2021年09月24日
同類闘争下で庇護してもらうために、生殖機能を進化させた原猿メスたち
哺乳類の知能発達と集団構造を踏まえ、今日はいよいよ、本能ではありえない状態に陥った原猿のメスが、どのような意識に陥りどう進化したのかを追求してみたいと思います!
(ネズミキツネザル:写真はこちらからお借りしました)
■「同類闘争が最大の外圧」になるとどうなる?
まずは改めて、原猿のメスの置かれた状況に同化してみましょう。
樹上機能を獲得したがゆえに、他の生物にはない「同類闘争が第一の外圧」になってしまった原猿たち。
この「同類が最大の敵」という本能ではありえない状態に置かれて、誰よりも窮地に立たされたのは、何といってもメスたちでした。
なぜなら、性闘争を強化した哺乳類にとって、オスとメスの体格や闘争力の差は大きく、どんなに頑張っても埋められるものではありません。ボス猿どころか、弱オス猿にさえ勝てないからです。
そしてそんな飢えたオス猿たちが、隙あらば食べ物をかすめとっていくのです。
生殖期以外に庇護意識のないオスたちは、メスに遠慮してくれるわけではありません。
オスには絶対にかなわないメスたちにとって、絶体絶命のピンチ!
生き残りをかけ、あなたがメスなら、どうしますか!?
ここからは、世界の誰も解明できていない仮説です。
みなさんもメスになりきって一緒に追求してみてください
■ボスオスに守ってもらうためにどうする?
縄張り闘争でオスたちにどうあがいても勝てない以上、生き残るためには、何としてもボスオスに守ってもらう必要があります。
でも、ボスオスが守ってくれるのは、生殖期間(妊娠+授乳期間)だけ。
ならば、生殖期間を引き延ばそう!!
こうメスたちは考えたのではないでしょうか。
その方法は、原理的には3つ考えられます。
①妊娠期間を引き延ばす
②授乳期間を引きのばす
③生殖期間の隙間をなくす
このうち、①は無事に出産できる胎児の大きさに限界があるため、主流は、②と③だと考えられます。
そしてこの二つについては、実際の進化(変化)現象ともぴったり一致します。
まず、原猿は、祖先の原モグラに対してなんと授乳期間が3~5倍にまで延びています!(モグラ40日に対し、原猿は180日前後)
そして生殖期間という意味では、実は猿は、年中発情できる特殊な種なのです!(注:年中とは、ずっと発情しているという意味ではなく、季節を選ばず発情できるようになるという意味)
授乳期間の延長にしても、年中発情にしても、なぜそのような進化をしたかはこれまで解明されていませんでしたが、オスに守ってもらうため⇒生殖期間を延ばすためだと考えれば、とてもすっきり整合すると思いませんか?!
このようにして 猿は、他の哺乳類に比べても突出して性機能を発達させていきました。
全ては、同類圧力が第一になってしまったがゆえの進化だったのです!
- posted by nisi at : 2021年09月24日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
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