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2009年07月02日

中国の結婚事情

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シリーズで「近現代の世界の婚姻制度の変遷」(日本だけでなく、他の国はどのように婚姻制度を考えているのか、その歴史的背景は?)として、北欧(スウェーデン)→フランス→ドイツ→イスラム→インドと扱ってきました。次は世界が経済破局に向かう中、これからの国と期待されているBRICsの一角を成す中国です。
まずは、現代の婚姻事情からスタートします。歴史的にも厳しい戦国の時代を経てきた国だけあって、婚姻についても非常に長い歴史があります。今後何回になるか分かりませんが、いろんな視点で中国について追求していきたいと考えています。
では、続きに行く前に、応援宜しくお願いします。

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まずは現状の状況を押えていきましょう!日本でもできちゃった婚というのはよく聞きますが、中国では電撃婚という現象が見られるようです。それも制度によってもたされたもののようです。そのことを言及している記事を紹介します
第11回 結婚も離婚も稲妻のように~一人っ子政策が生み出した「閃婚族」と「閃離族」より引用します。

いま中国には「閃婚族」とか「閃離族」という言葉がある。
「閃光 のごとく、すぐに結婚し」、「閃光 のごとく、すぐに離婚 する」という一群のことを指す。両方を含めて「閃光族」と総称するが、その中には「閃孕族」というものもある。
「孕」はもちろん懐妊のことで、日本語では「はらむ」と読むから、これに関しては説明はいらないだろう。そこでここではまず、「閃婚族」と「閃離族」に絞って話をしよう。
拙著『中国動漫新人類』でも何度も出てきたように、1980年以降に生まれた若者たちを「80后(バーリン・ホウ)」(后は後)と称するが、閃光現象は、ともに、この80后に顕著に現われる現象だ。
一見、<A女>とは反対の方向にある現象に思われるだろうが、<A女>現象を知った20代初期の女性たちが、「ああは、なりたくない」という心理から、サッサと結婚し、閃光族になるという要素が強いので、まんざら無関係ではない。
■卒業後、即結婚。そしてすばやく…
というより、本連載の第8回や第9回で見たように、1970年以降に生まれた「70后(チーリン・ホウ)」の中の<A女>たちが結婚を怖がって婚期を逸してしまっているのとは対象的に、80后のうちの20代前半は、大卒後の就職難も手伝って、卒業と同時に結婚するというのが流行っている。「閃婚族」の中でも、卒業と同時にすばやく結婚するカップルを「畢婚族」と称する。中国語で「卒業」は「畢業」というので、日本語流に訳せば、「卒婚族」ということになる。
2007年4月7日付の中国発展門戸網(網はネット)は、「北京晩報」(晩報は夕刊)(記者:杜新達)の記事を転載している。
それによれば、2006年の北京市における離婚届けを提出した夫婦の数は、24,952組。そのうち5分の1の夫婦が結婚後3年以内に離婚し、3分の1の夫婦が5年以内に離婚し、970組の夫婦は結婚後一年未満で離婚している。1カ月にも満たないで離婚している夫婦は52組。
2006年6月6日という、百年に一度の大吉日に結婚の夢を果たした夫婦でさえ、その中の11組がすでに離婚しており、おまけに、その中の一組は、なんと23日目で離婚届を出しているとのこと。問題なのは、これら「閃婚・閃離」の閃光族のうち、離婚した夫婦の圧倒的多数が「80后」によって占められているということである。これは家庭にも自分自身にも、そして生まれてきた子供にも影響を与え、大きな社会問題となりつつある。
その記事に載っているエピソードを、多少の解説を加えながらご紹介しよう。
■「80后」同士の悲劇が起こる
1984年生まれの筱竹(シャオズー)(女)は大学の学部を卒業すると同時にクラスメートの志強(ズーチャン)(男)と結婚した。
女子学生たちは「高齢になると嫁ぎにくくなる」ということをとても恐れている。しかも自分たちは一応、高学歴の中に入る。だから「結婚できない<できる女>」になるのだけは避けよようと、大卒と同時にサッサと結婚するという道を選ぶ一群が増えてきたのだ。
結婚後のふたりは、就職先における仕事に関しては、個々別々にこなせるのに、家庭生活の中の仕事となると、そうはいかなかった。
まず一人っ子として、小さいころからぜいたくに育ってきたズーチャン(男)は、金遣いが荒く、ひと月の給料を、半月も経たないうちに使い切ってしまい、足りない分は父親からもらうという始末だった。
ちなみに、中国には「月光族」という言葉がある。何のことか、ご想像がつくだろうか。
「月光」だから、夜遅くまで起きているのかと思う方もおられるかもしれないが、そうではない。「月光」とは「その月に入った給料は全て使い尽くす」という意味である。月末には1円もなく、スッカラカン。この「スッカラカン」を、中国では「光」という文字を使って表す。「~し尽くす」という意味だ。ズーチャンは「月光族」よりも、もっとひどい。なんといっても、半月で使い尽くす「半月光族」なのだから。でもまあ、稼がない者もいるくらいだから、稼ぐだけ、まだよしとしよう。
同じく一人っ子として大切に育てられてきたシャオズー(女)は、部屋の片づけをしたりご飯を作ったりといった家事労働に関しては、てんで苦手。
さらに、一人っ子独特の、我(が)が強すぎて譲歩するということを知らない二人は、たとえば、どちらかが新しい携帯を買うことになると自分も新しいのに交換するし、どちらか一方がMP3プレーヤーとかデジタルカメラとかを買うことになると、自分も同じものを買おうとし、パソコンでさえ一人に一台ずつという感じで、何でも対等に持たないと気がすまない。
こんな風だったから、ささいなことで衝突し、結婚1周年記念の日には、すでに離婚証書を手にしていたのだった。
ズーチャンとシャオズーの例は、80后の普遍的現象で、「経済的に自立できない」ことと「家事ができない」ということがその特徴である。

人口抑制の観点のみから、このような自然の摂理に反した一人っ子政策を導入した弊害が大きいようです。では、一般的に言われている問題点を整理してみましょう!
因みに一人っ子政策とは、1979年から中国で行われている人口抑制政策のことです!
(全国一律ではなく、少数民族では2人まで、農村では条件付で2人まで、夫婦両方とも一人っ子の場合2人までetc.)
人口高齢化:2040年頃には60歳以上の老年人口が26%になる高齢化社会の急激な到来。
選択性流産:妊娠→性別判定検査→男→出産or妊娠→性別判定検査→女→中絶手術。このように選択性流産が行われている。中国は、胎児の性別判定検査を厳禁しているが、男児の後継者希望にこたえる意思が後を絶たない。
男女比のアンバランス:上記の結果、男女比のアンバランスを誘い、農村部での伝統的な男子選好は、女子の間引き、捨て子などの人権問題、嫁不足などをもたらしている。中国人口統計年鑑によると、女100に対して、0歳児=男117.25、1歳児=男118.89、2歳児=男118.78、3歳児=男119.41、4歳児=男121.06、5歳児=男117.25 出生男女比は国際的基準で106:100が正常とされている)
結果的に、結婚できない男性が急増!
闇っ子問題:女の子が生まれれば出生届を届け出ないことや、男の子でも第二子なら出産しても戸籍に入れない、いわゆる「闇っ子(黒孩子)」問題も発生。闇っ子などは届け出ないことで学校教育、医療などの行政サービスも受けられない。
過保護問題:中国では伝統的な家庭像は、「多子多福」という言葉のように、大きな家庭で、幼きを慈しみ、老いを敬いながら暮らしていくことが「一人っ子政策」によって変化を遂げた。子供を1人しか作れないから、父母や祖父母の愛情と期待はその子一人に集中しました。これは2人の親と、4人の祖父母が可愛がり「小皇帝」と言われ、指摘されている。
このまま一人っ子政策を進めていけば、歪な人口構成の社会になり、高齢化社会の急激な到来に対応できなくなる怖れがあり、国内でも、制度そのものの見直しが検討されている状況です。
そもそも中国では「多子多福」、子だくさんが福をもたらすという考え方があったようです。50年代には、時の指導者・毛沢東が人口=国力として、人口膨張を促進した結果、49年には5億人に満たなかった人口は、60年代後半には8億人と爆発的に増加しました。このまま人口が増え続けると食糧や燃料などに深刻な不足が生じると予想した中国政府は、70年代から晩婚と少子を奨励。そして79年、一人っ子政策として政策化されたのがことの経緯です。
婚姻に関する制度や規範は、その時代時代における社会(=外圧)状況によって大きく規定されるものです。本来は集団にとってどのような形態が望ましいのかということも自ずと集団内で共認されて制度・規範化されていく事になると思います。しかし、その制度の前提になるのはきちんと集団内での共認が図れていることになりますが、巨大である集団の場合、一方的に制度化するということしか出来ない状況となるのは明らかです。で、結果、みんなの意識とは乖離した制度となり、守られないことになるんだと思います。そもそも子供が必要であるというのも集団における役割から求められるものだと思います。単に子供が多い方が幸せというのも違うように感じました。生まれるのもみんなの期待を受けたものだからこそ、みんなに祝福されるのであって、それが個人ベースでの期待である以上、役割や期待も少なく、本当に必要なのかという根本的な問題に行き着くように思います。
また、中国の場合は大部分を占める漢民族の他に、55の少数民族が存在し、いろんな婚姻の歴史を有しています。もともと儒教中心の国家から騎馬民族の侵略に晒され、比較的短い周期で国家が入れ替わるのも中国という巨大国家の特徴的です。一方で少数民族の中には、このブログでも紹介されている納西(ナシ)族の一支族であるモソ(摩梭)人は、今でも母系社会の形態を維持していることが知られていたりします。このような部族が存在するのも国土が広大がゆえ外圧状況が全体に一応に働いていなかった事を表しているとも読み取れます。
戦乱による厳しい外圧状況下で、集団を統合していくことは非常に重要な課題です。その集団の最基底部を成す男女の関係も当然、時代で変化しています。今後について、中国の歴史を遡って追求していく必要がありますので、是非、楽しみして下さい
by 復讐の叫び

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アフリカ・ケニアに暮らすマサイ族も、現代の私たちからすると奇妙に感じる性習慣を持ち、現在も暮らしています。
マサイ族の男女間にはスキンシップの習慣がなく、性は生殖のための行為に特化しており、充足を得るためのものではないようです。
さらに、女性は結婚前に女性器を切除する風習があり、性充足を封鎖していきます。
一見理解し難い性風習ですが、マサイ族は誰もがその性規範を共認し、部族として存続し続けて来ました。
性充足を求め、それが個人の自由な性として認められていると考えてきた私たちですが、その行き着いた先が性の衰弱、セックスレスの蔓延であったことを考えると、現在の性のあり様を正とすること自体が間違っているのではないかと感じます。
現実の様々な部族の性を知る中で、人類本来の性とはどのようなものか、婚姻様式=集団の性規範はどのように決まっているのかを学んでいきたいと思います。

  • sinkawa
  • 2009年10月3日 18:49

今後の社会の可能性を見出すには、人類が外圧にどう適応
し、どう集団・社会を築いてきたかを見て行くなかで
見えてきそうです。
そう言う意味でこの投稿のように原始共同体や未開部族の
事例を挙げ、一つ一つの集団についてそこに掛かる外圧は
何か、その外圧にどういう規範(集団、婚姻規範)で集団
を維持してきたかを整理していくことが必要だと思います。

  • mukai
  • 2009年10月3日 18:49

現在見られる世界の性習俗や婚姻様式は、歴史のある時点での適応的なかたちであって、普遍的なかたちではないと思います。
生物が外圧に適応するために変異するように、人類集団の適応様式である性習俗・婚姻様式も常に変化していくものでしょう。
世界に見られる様々な婚姻様式についても、このような視点で見る必要があると思います。これは、未開部族に限ったことではなく、現在の私たちも同様ということです。

  • hayabusa
  • 2009年10月3日 22:28

ニューギニアのトロブリアンド島では、性は肯定的に扱われています。
娘は性交に束縛はなく、幼い頃から性的遊戯にふけり、女は6~8歳、男は10~12歳から本格的な性生活を始めます。
12~13歳で母親から性交のテクニック等を教わり共に奔放にセックスを楽しむそうです。
人類学者、マリノフスキーの報告では、トロブリアンド島に関して、「子供たちは年長者の性生活について、多くの事を見たり聞いたりする。
親たちは、せまい家の中でかくれるところもないので、
子供たちは性行為について、自分自身の見聞で知る機会をもっている。」
とあります.
性には肯定的で、集団で認め合っていることがわかります。

  • Hikaru
  • 2009年10月6日 20:52

私もボス集中婚の風習を残す部族として、アポリジニー(オーストラリア原住民)を調べたことがあります。
確かに私たちの常識から考えると、考えられない習慣にも多く出会い、驚きの連続ですが、反面資料そのものが著者の常識が混じって書かれていることもあり、資料を読む私たちにも論理整合をしながら、確認していく作業が必要ですね。
もう一つ重要な点は、同じ部族であっても過去、環境の外圧の変化などで、それ自体が変化していっているということです。
特に西欧人が侵入してきた近世から近代は人為的外圧も加わり、要注意ですね。

  • 匿名
  • 2009年10月12日 18:09

こんにちは、またブログ覗かせていただきました。また、遊びに来ま~す。よろしくお願いします

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