RANKING
にほんブログ村 歴史ブログへ
NEW ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK

2021年5月6日

2021年05月06日

閉鎖独占からの離脱~現代医療という象牙の塔は必要か?

前回の学校という閉鎖独占システムに続き、今回は、医療に焦点を当てて探ってみたい。現状の医療は、かなりの辺境地域にまで医療組織が行き渡り、また国民皆保険として制度上も負担がかからないようになっており、だれもが経済的な負担なく医療行為を受けられる。これはこれでよいことなのかもしれないが、これまで鬱積した問題もあらわになってきた。

本来医療は、医食同源といわれねように、日常生活の中で実践していくべき生活行為であり、心身のバランスを整えることが本質である。生物一般においても、闘争による負傷ではキズをなめて殺菌したり、捕食のエネルギーを控えて免疫機能が最大限発揮できるように発熱させたりと身体機能に医療的機能が備わっている。医療の現場で日々治療にあたっておられる方々は、「医療とは所詮、身体の持つ本来の修復機能、免疫機能を最大限生かすことしかできない」と喝破されている。大きく東洋医療においては、身体のバランスをいかに保つかという恒常性に焦点を当てて発展してきた。気、血などの流れの良し悪しを調整することなどに見て取れる。一方、西洋医療は、戦争などによる負傷に対する対症療法が軸であり、身体をあくまで機械的に分析し、機能障害を取り除くという方法である。

近代市場社会に至り、西洋医療を軸として国家ぐるみで医療体制を推進してきたが、背景には、市場拡大のための戦力維持としての医療であったといえるのではないだろうか? 抗生物質然り、ワクチン然り、ひどい場合は医原病といわれるようにマッチポンプを作り出して持続可能な制御方法ではないことが明らかになり、自然界からの逆襲が危惧される。このことは医療業界(背後には石油利権とつながる製薬業界)の利権拡大が医療を狂わせた要因であり、根本的には、西洋医学そのものの局所的(都合のいい部分しか問わない)思考方法が誤っていることを示している。また、行政をも操る利権については言わずもがなであり、数々の薬害が取りざたされてきた。そして、医療に携わる現場の組織の在り様も旧態依然として上意下達という支配被支配にも似た関係こそが現場の意欲をそいでいるのである。

医療もこのままではこれからの時代に適合しない。かつてはおばあちゃんの知恵袋という長年の経験に裏付けられた手法が共同体のなかに包摂されていたが、医療においてはそのように自分たちの手に取り戻すような抜本的な転換が必要である。

その可能性を示唆する記事を今回も紹介したい。

(さらに…)

>    

2021年05月06日

世界の婚姻制度~スイス人は国際結婚が主流!?~

世界の婚姻制度シリーズの第2弾。

前回は北欧の国、スウェーデンを紹介しましたが、今回はヨーロッパの中心に位置する「スイス」について紹介していきます。

 

雄大なアルプスに囲まれたハイジの国、スイス。
一方、ヨーロッパの金融市場の中心でもある国ですが、その婚姻制度はどうなっているのでしょうか。

~前回の記事はこちら~
世界の婚姻制度~スウェーデン人は「結婚しない!?」~

large_back-view-bench-clouds-1417255

SWIより引用

スイスでは、婚姻手続きは戸籍役場を通じて行なう。双方とも18歳以上であることが条件であり、両者ともに婚姻を解消する権利を有する。多くのスイス人は民事婚と宗教婚の両方の式を挙げる。

同性カップルはスイスでは結婚することができない。しかし、正式なパートナーシップ制度には登録できる。これにより、年金、相続、納税に関して結婚したカップルと同じ権利と義務を手にすることになるが、養子縁組をする権利はない(ただしどちらかのパートナーの実子であれば可能)。外国で成立した同性婚は、スイスでは正式なパートナーシップとして認められる。

結婚式は許可証を受け取ってから3カ月以内に行なわなければならない。外国で法的に認められた異性婚またはパートナーシップ登録は、基本的にスイスでも認められる。

初婚の平均年齢は着実に上昇している。1970年には男性が26.5歳、女性が24.1歳だったが、今日では男性が32歳、女性が30歳となっている。

 1980年代半ば以降、夫婦の片方もしくは両方が外国人である婚姻の数が増えている。2015年には全体の半数以上(52%)に上った

一番の驚くべき点は、国際結婚の数です!

その背景には、実は移民が近代スイスの形成に大きく貢献してきたという歴史があります。
(第2次世界大戦以降、労働力を必要としたスイスは移民を積極的に受け入れてきました。経済が停滞し始めると、移民流入制限もしてきましたが、2014年末で、スイスの人口820万人に対して外国人は200万人=約25%。

バラ色のメガネでスイスを発見!より引用

■結婚生活に活かされるスイス外交の極意

もう一つ、移民組が皆同意したのは、スイスの議論の仕方や違いへの対処の仕方が、自国の文化とは異なっているということだ。ビラル・アル・サイフィさんは、「折り合いがつかない問題はない。私がここで学んだのは対話の文化批判を受け入れ、妥協点を模索するという文化だ。これはおそらく、議論や表現の自由、譲歩という価値観が確立されている政治システムと直接民主主義の性質によるものだろう」と話す。

ジェドゥ・シャリフさんは、それは教育システムと社会の文化によるものだという。「ここの人たちは、子供の頃から率直で恐れを知らずに生きている。ディベートと率直さは教育の柱だ」。

話を聞くこと落ち着いた姿勢でいること相手の意見を受け入れること相手のニーズを考慮すること、そして間違いを認めること。これらは夫と喧嘩をするときに最も素晴らしいと思う点だ。私は夫からこのような議論の仕方を学んだ。もちろんそれは、職場でコミュニケーションを取る際の一助にもなった」と、ローラ ・ チャベスさんは話す。

一方、日本人女性ユミ・リヒシュタイナーさんは、議論や喧嘩の仕方に二国間で違いを感じることはあまりなく、主に個人の特徴によるものだという。「でも面白いなと思ったのは、ここの人々は極力調和を保ち、衝突を避け、自分の意見を丁寧かつ間接的に伝えようとしているところ。これは服の選び方にも表れている。常にニュートラルで落ち着いた色を選ぶ。まるで調和を壊したり、他人の邪魔をしたりするのを恐れているかのようだ。日曜日は休息日という規則をしっかり守るのも特徴的。騒音を出さないよう、洗濯機を使うことも許されていない

 

■スイスの価値観:両刃の剣

シャリフさんの祖父が順応しなければならなかったもう1つのことは、時間と、その価値観だ。「時間を尊重し、私の妻と子供たちに十分な時間を割くのは慣れた。しかしスーダンの男性は、家事をしなくて良いとされている。また誰かと待ち合わせるときは、午後、としか言わない。そこには3時間の幅がある。ここでは家族のためにきっちりと予定を立て、家族同士であっても時間厳守が求められる。ここでは誰も時間通りだから、遅れると心配される

ビラルさんもまた、時間を守ることや法律を尊重することはポジティブな価値観と捉えている。だが、それが生活の中での自発性の欠如や驚きの要素の欠如につながることもあるという。それにはラウラ・チャベスさんも同意だ。「ここでの穏やかな自然の生活を素晴らしいと思うが、自発性、色、音楽、ダンスが恋しい。メキシコで音楽はどこにでも、時間に関係なく存在している」

オツィンガー博士は、スイス社会の価値観は「諸刃の剣」だと説明する。「安定性、安全性、法と時間の尊重は、移民にも高く認められた価値だが、同時に障害を生み出す。何かを売るために店を開こうとすると、証明書や許可証が必要になり、これらのポジティブなことがネガティブなことになってしまう」。

スイスの国際結婚から見えてきた特徴として、もともとは文化の異なる移民をまとめるために、法や時間の厳守が徹底されてきたことがよく分かります。

例えば、スイスでは離婚をする際にも、厳しい制度があるようです。(協議離婚は2カ月、訴訟による離婚は2年必要。さらに10万以上の負担もかかる)

また、国の視点からみると、「守ること」に価値があるという常識が国民に浸透していれば、人々を操りやすいようにも感じられますね。

>