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2009年07月16日

中国の同化政策=婚姻政策とは? ~ウイグル紛争より~

gazou.jpg
「ウイグル族女性赤ちゃん」(画像はこちらよりお借りしました)
シリーズ「近現代の世界の婚姻制度の変遷」。
前回「中国の結婚事情」に引き続き、今回も中国について見ていきます。
前回は、現代中国の結婚事情(閃光族)の背景に、中国政府による強力な婚姻政策(一人っ子政策)があることを見てきました。
そこで今回は、「ウイグル紛争」を切り口に、中国の同化政策=婚姻政策について見ていきたいと思います。
↓↓まず、いつものをヨロシク。


ありがとうございます。

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●ウイグル紛争とは?
ウイグル紛争とは、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区における中国政府とウイグル人の争いで、つい最近(2009/07/05)も、自治区首都ウルムチで紛争がありました。(YAHOOニュース)(新疆ウイグル自治区_Wikipedia
新疆ウイグル自治区は「中国の火薬庫」と言われ、中国政府とウイグル人の争いは双方一歩も引かずますますエスカレートしているようです。
果たしてこの対立の本質は何なのか?なぜここまで激化するのか?その構造を探っていきながら中国という国の本質に迫っていきたいと思います。
●対立の基本構造
・中国政府 :土地(資源)・他民族を支配したい
VS
・ウイグル人:土着の土地・自民族を守りたい(中国支配から独立したい)
中国のねらいは、ウイグル地区の豊富な天然資源(石油・天然ガス等)の獲得のようです。(「中国がウイグルを弾圧する理由」より)
●対立の経緯:ウイグルが「中国の火薬庫」と言われるのはなんで?
「Column of the History6.中国の火薬庫、「新疆ウイグル自治区」 (1997.3.31)」より、以下抜粋紹介します。

中国の西部辺境、新疆ウイグル自治区。この中央アジアの要衝の地は、その名が語る通り、元々はウイグル族等トルコ系民族の土地でした。皆さんはトルコと聞いてまず連想するのが、イスタンブール、ノアの箱船が漂着したと伝わるアララト山、トルコ行進曲等ではないでしょうか? 確かに現在のトルコはアジアとヨーロッパとの狭間に国土を構えています。しかし、かつてのトルコ(テュルク族)はモンゴルから中央アジアの広大な地域に暮らしていました。現在、「トルキスタン」と呼ばれるこの地域の語源は、その名の通り、「トルコ人の国」を意味しています。そして、トルコ民族の一派、ウイグル族も又、このトルキスタンにかつて国を持っていました。
ウイグル族が歴史の表舞台に登場するのは、744年。同じくトルコ系の突厥(テュルク)帝国より独立し、ウイグル(九姓回鶻)帝国を建国した事に始まります。翌745年には突厥帝国を滅ぼし、やがて、モンゴルからトルキスタンにかけての広大な地域に覇を唱えます。その後、ウイグル帝国は中国本土の唐が安史の乱鎮圧の為、派兵を要請してきた際、チベットの吐蕃と共に唐の首都長安に派兵し、以後、中国本土に対しても一定の軍事プレゼンスを行使するようになります。しかし、これはウイグル帝国にとっては諸刃の剣でした。東アジアの大国、唐の影響力低下は抑圧されていた周辺諸民族の民族意識を触発し、やがて各地に相次いで独立国を誕生させます。これはソビエト連邦が崩壊し、中央アジアにカザフスタン・キルギスタン・タジキスタン・ウズベキスタン等の独立国を生んだのと状況は同じです。そして、この後、西夏・モンゴルと言った独立国に相次いで従属する事になるのです。
(中略)
モンゴル帝国滅亡後の東トルキスタンは、エルート(衛拉特)部・その後身のジュンガル(準部)帝国やホシュート(和碩特)部と言ったモンゴル系の王国によって相次いで支配されました。そんな中、ウイグル族は「黄頭ウイグル」の名で清代初頭迄、東トルキスタンの地に遊牧しますが、清朝の乾隆帝によって東トルキスタンが征服されると、「新疆」(「新たなる領土」の意味)と名付けられ、ウイグル族も又、清朝に帰属する事になったのです。
そして、1912年、辛亥革命によって満州族の王朝、清朝が崩壊すると、崩壊前夜から反抗的だった「新疆」のウイグル族(イスラム教徒)達は再び、国を持とうと立ち上がります。そして、1933年には「東トルキスタン・イスラム共和国」を、1944年には「東トルキスタン共和国」を相次いで建国します。しかし、国共内戦を勝ち抜いた中国共産党が「中華人民共和国」を建国すると、清朝時代の領土を回復しようと、満州を、内蒙古を、チベットを、そして、ウイグル族の住む「新疆」をも併合し、「新疆ウイグル自治区」と改称します。こうして、満州族から「解放」されたウイグル族は、今度は漢族によって再び支配されたのです。
現在、「新疆ウイグル自治区」のウイグル族は危機的状況にあります。新中国への併合後、この地には漢族が大量に移住し、ウイグル族から職を奪っているのです。更に、ウイグル族はその民族としての「純血」性も漢族との通婚等で次第に失われ、今や「民族」は滅亡の危機に瀕しています。その様な危機的状況に対し、ウイグ人過激派や亡命ウイグル人組織は、北京の中央政府との全面対決の時期を模索しています。

●中国政府による同化政策(民族浄化政策)とは?
「JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■(伊勢雅臣)」より、以下紹介します。

中国のウイグル民族浄化政策
初来日したウイグル人の人権活動家、ラビア・カーディルさん(60)は、産経新聞と会見し、中国政府がウイグル人を漢民族に同化させる政策を強化していると非難した。
ウイグル人は中国国内では新疆ウイグル自治区を中心に900万人ほど住んでいるといわれる。ラビア・カーディルさんは「7~14歳の子供が漢民族地域に連れて行かれ、教育、洗脳を受けている。漢民族地域で教育を受けると、ウイグルの言葉が話せなくなる。現在は年間1万人ほどだが、今後5万人に増える」と中国の「同化政策」を批判した。ウイグル人女性が自治区外への就労を強制されているとも改めて告発した。[1]
カーディル女子は、来日直前に米院人権議員連盟の会合で、中国当局が新疆ウイグル自治区で進める若いウイグル人女性40万人を対象とした組織的な域外就労について報告し、労務対策に名を借りた中国への文化、民族的な「同化政策」として警鐘を鳴らした。
就労先は天津、青島(山東省)など中国沿海部の都市で、15~22歳のウイグル人女性が対象となっている。第11次5カ年計画(06~10年)の間、計40万人を自治区外に労働力として送ることが目標とされる。
対象の村では、「各戸から5年以内に最低ひとりの域外就労を」といったスローガンが掲げられるなど、実質的なノルマ制がとられる一方、女性が地元に逃げ帰った場合には、3000~5000元(1元=約15円)の罰金が科されるという。
就労先は縫製工場など。見習い期間後は900~1100元の月給が支払われる約束だが、カーディル氏は「事態はまったく違う」として、日常的な12時間労働や不衛生な宿舎環境など、ひどい待遇を非難した。
中国共産党カシュガル地区委員会の史大剛書記は、この就労政策を「農村労働力の移転」として、今年4月の地元会議で大胆な推進を表明。「ウイグル族の外部就労を妨げる者は、カシュガル、ウイグル民族の罪人である」として、抵抗の排除を訴えていた。
政策の狙いについてカーディル氏は、(1)安価な労働力確保と潜在的な売春の予備軍化(2)中国文化への同化策(3)ウイグル人女性と同族男性の婚姻を抑える一方、多数派である漢族男性との婚姻機会を広げる(4)自治区内でのウイグル人比率の低減-を指摘した。[2]
子供を漢民族地域に連れて行って洗脳。女性も沿海部に送って、漢族男性との婚姻を進める。ウイグル民族を漢民族の中に同化・吸収してしまおうという中国流「民族浄化」政策である。

なんと! この同化政策とは、「一人っ子政策」前回記事とセットの婚姻政策ではないでしょうか?!! (一人っ子政策の結果結婚からあふれた漢民族男性と、ウイグル人女性との婚姻を誘導する。)
そして現在、この同化政策は着々と進んでいるようです。
(以下、櫻井よしこブログ「中国共産党が歪曲発信してきたウイグル族弾圧の事実」より。)

55年に東トルキスタンは、中国共産党によって新疆ウイグル自治区とされた。
「途端に漢民族の大移住が始まりました。50年に30万人だった漢民族は99年には、彼らの統計で約690万人、23倍に増えました。これでも過小評価です。私たちの統計ではウイグル自治区の人口は漢民族2,000万人、ウイグル族1,500万人。まさに漢民族に席巻されているのです」

このように、中国の同化政策とは、人類社会の最基底部をなす婚姻制度に掛かる政策であり、婚姻(自民族の子供を産ませること)により民族をDNAレベルから変革していく、まさに根底的な支配戦略と言えそうです。
皆殺しではないが、じわじわと他民族を自民族に同化・融合させてくという支配戦略。他に例を見ないほど極めて特徴的な戦略です。例えばキリスト教(ローマカトリック)支配は観念支配(→一対婚化→奴隷化)であるのに対して、中国の同化政策は、より直接的に肉体的に婚姻(性)を支配してしまう政策であることが見えてくるのではないでしょうか。
それにしても、なんで中国はそのような政策に走るのだろうか?このような同化政策=婚姻政策を強力に推進する中国(漢民族)とは、いかなる国(民族)なのか?その歴史的背景について、さらに追求していきたと思います。
読んでくれてありがとう。 🙂

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確かに、お金や地位の為に働く意欲が出ないということは、充足できる仕事がしたいという「充足基調」に若者が変わってきたと言えます。
意識の変化は、主に世代交代によってもたらされると言えます。
つまり働き手の半数近くが、貧困が消滅して物充足の社会に育った世代に交代しており、私権収束の力が弱く(≒欲しく物がない)なって来ている世代なのです。
そして、若者中心に新たな仲間中心の社会に作り変え始められようとしています。
仲間中心の元来の共同社会に回帰する流れの「兆し」が出始めています。
そしてその中心は、安定や子育て空間を求める女性たち発が多い様です。
今の社会システムでは、男も女も学校に行き会社で働き、男女役割があまり明確ではありません。
社会の課題が明確になってくれば、それを乗り越える為には、男と女の役割が明確となるべきだと思います。その兆しが見え始めたのだと感じました。

  • 猪飼野
  • 2009年10月17日 16:22

>充足可能性の実現によって形成された充足基調を母体にして、闘争可能性が芽生える。
闘争というと「現状の不全や逆境を突破する!」という、いわば現状打破のイメージが強かったので、充足発の闘争と言う概念はとても新鮮です。
不全発、否定発ではなく、潜在的な充足可能性を実現するために認識構築して行くことがこれからの闘争である、という内容はとても頷けます。

  • yama33
  • 2009年10月17日 16:39

>☆充足の実現基調、闘争の実現基調、両者相まって実現基調を形成している。
充足の実現基調は女原理。
闘争の実現基調は男原理。
女原理と男原理が相まって実現基調。
これでようやく人類も雄♂と雌♀に分化したことの意義が顕在化するのだと思います。

  • R
  • 2009年10月17日 17:32

現代の若者に顕著なのは、相手に遠慮し、期待の掛け方が下手(?)なこと。
しかし、「期待されたら嬉しい」というのは、誰しも感じるところ。表立ってそう思えなくとも、心の深いところではそう感じていると思います。
そういった潜在思念で感じている思いを素直に表そうという流れが、「充足基調の顕現」なのでしょう。
だからまず現代の男女に必要なのは、互いに遠慮なく期待を掛け合い、それに応じ合うことで得られる充足の場。
期待を掛けあい、それに応えることで充足を得る体験を積み、それによってもっといろんな期待に応えたいという、課題の実現欠乏→闘争基調が生まれるということなのではないでしょうか。

  • 戌年
  • 2009年10月17日 17:46

>・現代の男女にとって重要なのは、実現の可能性が高い充足の場を作り、充足基調をまずは形成すること。
私権統合によって共同体はバラバラに解体され、人々は同時に共認非充足の存在となってしまった。
しかし私権観念も崩壊した現在、まずは充足基調の流れに乗って共認充足の場を再構築させることが必要。
統合不全や社会不全など、現状は答えがないので課題捨象の充足基調で個々人が止まっている状況、それは男も女も変わらない。
だからこそ、男女で実現可能性の高い充足の場を作り、充足基調から闘争基調を生み出していく必要があるのだと思う。

  • オールグリーン
  • 2009年10月17日 23:30

猪飼野さん、
コメントありがとうございます。
>男と女の役割が明確となるべきだと思います。
確かにそうですね。
男女の役割が明確になるには、互いの課題共認が不可欠だと思いました。
今の収束不全状況では見えにくいものでもありますが、その萌しが見えてきたことは明らかですね。

  • minene71
  • 2009年10月20日 22:30

yama33さん、
コメント有り難うございます。
>闘争というと「現状の不全や逆境を突破する!」という、いわば現状打破のイメージが強かったので、充足発の闘争と言う概念はとても新鮮です。
闘争の中身が違うのは、不全の中身が昔に比べて大きく変化したという事ですね。
私もこの認識は新鮮に感じました。

  • minene71
  • 2009年10月20日 22:36

Rさん、コメントありがとうございます。
>これでようやく人類も雄♂と雌♀に分化したことの意義が顕在化するのだと思います。
そうですね。男女の役割が全うされてこそ、社会が上手くまわるのだと思います。
その前提として、新しい認識による男女の役割共認は不可欠ですね。

  • minene71
  • 2009年10月20日 22:43

戌年さん、こんにちは。
>現代の若者に顕著なのは、相手に遠慮し、期待の掛け方が下手(?)なこと。
やはり、若者は相手に期待を掛けるのが下手なのでしょうか・・・。
充足の「場」さえあれば、むしろ期待掛けは上手なのでは?と思うことがあります。
ともあれ、これからは共認充足の「場」の再生が重要になってくるのでしょう。

  • minene71
  • 2009年10月20日 22:45

オールグリーンさん。はじめまして。
>現状は答えがないので課題捨象の充足基調で個々人が止まっている状況、それは男も女も変わらない。
確かにそうですね。充足基調のままでは何も生み出せない・・・。
しかし、課題捨象していても全な充足も得られないことには気付き初めているはず。
要するに、充足の場に参加or創る用意はもう出来ているという事ですね。

  • minene71
  • 2009年10月20日 22:50

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