2021年07月01日
共同体社会の仕組みはどうなる? -4
前回は脱市場の観点で新しい生産関係が贈与という概念を通して広がっていき、活力が再生されていくことを述べた。今回は、生産の枠を超えた課題として、どうしても社会的な規範や取り決めなど、共同体のネットワークでも扱いきれない課題があり、そこを焦点にあてたい。
それは(いずれ不要となることを願うが)防衛や大規模災害、環境対策などの超集団的な課題である。現在は法律による規制や国家レベルでの大綱などをもとにそれを専門とするキャリアによって運営され政府機関にて統制されている。逆にその構造が利権を生んでいることも否めない。そして、環境問題に代表されるような課題は、全地球的な解決が必要であるが現状の国際機関としての国連もまた利権(国家間の利害)に左右されている。
いわゆる 脱市場の社会(資本主義社会の終焉後)では、そのような力学よりも、実質的な成果が最大の価値となる。もはやだましや小手先のごまかしは通用しない。経歴や資格も絶対ではない。そのような仕組みづくり、組織化が求められるが、これまで展開してきたように決して独占、閉鎖した構造ではなく、解決に至る過程や決定手法なども開かれた場で皆が納得できるものになっていくだろう。
例えば「リナックス」というオープンソースを皆で作り上げてきたように、だれもが参加できるが皆にとっての成果が求められるような仕組みにヒントがありそうだ。そして、専任化の弊害を解消するには江戸時代の参勤交代。そんな仕組みを今回も紹介したい。
- posted by KIDA-G at : 2021年07月01日 | コメント (0件)| トラックバック (0)