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2009年11月04日

本格追求シリーズ1 人類の”性”の本質を探る<人類にとって性とは?(3) 生産様式の変化と婚姻形態の変化>

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画像はコチラよりお借りしました。
前回記事「本格追求シリーズ2 人類の”性”の本質を探る<人類にとって性とは?(2)> 極限時代の人類の性2」で、

この極限時代の婚姻様式はその後の外圧状況の変化に応じて無限に組み換えられています。

とありましたが、実際にその後、外圧状況の変化に応じて人類の婚姻様式は無限に組み替えられていくことになります。それを、生産様式との関連から見ていこうと思いますが、まずは前提となる外圧条件の変化から押さえていきます。
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約1万年前、観念機能の進化によって弓矢を発明した人類は、動物と互角以上に闘えるようになり、そのことによって外圧が一段階低下します。

しかし、外圧が低下すると集団統合力が低下し、規範収束力も低下してゆく。同時に、外圧の低下につれて解脱収束(中心は性充足の欠乏)が強まってゆく。更に、集団規模が拡大したこともあいまって、原モグラ以来1億年に亙って踏襲してきた首雄集中婚を維持することが困難になっていった。


その後、採集生産・狩猟生産という生産様式の違いによって、婚姻形態は全く別のものとなっていきますが、それぞれについて見ていきます。
■採集生産

東アジアの黄色人(モンゴロイド)をはじめとして、世界人口の過半を占めていた採集・漁労部族は、仲間の解脱収束→性欠乏の上昇に対して、皆が心を開いた期待・応望の充足を更に高める方向を目指し、部族内を血縁分割した単位集団(氏族)ごとの男(兄たち)と女(妹たち)が分け隔てなく交わり合う、総偶婚規範を形成した


更に、その後、

同類闘争の緊張圧力が高まると、再び集団統合力を強化する必要から、氏族ごとの閉鎖性を強め分散力を強める兄妹総偶婚は廃止され、部族内で定められた他の氏族の異性たちと交わり合う交叉総偶婚に移行してゆく。


というように、更に外圧が変化すればそれに応じて婚姻形態を変化させていくことになります。
また、そこでの人類にとっての性、つまり男女の役割は、

採集部族では、弓矢を持った男たちが防衛する(狩猟もするが、獲物は少ない)安全域で、女たちが主要な食糧を採集する。


ということになっていますが、

それでもなお男たちの期待の中心は性であり、従って女たち自身にとっても、自分たちの中心的な役割は性役(男たちに性的充足を与えること=自らの性的充足を得ること)であった。


■狩猟生産
一方、狩猟生産では、

ヨーロッパの森林地帯に留まった白色人(コーカソイド)をはじめとする狩猟部族は、その狩猟という生産様式から、まだまだ強い闘争圧力を受けて強い集団統合力を維持し続けており、その結果、首雄集中婚の規範が長く残り続ける。しかし、外圧の低下によって次第に解脱収束が強まり、集団規模も拡大してゆく。そこで狩猟部族は、首雄集中婚を踏襲しつつ、首雄=族長という資格を一段下に拡張した勇士集中婚を形成していった


しかし、この勇士婚の下での人類の性は、

首雄集中婚や総偶婚では集団規範によって性(婚姻)の相手は決まっており、従って娘たちは12歳前後で、思春期を迎えるや否や直ちに性関係に入ってゆく事ができる(=女の最大欠乏たる性的役割欠乏が充足される)のに対して、人工的な勇士婚では相手は決まっておらず、勇士が決まり婚姻が決まるまで、娘たちの性欠乏=存在理由欠乏は宙に浮いてしまう


という問題を生み出すこととなります。
また、その後、現代に至るまで実に様々な婚姻形態が世界中で見られます。るいネットでも、「驚きの婚姻史」というカテゴリーに事例等の投稿がたくさんあるので、少し紹介します。
●原始婚と性風習(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=16552)

ポリネシア マガイア
性的活動を抑制することは、身体的に害をおよぼすとみなされる。男性は相手を興奮させるために性器を変工したり、結婚するまで10人以上の女性と性経験を持つ。女性は、最も強烈なエクスタシーを体験した相手を配偶者に選ぶ。婚外性交は公には禁止。女性は、最初の男性または夫が性的義務を果たさない場合は他者を相手にすることは認められる。
アイルランド イニスビーグ
性行動を気が咎める罪深い行為であるとし、夫婦間にだけ許され、女性は性交を子供をつくるために我慢しなければならないけれど、虐待の一種とみなしている。あらゆる性的活動を抑制し、罪悪視し、否定することにエネルギーを費やす。

●『日本婚姻史』の概略(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=22931)

3世紀頃になるとクナド婚に変革が起こり、男が女の部落へ通う妻問形態の個別婚が生まれる。妻問婚(母系制的対偶婚)は、身柄や生活の拠点は各自の氏族にあり、夫は妻方に通ったり(別居-妻問い)、滞在したり(妻方同居-婿取り)するが、その結合は弱く離合が容易である。

ここまで、様々な婚姻形態を見てきましたが、重要なのは婚姻形態は常にその時々の集団にかかる外圧に規定されているということ
です。その外圧に適応するように、少しずつ婚姻形態を組み替えていきます。また、婚姻形態が変われば当然、性のあり方も変化していくこととなります。
このような複雑な婚姻形態を可能成らしめるものは人類だけが持つ、観念機能・共認機能に他なりません。つまり、集団のおかれた外圧に適応すべく婚姻形態を自在に組み替え、そのシステムを集団で共認することによって、そのシステムを機能させているのです。
このような複雑かつ柔軟な形態は人類しかとり得ず、皮肉ではありますが現在の日本における婚姻規範の混乱も、このような機能があるからこそとも言えます。
しかし、このことが示唆することは、単純でしょう。つまり、現在の社会情勢・意識状況に合わせて観念内容=形態を組み替え、共認することが現在求められることであり、そのために観念機能を駆使し、追求していく必要があるということです。

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和製漢語の多いのには驚きます。日本企業が進出した当時(’80年代)は、日本企業の管理者が沢山の和製漢語を創造しました。その当時は品質管理等の本は北京大学から出版された一冊でした。いまの中国を考えると夢の様でございます。

  • hangui
  • 2010年2月15日 08:46

hanguiさんコメントありがとうございます。
’80年代にも中国に進出した日本企業の社員が、ものづくりを先導するだけでなく、新しい漢語まで創造していたというのは驚きです。
本場、中国人以上に使いこなすことができるところまで、漢字と格闘~国語化してきた成果ということでしょうか?
中国国内での造語はどのように行われてきたのか?ご存知あればまた教えてください。

  • nandeyanen
  • 2010年2月18日 21:07

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