2006年12月20日
実現論7(前半)武力国家の統合様式
12/17はなんで屋劇場『実現論7 武力国家の統合様式と信仰・宗教観念の成立構造』でした。前半は、前回の整理も兼ねてよくまとまっていたのでレポートします。
6000年前頃掠奪闘争勃発から→5600年前、都市国家=武力支配国家が登場して以降、私有婚と私有権が成立してゆきます。
●私有婚と私有権の成立構造
掠奪に次ぐ掠奪が玉突き的に拡大しますが、いつまでも戦乱状態を続けることはできず、敗従本能(種が絶滅しないよう、敗れた方が勝者に従う本能)により服属支配関係で安定=秩序化します。それが武力支配国家の成立で、そうなると外圧低下から→男の解脱欠乏(性欠乏)が上昇します。
安定化 (女の安全域確保) 安定化欲求
↓ ↑ ↓ ↑ ↓
男の性欠乏・性闘争本能△⇒私権闘争⇒私有権の共認―→私有婚の成立
↓ | |
勇士資格の緩和 | |
元々遊牧部族は | | |
小氏族所有(半私有) | | |
↓ ↓ ↓ ↓
掠奪物の集団所有→集団の細分化=土地の細分化――→一対婚・家父長制
男の性欠乏△→性闘争△⇒私権闘争△を受けて【力の原理】、それを再び秩序化=安定化欲求から⇒私有権の共認が成立【共認原理に依拠】(ただし力を背景にしての強制共認)。この私有権の確立をもって、私有婚が成立します。
あくまで出発点→駆動力は性(欠乏)だが、私有権の確立をもって婚姻制(私有婚)が成立するという関係。
一方このことは、(男の女よこせ欲求を受けて)勇士資格を緩和することでもあるので、集団の細分化=土地の細分化を伴い、一夫多妻の私有婚から一対婚・家父長制へ集団が分割される過程でもあります。
∴私有婚とは、男の私有権(財の力)で女の性を独占する(買い取る)制度。
私有権の主な対象は、土地、家畜、家。
“女側が持参財を持って嫁入り”から→“男側が婚資を贈る”へ逆転したのは?
前回は、男の性欠乏△→女の性的商品価値△ という論理でしたが、
今回は、上位層(=支配階級)から私有婚は登場したであろうことから、部族連合⇒集団間統合をどうする?の論理が組み込まれました。
遊牧部族は氏族内婚姻→女側が持参財を持って嫁入り に対して、
武力国家の上位層は部族連合⇒集団間統合をどうする?⇒他集団間で嫁取り
という、集団間統合課題(政治課題)として婚姻制は位置づけられます。
上位集団は下位集団へ、連合維持のための監視役として娘を嫁入りさせる
下位集団にとっては上位集団との友好関係を築けるメリット |
↓ ↓
(女の性的商品価値も加わり)下位集団が婚資を差し出す関係へ逆転
(注)なお上位集団の嫁取りは、女奴隷をはじめどうにでもなる。下位集団から、裏切らない証として娘を(いわば人質として)差し出す関係もあったであろう。
●生涯固定の身分制度
武力国家は、最終的に生涯固定の身分制をもって安定=秩序化されます。
富の集中から圧倒的な格差ができると、持たざるものはもはや覆すことなど不可能になります。しかも私権がなければ生きてゆけないので、嫌でも従わざるを得ない強制圧力として働き、身分制は固定されます。
〔力の原理〕力のヒエラルキー→(敗従本能)→序列体制→生涯固定の身分制
↓ ↑
〔安定の原理〕私有権の共認→富の集中・格差拡大→私権の強制圧力
このことは、人類の観念機能にも決定的な影響を与えます。(後半へ続く)
読んでもらってありがとう(^_^) by岡
なんで屋劇場にもありがとう
前回のレポートは、ブログdeなんで屋@東京のまとめが参考になります。是非一読を。
「遊牧の発生→父系制への転換⇒力の原理へ」
「掠奪闘争の玉突き⇒力による制圧」
「力による制圧が成されると、どーなる?~婚姻制~」
- posted by okatti at : 2006年12月20日 | コメント (2件)| トラックバック (0)
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