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2008年6月12日

2008年06月12日

家族・婚姻に関する人類学の系譜1

本ブログでは現在、「家族の起源」について、霊長類学の分野でどのように考えられているのかがテーマになっています。これまでの投稿は、 、 、 、 にまとめられており、現在も追求が継続されています。
今回は霊長類学の議論と平行して、文化人類学・社会人類学と呼ばれる分野で、家族の問題がどのように考えられてきたのか、その系譜を整理してみたいと思います。
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■19C後半:社会進化主義
1859年に発表されたダーウィンの『種の起源』の影響を受けて、19Cの後半は、人類の社会形態についても、原初の時代から19Cの当時に至るまで連続的な発展段階を経て進化してきたと考えられていました。この考えを社会進化主義といいます。
J・J・バッハオーフェンの『母権論』(1861)、L・H・モルガンの『古代社会』(1977)がこの流れにあります。
モルガンは、アメリカ・インディアンの親族名称が欧米のものとは異なっていることに着目し、親族名称が過去の時代の家族の発展段階を表していると考えて、人類社会の進化モデルに取り組みます。その結果、人類社会は原始乱婚の時代から血族婚家族、母系の半血族婚家族(いずれも集団婚)を経て、私有財産制の発展に伴って父系制に転換し、最後に一夫一婦制からなる核家族に到ったという立場をとりました。

(さらに…)

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