2022年05月19日
「無」=主体の喪失により、全面受容に収束した初期人類
樹上適応というサルにとって最大の武器を失ったことで、はじめて同類と断絶した世界へ。これまで同類適応のために形成した諸機能が働かない「無」の状態に陥った。そしてこの「無」こそが、人類への進化の歩みの一歩だったのではないか?を前回、扱いました。
「無」の状態とはどんな感じでしょうか。
グループの皆からいろいろな意見がでました。
空虚感、喪失感、真っ白な状態、空っぽな状態。
豊かな自然のなか、満天の星空と一体化したときの感覚。無我夢中。
それは「主体を喪失した状態」と言えそうです。
樹上では繁殖限界までサルがひしめき合うような状態、そこから同類が全くいない状態へは、まさに対象世界が一変した。「相手がいることで心も身体も機能する」ことが脳裏や身体を通じて刻まれた瞬間ではないかと思います。
サルは共認動物、オランウータンのように単体で生きていても彼らも同類圧力のなかで生きています。その同類圧力がなくなったということは、最大の圧力源=活力源を失ったことを意味します。
- posted by sai-nao at : 2022年05月19日 | コメント (0件)| トラックバック (0)