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2008年07月10日

アフリカという【逆境】の地が人類進化の源泉

これまでの投稿では、人類登場~進化系統~地球上各地への拡散までの大きな流れを追ってきました。 大きなポイントは以下の4点です。
①700万年前~猿人;アウストラロピテクス~アフリカを出た形跡なし~150万年前頃に絶滅
②200万年前~原人;ホモ・ハビリスなど         ~アフリカでは数十万年前に絶滅
~アジア・スンダランドまで拡散~数万年前に絶滅
③ 70万年前~旧人;ホモ・ネアンデルターレンシスなど   ~アフリカでは十数万年前に絶滅
~アジア+ヨーロッパに拡散~数万年前に絶滅
④ 20万年前~新人;ホモ・サピエンス~1万年前に世界中に拡散~現在世界中に生存
詳しくは『「人類=カタワのサル」再考』 『ミッシングリンクの意味=奇跡的に生き延びた人類』 『人類拡散の謎~なぜ原人・旧人は死に絶えたか?』を参照してください。
今回は「各地に散らばった原人や旧人は死に絶え、アフリカだけで新人に進化できたのはなんで?」に迫ります。
↓現代型サピエンス化石の主な発掘・発見地と拡散の軌跡
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(九州大学インターネット博物館より借用しました)

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まず、アフリカ以外に拡散した原人や旧人が死に絶えてしまった原因としては、移動先各地の気候や、食物事情、外敵の存在などの外圧状況や、その変化に適応できなかったということが考えられます。
人類は誕生地アフリカですら、本能不全を抱えたまま奇跡的に生き延びた訳ですから、アフリカとは異なる移動先の外圧状況に、そう簡単に適応できるわけがないでしょう。(アフリカの気候に比較的近かったと思われるスンダランドまで辿り着けたジャワ原人は、数万年前まで生き延びていたようだが、このような幸運?は例外的だったのだろう)
次に、なぜアフリカでは新人に進化でき、さらに新人は各地で適応できたのか?
昨年のなんでや劇場で追求した成果=仮説を紹介します。
●人類進化の地=アフリカは、雨季/乾季の差など気候変動が大きい。
→①季節ごとの移動距離が長く外敵も多い→途中で外敵に遭遇する確率が高い
⇒集団での移動能力と、移動中の外敵防衛力を高める道具進化
→②気候変動により新種のウィルスが次々生まれやすい
⇒抵抗する免疫力を高める方向に肉体も進化
要は、アフリカが「逆境=外圧が高い⇒進化可能性収束が強く、進化スピードも速かった」からこそ、各地に散らばった旧人に先駆けて、20万年前には地球上各地に適応できる各種先端機能を備えた「新人」に進化できた。 (私見ですが、移動方向や気候変動を予測~共認するのに必要な、天文や気候、暦などに関わる観念機能が当時の最先端機能だと考えています)
■人類においても生物同様【逆境こそが進化の源泉】ということだと思います。

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comments

詳しい紹介、ありがとうございました。
島さん以前にボーン・ハンティング説があったことに驚きました。顧みられなかったのに、こうして島さんの著書で広く知られるようになったことは大変意義のあることだと思いました。
人類が骨以外の食物をある程度採取できるようになると見捨てられていき、その期間があまりにも長いので(数百万年間)、現代では想像もできなくなってしまったのかもしれません。それくらい初期人類は過酷な状況におかれており、必至に脱出しようとしたのだろうと想像します。

  • 大杉
  • 2008年10月5日 20:29

>大杉さん
少し長くなったので、、改めてブログで書かせていただきました。
>島さん以前にボーン・ハンティング説があったことに驚きました。
そうですね。島さんもご自身のアイアイなどの研究と、この仮説からヒントを得て、「口と手連合仮説」を立てられたのではないかと思います。
>骨や頭蓋骨は貝や果実と同じように、割れば食べることのできるもの。
と記載してありましたが、過酷な状況に置かれた霊長類のヒト科動物の祖先だからこそ、骨でも割ってみようという発想にいたったのかもしれません。
豊かになった我々では、想像しにくい事象かもしれませんが、過酷な時代を生き延びた初期の人類がいたおかげで、今の我々がこうして、生きているのですね。

  • yidaki
  • 2008年10月6日 12:29

mbt sales 共同体社会と人類婚姻史 | 初期人類は骨を食べていた!vol.11(骨猟仮説紹介)

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