2011年03月15日
日本人の起源を探る 4~縄文時代以前から複数のルートで移住してきた?
1 ~シベリアからの狩猟部族(替え刃式砕石細石器)
2~2万年前に南からも移住していた
3~スンダランド海洋航海民の誕生
こんにちは。
これまで日本人の起源について、北方起源、南方起源の両面からの内容でお伝えしていますが、
今回のテーマは“縄文時代以前から複数のルート移住してきた?”です。
あれれ、、、複数ルート??
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るいネットより
5万年前スンダランドで独自の進化を遂げていた人類は、北や南へ拡散していきます。オーストラリア原住民の祖先は、4万年前にはスンダランドから海を渡っていました。スンダランドから北上した人類が東アジアに達するのは2.5万年くらい前とされています(ここまでは北方適応していない)。さらにシベリアに達し北方適応するのは2~1万年前です。
“縄文人”とは以上のうちの「どこかからこの頃に」海を渡って本土にやってきた部族の総称と言えるでしょう。ここでは上記の北上過程を当時の地形図に重ねてみて、海流や対岸の距離などから、日本本土への渡来ルートとして有力と考えられる案を、時系列に整理してみます。
■1.【4万年前以降】
スンダランド付近(東南アジア)から黒潮に乗って海を北上し、台湾や南西諸島を経由して九州や
四国、本州南岸に辿り着く。
■2.【3.5万年前】
海沿いに北上する途中(江南地方あたり)から黒潮に乗って北上し、台湾や南西諸島を経由して
九州や四国、本州南岸に辿り着く。
■3.【3万年前】
海沿いに北上する途中、中国東岸から東シナ海を渡り九州西岸に辿り着く。
(このルートからは朝鮮半島南部にも辿り着くはず)
■4.【2.5万年前】
朝鮮半島の付け根を横切って北上し、半島東岸部から親潮に乗って本州、北陸地方沿岸部へ
辿り着く。
■5.【2.5万年前】
朝鮮半島を一旦南下し、半島南岸部から対馬を経由して本州、山陰地方沿岸部へ辿り着く。
(後の弥生人の大量渡来と同じルート?)
■6.【2~1万年前】
シベリヤから、樺太~北海道を地続きに南下し津軽海峡を渡って青森に辿り着く。
≪ここが北方適応か否かのポイント≫
■7.3500年前以降
寒冷化に伴い北東アジアから南下する過程で、5・6と同じルートで本土へ辿り着く。
(中国や東南アジアにも北方適応部族が増える)
以上、縄文時代以前から日本本土にいた人々は、概ね同根の南方部族であり、6以降、縄文時代に入ってからは、北方適応部族の渡来もあったと考えられます。
(しかし5以前のルートからの渡来も途絶えたわけではない)
こうして日本本土内で“様々な出自の部族”が、地域によって一定の傾向を示しつつ同時期に共存していたのが、縄文期本土の部族分布状況なのでしょう。
●これまでも日本の古い遺跡がいくつか紹介されていますが、再度整理してみましょう。
この他にいくつもありますが、確かに遺跡からは北方系も南方系も見られるようです。
・5.0~3.0万年前 長野県竹佐中原 800余点の石器
・4.8~3.3万年前 長野県野尻湖周辺 国内最大級ナイフ型石器
・3.5万年前 東京西之台B、中山谷 南方型の礫器、剥片石器、錐状石器
・3.2万年前 沖縄県山下洞人 南方系
武蔵野台地 神津島産黒曜石
・3.0万年前 種子島立切、横峯B 南方型石器
・2.6万年前 宮古島 ビンザアブ洞人
・2.4万年前 鹿児島耳取遺跡 石鏃・礫群、日本最古?のヴィーナス像
・1.8万年前 港川人 南方系
●では次に、石器文化がどこからやってきたのか見てみましょう。
まずは、全体像として東アジアの石器文化の分布と推移について。
大きな流れとしては、ナイフ形石器文化1→ナイフ形石器文化2→細石刃文化と進んでいます。
図はこちらからお借りしました。
●北方系の流れ
東アジアの石刃技術にはシベリア型と華北型があると言われています。
ナイフ形石器文化1の段階では、主に樺太からシベリア型(バイカル起源)が南下。
次に約2万年前のナイフ型石器文化2の段階では朝鮮半島経由で華北型が流入し、
1.3万年前には樺太経由でバイカル型の細石刃が東日本に入り、
一方西日本には朝鮮半島経由で華北型の細石刃が流入しています。
図はこちらからお借りしました。
北方系といってもシベリアから、華北からと段階的に入ってきているわけですね。
●次に南方系を見てみると、
図はこちらからお借りしました。
35,000年前には黒潮に乗って南方型の石器文化が入ってきており、
第2弾として25,000年間頃から沖縄などを中心に南方型が入ってきています。
●以上のように、日本人の起源は北方あるいは南方というのではなく、
同時期に北方系も南方系も、しかも複数ルートで日本にやってきた、というのが事実のようです。
今回は土器分布を中心に見てきましたが、次回からは遺伝子解析から分かってきた起源論についてお送りしていきます。
土器分布に加え、遺伝子解析の内容を塗り重ねることによって、いつ頃、どのような民族が、どのようなルートで日本にやってきたのか、より詳しく分かるものと思います。
次回に期待!!
- posted by nishipa at : 2011年03月15日 | コメント (3件)| トラックバック (0)
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comments
この図解を読んで思いましたが。。。
変わっていった過程とか、繋がりとかがまだ「謎」なところがありそうですね^^
シリーズに期待してます!!
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