚えていて、そこに新しい食べ物の分子が入っていきます。次の瞬間、また違うピースが壊され、入り、壊され、入り……と同時多発的に交換されている。これが「動的平衡状態」です。

ピースは代わりますが、パズルの絵柄全体は変わらない。それが私たちの体です。体を構成している分子は私たちの所有物ではなく、実は「環境」のものです。つまり、分子のレベルで私たち生物は地球上のあらゆる生物、無生物とつながっているわけです。

■原基構造=自然(生物)の摂理の見方から考える
自然(生物)の摂理=人類の原基構造のどこが不変でどこが可変かを判断するときに、必要な視点は大きく3つある。

一つは、進化の連続性と枝分かれの問題だ。地球上にいる生物群は、元々は一つの原始生命体から生じたものだが、その過程で固有の外圧条件に対して適応して、枝分かれをしてきた歴史がある。従って、人類の系譜とは無縁の生物、その枝分かれ後に獲得した固有の適応構造は、人類が適応するための原基構造とはならない(例えば、爬虫類から枝分かれした鳥類固有の生態は参考にならない)。人類の原基として着目すべきは、あくまで人類に繋がる1本の進化系統上で塗り重ねられてきた構造だ。

二つ目は、この進化系統の中で、人類という種が成立する大前提として、新たに塗り重ねられた部分だ。例えば、性闘争本能は人類に至る哺乳類全般に存在する原基構造ではあるが、始原人類は、過酷な外圧に対応するためこの性闘争を全面的に封鎖した。従って、「性闘争本能」ではなく「性闘争の封鎖」の方が、人類の原基構造としては変えてはならない不変部分となる。「自我ではなく共認が原点」である点、「最終的には観念によって進化し、統合される観念進化態」である点も同様である。

三つ目は、原基構造を成していた始原時代の外圧状況と、現在の外圧状況の変化だ。始原時代には、顔の見える集団を超えた社会は存在していなかった。また、絶対的な生存圧力が働いていた。現在は単位集団を大きく超えた社会が登場し、また、生物史上初の出来事である生存圧力の克服を果たしている。したがって、この新しい課題には、単なる始原時代の生存様式や統合様式の踏襲・回帰では適応できない。ここは、人類が獲得した観念機能を駆使して、新たな適応形の獲得が必要な可変部分となる。

このような捉え方をすること自体が、外圧適応態としての生命の原理=自然の摂理に従う、ということの意味でもある。

 

■外圧をまともに捉えることの重要性

自立集団が形成されるにあたって、下記の事例のような意識構造の大きな変化が起こる。あるいは逆に意識の変化が場としての共同体化を進行させるとも言えるかもしれない。

外圧捨象(→活力ドン底) と 人類の再生

1.本能(脳)は外圧を感知して始めて作動する。

2.しかし現代人は、個人主義を植え付けられ、しかも私権圧力が衰弱したので、政治の問題であれ、経済の問題であれ、あるいは環境破壊や肉体破壊の問題であれ、「どうでもいい。自分には関係ない」という言葉で問題を捨象し続けてきた。つまり、大半の外圧を捨象し続けてきた。

3.大半の外圧を捨象すれば、大半の本能は作動しなくなる(封鎖される)。

4.その結果、現代人は生存本能→生きる意欲も、闘争本能→闘争意欲も、追求本能→追求意欲もドン底にまで衰弱させ、更には性本能→性情動も、生殖本能→出産意欲もドン底にまで衰弱させて終った。(仕事である以上、様々な課題が登場するが、興味のあることはやるが、それ以外の課題を捨象している者も同様で、これでは全く成長しない。)
要するに、現代社会が孕む活力衰弱や少子高齢化etc.の根本問題の根本原因は「自分には関係ない。どうでも良い」という外圧捨象にある。(現状が底ではなく、現在も際限なく衰弱させ続けており、このままでは人類は間違いなく絶滅する。)

5.従って、外圧捨象を止め、潜在思念が感応するままに問題を直視し、追求しさえすれば、人類は再生される。活力も性も再生されてゆく。
・活力衰弱の構造(殖産分断→学校教育と「個人」「権利」という観念支配)を知れば=外圧を知れば、本能が作動し、活力が再生されてゆく。
・生殖衰弱の構造(私権・独占の性→核家族と「一対」観念)を知れば=外圧を知れば、性本能が作動し、性情動も生殖意欲も再生されてゆく。
・社会閉塞の構造(私権の終焉⇒観念支配による外圧捨象→思考停止)と共認統合の構造を知れば、追求本能が作動し、思考が再生され、新勢力が形成されてゆく。
・環境破壊の構造(西欧科学の狂気→市場拡大)と自然の摂理を知れば、追求本能が作動し、自然の摂理に則った科学と生産技術を生み出せるようになる。

 

 

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