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2009年09月17日

日本人の言葉と共認内容~①縄文語について

『プロローグ』“>に続いて『日本人の言葉と共認内容』シリーズを始めていきます。今日はまず「日本語の起源~縄文語」について押えておきたいと思います。
漢字を輸入する4~5?世紀まで日本語には文字が無かったようですが、話し言葉としての日本語=やまとことば(倭語・和語)があったのは事実のようです。
このことは漢字を輸入して以降も(元の漢読みや呉読みに近い[音読み]とは異なる)[訓読み]で『漢字を訳していた』ことが証明しています。古事記など漢字を使って書かれた書物も、神話など[やまとことばによる言い伝え=口承]を書き取ったものです。
では、その「やまとことばはどうして生まれたのか?」ですが、このあたりが混沌としています。「日本語の起源」については色んな学界で追求されているようですが、『日本人の起源は言語から探れるの?』で紹介された『日本語の起源研究の状況』のとおり、「定説と言えるものはまだない」ようです。
★本稿では一歩踏み込んで、[やまとことばの成立過程]について仮説を立ててみたいと思います★
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日本にやってきた時期の人類はすでに(約7.5万年前から)ことばを話していたため、ゼロから日本で生み出されたと考えるよりは、最初に日本に住みついた人類たち≒縄文人が使っていた[縄文語]が、後の渡来人の言葉の影響も受けながら変化して[やまとことば]になったと考えるのが自然ではないか?と考えます。
よって、縄文早期に日本にやってきた大陸北方出自の人々が話していた言葉=現在満州~北東アジアで話されているツングース諸語とルーツを同じくする言葉が、縄文語の母体であり、日本語の(比較的変化しにくいと言われる)文法要素がツングース諸語と似通っているのは、このためと考えます。
(これは『縄文人の出自は北方か南方か』で提起された>縄文人(Y染色体DNA分類のC3&D2系統)は、北方出自であるという仮説<とも整合します。)
そして、その後、南方からも渡来してきた人々の言葉=現在ポリネシアなどで話されているオーストロネシア諸語の起源とされる中国南部で使われていた語彙が加えられ、更に、弥生~古墳時代に渡来した東アジアの人々の言葉も塗り重ねられて[やまとことば]ができあがった、ということになります。
同様の提起がるいネット『南方か北方かを言葉からみる』にあったので紹介します。

 縄文の時代から、現代の日本人のこころの深層にまで脈々と受け継がれているものは何なのか? そんなものは私権時代そして近代観念の時代に塗りつぶされ、もう呼び起こすよすがもないほど、はるかかなたに消え去ったのか?
・・・あれだけ長期にわたって継続した文化が完全に消滅するはずは,無いのではないか?・・・日本人は、(明治政府がこの名をつけるまでは、こんなものどこにも存在しなかったと言うほど、異民族を意識することなく、ある意味ではのほほんと)この日本列島に存続してきました。 ということは日本語の中には縄文のこころが残っているのかもしれません。
南方から、北方から(あるいは未明のルートから)渡来したモンゴロイドが、日本列島の広葉樹・照葉樹の森に適応し、文化的にも、血の上でも融和し、交わったのが縄文人なのでしょう。 であるとすれば、その出自を示すDNAに関わらず、日本列島の森が生み出し~育んだ固有種が縄文人ともいえるでしょう。
以下は、縄文語の復元をされている 国立民族学博物館 崎山 理 教授の研究を紹介するHPからの引用です。
>ところで、縄文語はどのような言葉であったのか。
これまで日本語はいろいろな言葉と比べられてきたが、日本列島周辺の言葉のうち、となりの中国語、韓語・朝鮮語、日本国内のアイヌ語などは日本語とまったく系統的関係がないことが明らかになっている。逆にいえば、これらの言葉はそれぞれが独自の長い歴史を持っていることを意味する。
そして比較研究の結果、現在、日本列島をはさんで北と南に大きく広がるツングース諸語とオーストロネシア諸語が日本語を産みだした最有力候補で、縄文時代中期以降、これらの言葉が日本列島でたがいに接触し、その後、混合することによって現在の日本語の母体を形成したことが分かってきた。
このようにして、日本語の中の単語の多くはオーストロネシア語に、助詞や助動詞という文法要素は大部分をツングース語に負っていることになるが、奈良時代までまだ盛んに用いられていた接頭語はオーストロネシア語の要素を受け継いでいる。・・・<引用終わり
—どうも,縄文のことばは、南方と北方の言葉の融合したもののようですね。
—また縄文語は、現在の日本語ときわめて近い音を持っていたようです。
—そして親族を呼ぶ名詞は、父と伯父・叔父が同じアヤ,母と伯母・叔母が同じイネ,弟・妹・いとこ(年少?)が同じオト,兄・姉・いとこ(年長?)がイエ,祖父・祖母が同じノノとなっており、採取民族の総遇婚的な婚姻制・家族形態を想起させます。
崎山教授による(復元)縄文語の言葉(名詞)は以下のとおりです。
現代語|縄文語
---------
●体の部位   
・髪 | カミ
・顔 | トゥラ
・耳 | ミミ
・鼻 | パナ
・唇 | ピル
・手 | タア
・胸 | ムナ
●動物
・犬 | イナ
・猪 | ブイ
・熊 | クマ
・蛇 | ムイ
・鳥 | ドリ
・魚 | イワ
・貝 | カピ
●自然
・空 | アマ
・海 | ワタ
・山 | ダマ
・星 | ボツィ
・雪 | ドキ
・雷 | グル

※引用元ホームページはリンク切れのため私が割愛しました。
やはり、日本人の本源性と可能性は、縄文以来「ことば」を介して受け継がれてきた共認内容に宿っているのだと思います。

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comments

遊牧に転換し略奪闘争に至るまでの流れが、こういった因果関係を押さえた図解にすると、解りやすくなりますね。
婚姻制度=婚姻規範の背景には様々な要因があることが良くわかりました。
続きも楽しみにしています。

  • マニマック
  • 2010年1月7日 22:25

こんにちは、マニマック さん。いつもコメントありがとうございます。
>婚姻制度=婚姻規範の背景には様々な要因があることが良くわかりました。
約6000年前に始まる略奪闘争を境にして、婚姻制度だけでなく社会全体が大きく変わります。
今の社会や婚姻制度は、この略奪闘争に連なるもの。今の社会と略奪闘争以前とは大きな断絶がありますね。
様々さ制度が行き詰まりを見せる現在、それらがどのような歴史的背景から作られたのかを明らかにすることはますます重要になります。
続きも楽しみにしてください。

  • さいこう
  • 2010年1月9日 21:16

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