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2007年01月04日

妻問婚「ナシ族」の漢化への反発

新年が明けて、気が付けばもう4日です。
今年も皆さんと一緒に婚姻の歴史を追っていきたいと思います。宜しくどうぞ。
さて、今日は表題の様に「ナシ族Vol.2」です。
ナシ族の婚姻の形態は、前の記事にも有るように「妻問婚」であり互いを「アチェ(=友人)」として、性に対する拘束性はなかった(=オープンである)事が分かりました。
http://www.jinruisi.net/blog/2007/01/000084.html
また、ナシ族の支系と考えられているモソ人もその婚姻形態は「妻問婚」であり、すでに「「摩梭人走婚」(モソ人の妻問い婚) 1」で紹介されています。 🙂
しかし、その婚姻様式も強制的な漢化の圧力が高くなるに従って、その様相の変化や若者の戸惑いが表面化していく事に・・・。
それは以外にも「自殺」という選択をしている事に私は驚いてしまいました。
※【漢化政策】・・・、孝文帝が推し進めた政策であり、故服、故語、故姓の禁止や、鮮卑族の風俗・習慣・官制・儀礼を全て禁止し、中国風に改める。
宜しくどうぞ。

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若者はこの漢化政策に対して戸惑い、「自殺」という形で表面化した!

3.自殺・心中の原因

1)婚姻制度の強制的変更

諏訪氏の前掲書によると、ロック氏にしろグーラート氏にしろ、麗江のナシ族社会に自殺者が多かった原因として、自由な恋愛・開放的な性関係を伝統的に持ち続けてきたナシ族の青年たちに、漢民族流の婚約・結婚の制度が強制されたことを挙げている。

~中略~

漢民族の習慣を「中国の習慣」と呼び、子供の結婚の取決めをするのは両親で、それを子供が気に入るか気に入らないかは全く関係ないこと、そしてたいていの婚約は、子供たちがまだ乳飲み子であるか母親の胎内にいる時に、双方の家の間で取決められたと述べている。そのため「数千年にわたって親への従順と親孝行を仕込まれた中国人の間では、この制度はうまく機能した」が、「ナシ族にはこの制度は決してうまく機能しなかった」のである。

「第3節 漢化がもたらす自殺・心中の増加―麗江ナシ族を例に」http://semi.miyazaki-mu.ac.jp/stamiya/soturon/14hiraishi/mokuji.htm
「自由な恋愛・開放的な性関係」という表現は少し観念的であるとはいえ、「アチュ」という非常に親密な、すなわち性関係のある友人という性関係築いてきたナシ族にとって、漢化政策はあまりにも異質です。
そもそも、母系制社会を営む集団が突然父系制に置きかえられる事であり、集団統合の危機にも値するのではないでしょうか。
強制圧力に従うか、安心基盤を求めるかの究極の選択が若者を「自殺」に追い込んでいったのでしょう。
naxi_04.jpg
「現在のナシ族の結婚式:嫁の家財道具を運んでもらっている様子。嫁入り婚に変質?」
※しかし、モソ人はその漢化政策をかたくなに受け入れようとせず、母系社会を営んでいるようです。
by ヨネ

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China Radio International.CRI
のホームページの
豊かな民族文化を持つナシ族
http://japanese.cri.cn/119/2006/01/20/1@55851.htm
でナシ族の紹介があります。
<引用開始>
「ナシ族の女性にとって、勤労は何よりの美徳です。太陽が出るまで畑仕事に出かけ、星が出るまで農作業を続けています。ですから、われわれの衣装には星と月が飾り物になったの」
ナシ族の女性は確かに働きもので、尊敬すべきですね。でも、畑仕事をそんなにたくさん任されているとは、ちょっと思わなかったですよ。
実はナシ族の一部は今でも母系社会の伝統を保っています。つまり、女性が一家の責任者として、畑仕事はもちろん、家庭の営みも全部担当するとのことです。その代わりに、男性は家事などをしたりしています。普通の家庭とは逆ですよね。羨ましがる男性、たくさんいますよ。
<引用終わり>
女性の方が働くなんて、ライオンみたいですね。

  • 小澤 紀夫
  • 2007年1月6日 21:59

共同体社会と人類婚姻史 | 中国のナシ族はアチェ婚(妻問婚)を最近まで維持していた。

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