2014年10月14日
シリーズ 高齢者が先導する新たな共同体!~シリーズ3:背景の意識潮流「不整合な現実社会から、新たな地域共同体の構築に向けて」~
今回のシリーズは、現代社会が抱える大きな課題である「高齢化社会」から、「地域共同体と高齢者の役割」をテーマとしています。
シリーズ1:プロローグ
シリーズ2:事例編
★なぜ地域共同体と高齢者なのか? シリーズ3ではその背景と可能性を見てみましょう。
目次
1.高齢者問題の本質は、地域の相互扶助が失われた事 2.市場社会全体が行き詰まり、不整合感が増大している 3.「自給」「自考」の意識潮流は、新しい地域構築の出発点 4.地域づくりと高齢者の役割
かつて、高齢者は地域と共にあった 高齢が排除される社会に
図版はhttp://kokumaijp.blog70.fc2.com/blog-entry-87.htmlからお借りしました
1.高齢者問題の本質は、地域の相互扶助が失われた事
現代の高齢者が、会社にも家庭にも居場所がなく、社会から排除されているという問題は、いったい何を意味しているのでしょうか?
かつての村落共同体の中では高齢者は大切にされ、それなりの役割があったのですが、明治から昭和にかけて、「会社」と「核家族」は、都市および都市近郊に、村落共同体と入れ替わるようにして広まり、日本は共同体社会から市場社会に転換しました。
市場社会ではあらゆるものが「お金」に換算されるようになり、地域における相互扶助(助け合い)は、公的な税金を使った行政の福祉サービスに変化しました。「地域」は繋がりを失い、多数の核家族がただ近所に住んでいるだけの所になり、その存在意義が薄れています。
そして、直ぐ近所に住んでいる人同士が相互に顔も名前も知らない(→助け合う事がない)というのは当たり前という状態になってしまいましたが、このように、お金を介してしか相互扶助を行わない状態は、人間社会として果たして正常な状態なのでしょうか?破綻は目に見えています。
市場社会とは、お金のやりとりだけが限定的に整合している世界であって、地域の相互扶助は失われ、不整合な状態であったわけです。
2.市場社会全体が行き詰まり、不整合が増大する。
市場社会によって地域が破壊されて相互扶助が失われたという問題は、都市化が進んだ1960年代の高度経済成長期から既に発生していましたが、その後に市場の拡大が止まると、今度は市場社会の到るところからその綻びが露呈しはじめ、今や社会全体に対する不整合感が生起する状態になっています。
きっかけは311か?
3年前の東日本大震災では、津波による壮絶な被害だけでなく、「絶対に安全」と言われていた原発が爆発、事故の実態を隠す政府の姿勢や、安全が虚構(学者の想定)であった事から、お上と科学技術全般への不信感が生起し、電気が消えたコンビニの 棚からは一時、商品がなくなって、私たちは、これまである程度確かなものと信頼してきた社会の薄っぺらさを思い知りました。
そして、本当の状況を知りたいという欠乏から、これはおかしいのでは?と気付いた事象を調べていくと、まさに嘘で塗り固められた状態であった事がわかってきました。
★原発の危険を隠し続ける、政府・学者・マスコミ
★TPPの嘘
★小沢問題の嘘
★CO2温暖化説の嘘
★プレート説の嘘
★TPPの嘘
★健康診断の嘘
★栄養学の嘘
★ワクチン(予防接種)の嘘
★ガン治療の嘘
★不正選挙
まさに、市場社会の矛盾や不整合を無理やり(嘘で)塗り固めて延命させている状態です。そして、その嘘がバレていくに従い、特にここ数年、大きく変化した意識潮流があります。それは、市場と社会全体に対する不信感、不整合感から、「自給」「自考」志向が高まっていることです。 先の不整合感から、私たちは、市場やお上に委ねる事を忌避し、自分たちで「自考」「自給」する事に価値を見出しつつあります。
3.「自給」「自考」の意識潮流は、新しい地域の構築の出発点
先の不整合感から、私たちは、市場やお上に委ねる事を忌避し、自分たちで「自考」「自給」する事に価値を見出しつつあります。
「自給期待と日本の近未来」ブログ:「日本を守るのに右も左もない」より引用します。
★農業・食料をどうする?
自給する上で真っ先に必要になるのが、食糧です。最近の相次ぐ食品偽装が騒がれるのもみんなの関心が高いためです。・それに対して、スーパーなどではトレーサビリティの徹底などで対応しています。さらに徹底させたのが、中間卸を介さない直売所と産地直送ネットワークです。直接産地と契約を結んで、宅急便で農作物を送ってもらう。これで信頼できる生産者の食品を食べることができます。・そして、もっと自給化を高めているのが、自家栽培(市民農園含む)の増加と繋がりです。市民農園はどこも抽選になるほどの繁盛です。また時間のある定年退職者が栽培して近所や知り合いに配っている例もよく耳にします。(僕もいただいています。)
画像こちらからお借りしました。
★医療・薬をどうする?
次に医療です。『医者に殺されない~』などの本が流行ったり、ネットやツイッターでの医療や薬に関する真実の流布など、医療不信はものすごく高まっています。これまでは医者の診断や処方が絶対で、患者はそれに従うだけでしたが、医療においても、人々が自分で考え始めたということを意味しています。次の段階は、治療方法も患者が自分で考えて選択する。例えば、ガンが発見された場合でも、治療するか否か?治療するとすればどういう治療法をとるか?は、医者と患者がすり合わせて、患者の意思が強ければそれを尊重した方がいい・・・という方向に向かっていくのではないでしょうか?今後ますます医者不信が高まるので、クレーム対応が病院にとっても重要な経営課題となります、患者が治療法を選択するという方式を採れば、医者に対するクレームも防げるでしょう。
★教育、情報をどうする?
教育についても医療と同じような構図があります。既存大学への不信増大です。かっては東大卒であれば、黙っていても権威がありましたが、勉強ができても仕事ができなければどうしょうもないということがよく分かってきたからです。 使えない東大生が急増中!?社会で東大卒が通用しないワケ 「英語はできるが仕事ができない」社員が急増!! 教育の先端にある塾の世界においても大きな変化がみられます。いままで知識を詰め込み、受験に勝っていい大学へということが、主目的でした。しかし、単なる受験勉強では役に立たないことが明白になり、自考型教育へ転換している塾が増えています。・・・・・10年くらい前まで、情報はマスコミから与えられるものでしたが、今では素人の発信主体が増えています。有益な情報が、素人から発信されることもしばしばあります。利権の絡みのない素人の現場の発信こそ信頼される土壌もあります。
かつては、市場が生み出す様々な新しい「商品」が人生を豊かにすると考えてきた人は多数派でしたが、いまや少数派。むしろ顔が見える関係で安心して食べる事ができる食品を求める人が多数派です。しかし、自給といっても、一人だけで自給するのは限りがあるだけでなく、活力も続きません。仲間が、共に生きていく仲間がいるからこそ、自分達で自分たちが生きる場をつくる事が、もっとも面白く、活力がわくのだと思います。これは、食品だけでなく医療や介護、教育・情報etcの全ての面で言えることであり、まさに全てを含む地域=地域共同体の出発点になるものです。
4.地域づくりと高齢者の役割
脱お上、脱市場 ⇒ 自考、自給志向の意識潮流によって、国家と市場が主導してきた社会から大転換する可能性があります。
そして、この潮流は、自分達の場づくり⇒「地域づくり」に収束していくものと考えられますが、これを先導していく事こそが、高齢者の役割ではないでしょうか?
「介護」「子守」「保育」など、元々お上の管理や市場化にそぐわなかった事業だけでなく、「教育」「食品」「医療」など、暴走するお上には任せて置けない事業を、地域の事業として立ち上げなおし、地域づくりの要としていくのです。
そして、最も重要なのは、これまでマスコミや行政からの一方的な発信(一般の人は受け取るだけ)による共認形成から、地域での主体的な共認形成へ転換していくことです。これは実際、マスコミの凋落とミニコミ誌の興隆にその萌芽が見て取れます。
こういう「地域づくり」の事業には、市場社会に対して違和感を募らせながら、闘って来た世代がぴったりで、市場社会での敗北体験があっても、逆に、それが、これからの社会形成のパワーにつながります。逆に市場社会で勝って来た(成功してきた)方も同様で、市場社会の薄っぺらさが共感できる世代であれば、これからの社会形成の志を共有できるものと思います。
特に、戦後の経済成長の後、70代の不況、バブル崩壊、阪神大震災、リーマンショック、311・・の数々の市場の崩壊というものを体験し、(それでも闘ってきた)世代(高齢者予備軍55~65才)がこれから定年を迎え、会社を離れて市場社会から退場しようとしています。この世代は市場社会の虚しさを痛感しており、これから生きていく場を探していますが、それは、自分たちで新たに作っていくほかありません。定年(=市場社会からの退場)を迎えるこの世代の先導が期待されています。
地域づくりとは、第2の人生を掛けるに値する、何より、やりがいのある事ではないでしょうか?
高齢者を繋ぐ地域新聞です おばあちゃんの介護?子守? 自分たちで地域をつくっていく!
by tamura
- posted by TOKIO at : 2014年10月14日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
trackbacks
trackbackURL:
comment form