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2022年01月28日

観念機能で自然の性質を見出すことができるようになった人類の進化~石器の制作~

画像はコチラからお借りしました。

 

人類極限時代の第2ステージ。

前回までの記事で、人類がどのようにして「観念機能」に繋がる「観念原回路」を獲得してきたかを扱ってきました。

 

観念機能の真髄は、探索=追求回路を作動させ、対象の本質を掴むこと≒一体化にあります。対象をひたすら直視することで、その本質が見出せるようになったのです。

人類は極限時代の中で、仲間だけでなく、更により広い対象世界⇒自然とも一体化し、本質を掴むことができるようになります。

この観念原回路を獲得したことにより、人類の生活はどのような変化があったのでしょうか。いずれは言語機能の獲得に繋がっていきますが、現代人類のような多様な発音ができる骨格になるのはまだ先の話。

まず焦点を当てたいのが、観念原回路を獲得したとされる300~200万年前頃の、「石器の使用」です。しかし、ただ道具を使うだけなら、類人猿でも可能です。例えばチンパンジーでは、アリの巣に植物の茎や樹皮を差し込んでアリを釣ったり、固い果物の実を石で割って食べる行動などが知られています。

ではこうした道具の使用と、当時の人類の石器の使用は何が違ったのでしょうか。

 

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ここで注目すべきは、これまで石や木の枝など、「使う」だけだった道具の世界が、自分たちで「生み出す」ことができるようになった点です。道具を「生み出す」ことは、類人猿でも不可能と言います。(チンパンジーなどでは、利用する木の枝から余計な枝葉を取り除く「材料の改変」といった、道具の制作の萌芽的な特徴は見られます)

 

道具を生み出したとされる最初期の痕跡は、約260万年前のエチオピアの遺跡で見つかった、自然石の一部を割って作った「オルドワン石器」があります。(人類と類人猿の違い~技術獲得編~)このオルドワン石器の作成に、観念がどう活かされたのでしょうか。

オルドワン石器(画像はコチラからお借りしました。)

 

動物の死肉や骨髄を食べるようになった人類は、骨から肉を削いだり、骨を割って中の骨髄を取り出すのに、硬い石が有効だと気づきます。

より使いやすい石とするために、どんな種類や形状のものが最適か?と探索する中で、より固く尖ったものが物を裂いたり砕いたりすることができる、更には石同士をぶつけ合って割ることができ、割った後の破片がより尖っている、といった性質を発見したと考えられます。

このように、対象の性質を見極めることで、新たなモノへと作り変えていくことは、対象への認知・把握能力≒観念機能を獲得した人類ならではの能力と言えるでしょう。

ちなみに、オルドワン石器が発掘された当時の人類の脳容量は、まだチンパンジーとは変わらない大きさ(約450cc)という点からも、道具を生み出すことができたというのは観念機能の有無が大きく影響していると考えられます。

 

道具の作成、使用がより高度化していくことで、火の使用や弓矢の発明にも繋がります。

この先に獲得した、「火」そのものはどのようにして扱えるようになったのか、また弓矢などもどうやって?は気になるところですね。引き続きこの辺りのテーマを追求し、人類の営みの様子を明らかにしていきたいと思います!

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