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2006年12月24日

実現論7(後半)信仰・宗教観念の成立構造

実現論7(前半)武力国家の統合様式に続く後半、人類の観念内容の変遷です。ただこれ自体が壮大な史観ですので骨格のみをまとめたいと思います。
始原人類は精霊信仰
→同類闘争圧力△を受けて、守護神信仰(自然神→人格神)へ
→古代国家が成立して古代宗教(ユダヤ教、仏教、儒教)が生まれます。

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●精霊信仰
精霊信仰は、へたな説明より『実現論』から抜粋した方が正確に伝わると思います。

足の指が先祖返りして、それ以前の獣たちと同様、足で枝を掴むことが出来なくなったカタワのサル=人類は、樹上に棲めるという本能上の武器を失った結果、想像を絶する様な過酷な自然圧力・外敵圧力に直面した。そこで、本能上の武器を失った人類は、残された共認機能を唯一の武器として、自然圧力・外敵圧力に対応し、そうすることによって、共認機能(≒知能)を更に著しく発達させた。
極限状況の中で、人類は直面する現実対象=自分たちを遥かに超えた超越存在たる自然を畏れ敬い、現実対象=自然に対して自分たちの生存(=危機からの脱出)への期待を込め、自然が応望してくれる事を切実に願った。つまり、人類は直面する過酷な現実対象=自然を凝視し続ける中で、元来は同類を対象とする共認機能を自然に対して作動させ、自然との期待・応望=共認を試みたのである。そして遂に、感覚に映る自然(ex. 一本一本の木)の奥に、応望すべき相手=期待に応えてくれる相手=精霊を措定する(=見る)。
人類が万物の背後に見たこの精霊こそ、人類最初の観念であり、人類固有の観念機能の原点である。直面する現実対象(例えば自然)の背後に精霊を見るのも、物理法則を見るのも、基本的には全く同じ認識回路であり、従って精霊信仰こそ科学認識=事実認識(何なら、事実信仰と呼んでも良い)の原点なのである。
『実現論』 ヘ.人類:極限時代の観念機能より

●守護神信仰
弓矢の発明によって外敵と互角以上に闘えるようになると、忽ち人類は繁殖し、その後も人口増の圧力を受けて、農耕・牧畜・遊牧と次々と自然外圧を克服していきます。このようにして自然外圧は低下し→代わって同類闘争圧力が増大します。
自然外圧の低下(=自然外圧の克服→自然の「加工」視)は、超越存在観の後退をもたらし、同時に性闘争本能や自我・私権意識の顕在化から、自分たちの都合のよい観念へと塗り替えられていきます。
1.精霊信仰が→自分たちを守ってくれる強そうな動物などの自然神信仰へ
極限時代と異なりもはや誰もが精霊と対話できなくなり、特殊に精霊の声を聞くことのできるシャーマンが、この時期に登場したと考えらます。
2.同類闘争圧力→掠奪闘争の勃発前後には、自部族を差別化し自己正当化する必要から、自然神から→人格神へと守護神は姿を変えていきます。
守護神信仰は、自分たちは優れた(ex.世界を創造した)自然神や人格神の末裔であると正当化する神話をでっち上げ、自部族統合の中核にすえます。
3.さらに掠奪闘争→異民族支配⇒部族連合の都市国家の時代に入ると、支配の正当化や異民族統合の必要性から、
①「王=守護神の信託者」とする観念や、
②異民族の守護神を(多神教の神話に作り変え)ヒエラルキー統合した神権政治を司る神官が登場し、「王=最高の神官」に納まります。
そして最終的には、③「王=神」にまで同一化されるに至ります。
この過程は一貫して、精霊信仰=自然外圧の超越観が後退し、「人間が上」と傲慢にも人間が神に近づく(逆に言えば神が引き摺り下ろされる)過程で、同時に自分たちの都合の良いように観念を駆使するようになった始まりを意味します。
●古代宗教(ユダヤ教、仏教、儒教)
生涯固定の身分制度によって武力国家が安定=秩序化されると、被支配層(=奴隷)はもはやこの私権統合体制を覆すことなど不可能になり、飢えや苦しみにあえぐのみとなります。現実は変革不可能⇒現実否定するしかなくなった。
しかも私権社会→周りは敵なので、体感できる本源充足の場は失われ、しかし共認充足は絶対的に必要なので、共認充足を『頭の中だけに』措定する他なくなった。
このようにして、現実否定し⇒頭の中だけを充足させる観念パラダイム(古代宗教)へと逆転(倒錯)します。
精霊信仰も、守護神信仰も(自分たちの都合の良い観念というひずみがあるものの)、現実の課題をどうする?という現実直視の中から生まれた。
しかし、古代宗教は全く逆の現実否定の観念パラダイム。この思考方法は現代人も全く変わっていない。これでは何事も実現できない。
今人類は、精霊信仰⇒事実認識に立ち戻って、観念体系を組み直す必要がある。
読んでもらってありがとう(^_^) by岡 
なんで屋劇場にもありがとう
当ブログ会員の皆さんには、精霊信仰や守護信仰などの追求・肉付けもしていただければと思います。

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