2020年04月16日
今回のコロナ禍でグローバル社会から共同体社会へ転換するのか? -1.コロナウィルスによる意識潮流の変化
コロナ禍は拡散の一途をたどり、ついに日本全域に非常事態宣言が拡大された。政府や自治体からはしきりに不要不急の外出自粛が要請され、企業にとってもテレワークや自宅勤務、学校は休校となり、「巣ごもり」現象あるいは「コロナ疲れ」という言葉が飛び交う。このような状況の中、ひとびとはメディアとその発信者たる政府・自治体への疑問視が高まり、冷静に情勢を見つめつつ、根底的な意識が変化しているようだ。今回はその一端を探る。
■人は目的ひいては希望を喪失することに我慢できない-自宅待機という苦痛が蔓延
「人との接触機会を8割削減家庭や企業の意識に変化が」
より引用。
行動経済学が専門で非常時の市民の行動に詳しい、京都大学の依田高典教授は、人と人との接触を8割減らす政府の呼びかけについて、今後、接触を減らす取り組みをどう継続させていくかが課題になると指摘しています。
依田教授は、東日本大震災の際、政府の節電要請に市民がどれだけ応じたのかなど非常時の自粛に従う行動を分析しています。人との接触を減らす政府の呼びかけについて、「東日本大震災での節電要請で1週目は多くの家庭で節電に取り組んだが、2週目は慣れで効果が小さくなり、3週目以降になると取り組みの効果がすっかり消えてしまった。今回の政府の呼びかけも2週目となるこれからが正念場だ」と述べました。
その上で「具体的な行動指針がないまま人と接触しないようずっと家にいろというのは大変な心理的ストレスになり、小さな気のゆるみが大きなほころびにつながりかねず、注意が必要だ」と指摘しました。
依田教授は、「市民に一様に削減を求める今のやり方は医療崩壊を避けるためにも大切なことだが、今後は継続に向けた具体的な行動計画が必要になる。東日本大震災の計画停電のように、誰が、いつ、何をすべきかということを『見える化』させることで、生活に見通しが立ち、市民が行動しやすくなる」と述べ、政府は取り組みを継続させるため具体的な計画を提示すべきだとの考えを示しました。
そして依田教授は、「未来への希望が持てなければ現在の我慢は限界を迎えてしまう。国や自治体が感染リスクについてしっかりと評価し、リスクが高いところには補償の検討も視野に入れて休業を引き続き求めざるを得ないが、低い業種については経済活動再開の道筋を探り、国民が自営・自活の道に戻れるようにする必要がある」と述べ、経済活動への配慮を求めました。
■女性は依存して生かされている意識から自立して生きる意識が顕在化
このような状態から、女性の意識調査の事例であるが、目先の課題に追われてきた生き方から、主体的に自立して生きようとする兆しも生まれてきている。ひとまず自立という意識が顕在化している様相だが、権力に依存することからの脱却に向かっているといえそうだ。ただ、一方で孤立して生きることへの不安も感じられ、可能性のある生き方はまた探索しているようだ。
新型コロナ禍が働く女性の意識に影響?企業に依存しない生き方を検討し始めた女性が増加
より引用
(2)キャリアの考え方に新しい変化。「企業に依存しない生き方を模索したい」
キャリアへの価値観の変化としては、調査対象者の7割が正社員という雇用形態にも関わらず、「大企業に属している方が安心だと思った」に対して「企業に依存しない生き方を身につけたいと思った」という選択肢に約2倍の人々が「非常にそう思う」と回答。
また、約9割(89.1%)もの女性が、「今後の中期的な生き方やキャリアを考え直したい」と答え、自由回答では「これまでの常識が一気に変わる」など、未曾有な事態をどのように捉えていくかに言及されているものが目立った。
・どんな職業がこれから先、必要とされていくのかということが気になった。リモートワーク含めどんな働き方がよいのか考えるきっかけになった。
・これまでの常識がガラッと変わるはずだが、それがどうキャリアに影響してくるのか考えなければならないと思った。
・コロナウイルスの影響で新しい働き方改革が一気に進み、余計に自分の働き方について考えるようになった。社会にとらわれず、自分の生き方を楽しみたい!
・世の中の景気の影響というものを考えたり、自分の収入とのつながりというのを感じたことがなかったが、今回初めて世の中の変化と自身の仕事のつながりを感じた。
・柔軟な働き方を推進できる、今後変わりゆく社会に適応力のある組織で働きたいと思った。お金を稼ぐための仕事ではなく、自己実現や人生を楽しむために働く生き方をしたいと思った。
(中略)
(4)不安の中、自己投資/スキルアップへの意志が強まっている
刻一刻と様相が変わる日々のなかで85%が「今回のコロナウイルスによる影響を踏まえて、転職、あるいは個人のキャリアアップ・スキルアップの意向が高まった」と回答した。
また、新しく興味・関心が湧いたこととして「自己投資の時間を増やしたい」が1位に。このことから、先が見えない漠然とした不安の中でも、外出自粛などから派生した「今」しかない時間をスキルアップや自己学習に充てる意志が強く見られた。
・自分の人生に責任を持つ、という覚悟がなかったと痛感しました。あれがしたい、これがしたいと漠然と思うばかりで、できない理由ばかりを考えていたと思います。
・叶えたいことがあるので、それと向き合ういい時間になっている。
・何か不測の事態があっても可能性を選択できるようにスキルアップしたい。
・自分の業界の安定を再認識できた。自己学習の機会を増やして内勤業務で新しい挑戦がしたい。
・いつかは、ではなく、いつまでもだらだらと学んでるのではなく、今しっかり集中して何か手に職をつけたい。
・いざという時のための自分の強みをもっとしっかり作っていきたい。
<調査概要>
調査対象:20~40代の働く女性
【雇用形態内訳:正社員・職員 72.8%/ 派遣・嘱託・契約社員 13.0%/ パート・アルバイト 5.9% / 自営業 5.5% / その他2.8%】
調査期間:2020年3月27日(金)~3月31日(火)
回答者数:N=184
調査内容分析:株式会社SHE
出典元:SHE株式会社
■年齢が若いほど危機感よりも何かしたいという意識が強まっている
この調査では深いところまでは問いかけていないが、若いほど危機感よりも何か面白いことへの関心が高いことがうかがえる。時代がどう変わろうとも
その関心を失ってほしくない。
新型コロナの影響…中高大生が感じる現状や生活の変化は?
より引用
「コロナウイルスに関する調査」は、「現状の不安」と「行動編」があり、「現状の不安」は2020年3月27日~30日、「行動編」は3月27日~4月6日、中学生・高校生・大学生を対象に実施した。サンプル数は、「現状の不安」が4,401、「行動編」が8,464。
「現状について、どのように感じているか」という質問に対しては、「退屈」「不安」「不自由」が上位となった。回答を年代別にみると、「退屈に感じる」は中学生49.3%、高校生46.9%、大学生36.7%と中学生がもっとも多く、「不安に感じる」は中学生35.4%、高校生40.6%、大学生47.0%と、大学生がもっとも多かった。
不安や悩みの内容では、中高生は「衛生用品」がもっとも多く、中学生34.1%、高校生28.8%。大学生は「就職」が42.6%でもっとも多かった。「娯楽」「食事・飲料」は、どの年代も2割程度だった。
新型コロナウイルスの影響を受けて利用・視聴が増えた媒体は、いずれの年代でも「スマホ」がもっとも多く、中学生72.2%、高校生71.5%、大学生64.1%を占めた。「TV」も中学生54.8%、高校生59.3%、大学生58.1%と、全年代で過半数を超えた。
自宅内で増えた行動は、いずれの年代でも「睡眠」が最多で、中学生55.6%、高校生61.6%、大学生55.6%だった。利用が増えたサービスジャンルでは、中高生の1位が「YouTube」、大学生の1位が「SNS」となった。YouTube以外の動画サービスでは、「TikTok」や「AbemaTV」の利用時間が増えていた。 《奥山直美》
いずれも、この短期間で意識の変化が大きいが、今後の情勢からどんどん加速していくのは間違いない。
- posted by KIDA-G at : 2020年04月16日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
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