2020年11月05日
日本人の性意識はどうなっているのか? -5
前回は、男女同権により換骨奪胎してしまった性意識を転換する必要があると説いた記事を紹介した。
状況として、ゴリゴリの私権意識がバブルとともに消え失せて以来30年が経過した今、若い人はすでに、仲間第一、相手第一に転換しており、かつての独占欲に根差した恋愛関係には見向きもしない傾向が強まっている。転換の鍵は、性意識を自己と相手の閉鎖した関係で捉えるのではなく、すでに可能性を感じている仲間第一の価値観にシフトすることにある。
それでは、性に対する意識が転換する可能性があるのか否か、今回はそこを探ってみたい。
■若者の意識を内閣府の実態調査から読み取る
下記の資料では、悩みや心配ごととして14項目を問いかけているが、自分の将来の生活に関する事項が高い。一方、異性関係については心配ごととして低いのは、はじめから捨象しているためではないかと思われる。同じように健康や容姿、体力、家族についても、メディアで騒いでいるほど関心は高くない。現実を冷静に受け入れて生きているともいえるし、もっと言えば絶望に満ちた日本に対してのて諦観が表れているともいえる。その中で、仲間関係については心配ごととして最も低いが、現実の中でまだ表層的であるが、うまく関係を保っている状況ではないだろうか? 唯一これをよりどころとしてかろうじて生きている実感をとらえているように思う。
内閣府では、我が国と諸外国の若者の意識を比較することにより、我が国の若者の意識の特徴及び問題等を把握し、子供・若者の育成支援に関する施策の参考とするため、平成30(2018)年度に「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」1(平成30年11月及び12月に日本を含めた7か国の満13歳から満29歳までの男女を対象に実施したインターネット調査。図表1)を実施した。
■絶望の転機となるか「ベーシックインカム」
上記のように、若者は将来への不安、絶望に満ちた意識が蔓延しているが、その不安を取り除ければ、仲間第一という可能性に沿って自信、活力を再生していけるのではないだろうか? その一つの対策として「ベーシックインカム」としての基礎保障制度がある。もはや、身銭を稼ぐために半ば強制的に働くということをだれも望んでおらず、人の役に立ちたいという行動原理に移行している。その原理の中に性を組み込んでいくことができるかどうかにかかかっている。
ベーシックインカムが導入されると起こる社会の変化をまとめたよ
共働き世帯が減る
ベーシックインカムが仮に一人当たり6万円の支給だったとしても、夫婦で言えば二人合わせて12万円になります。そこへさらに片方が働きに出れば、仮に月の手取りが10万円のパートタイマーでも所得が22万円と、25歳正社員よりも高い所得を得る事が分かりますね。
すると、夫婦で共働きをしなくても十分に子育てをして行ける様になるので、結果として共働き世帯は減っていくでしょう。
しかもさっきの計算はパートタイマーだった場合の話なので、正社員として働けばなおさら共働きする必要は無くなります。
非正規労働だけで子育てする人が出現
夫婦の所得がベーシックインカムによって月10万円以上も増えると言う事で、正社員にこだわって働く人は減ると思われます。その結果、子育てをする際にも夫婦で非正規労働の仕事をしながら、と言う家庭が出て来るでしょう。
最悪片方だけがパート労働をして月22万円のお金でやっていく家庭があってもおかしくありません。
ベーシックインカムが導入されると人々の生活がある程度保証される為、企業が簡単にリストラを行える様に法律が変わる可能性もあります。そうなれば正社員からパートなどに移る人が増えてもおかしくは無いのです。
女性が子育てに集中できる様になる
共働き世帯が減ったとすれば、それだけ女性が子育てをし易くなります。その時に子育てをするのは女性だとは限りませんし、時によっては夫婦二人とも仕事を休んで子育てするかもしれませんね。
(中略)
地域のコミュニケーションやビジネスが増える
子育てや介護の例から分かる様に、施設に依存せず、自分の家や地域で活動する人達が増えます。そうして自由な時間が増えると、人々は地域内でコミュニケーションをとったり、ビジネスを行ったり、とにかく協力し合う様になるはずです。
協力して子育てや介護をしたり、新たな物流を生んだりもするかもしれませんね。簡単に言えば地域が活性化すると言う事でしょう。
結婚する人と離婚する人が増える
これは低所得であることによって結婚を諦めていた層の人達が結婚をする様になり、一人で生きていける様になった夫婦が離婚し易くなると言うことです。
夢は叶い易く、人同士が依存し合わない社会になると言うことでしょうね。
起業や投資や研究をする人が増える
ベースとしての所得が増えると言う事は、それを元手に起業・投資・研究を行う人が大勢出てくると言う事です。まあざっくりと言えば好きな事を追求できる人が増えると言う事。趣味に没頭できる人が増えるという言い方もできますね。
創造的な活動をする人が増える
趣味に没頭すると言えば、芸術系やクリエイティブ系なんかもそうです。つまり音楽やアート、プログラミングとか、色々生み出す事が好きな人も大勢いるので、そういう人が増えるという事。
色々と芸達者な人が増えたら世の中面白くなりそうですよね。
(中略)
政治家になりたがる人が増える
ボランティアが増えると言う事は、政治家になって直接世の中を変えようとする人も増えるでしょうね。
こちらもお金に余裕がないと難しいキャリアなので、ベーシックインカム導入と同時に立候補する人が増えるんじゃないでしょうか。
正社員と大学へ進学する人が減る
ベーシックインカムによって正社員にこだわる必要がなくなるので、正社員になる為にわざわざ受験までして大学へ進学する人は減るでしょう。要は、非正規雇用でも余裕で生きていける様になると言う事。
結婚も子育てもする気がない人は、特別な夢でもない限り正社員にはなろうとしなくなると思います。その頃に存在する仕事の種類や労働環境にもよるでしょうがね。
- posted by KIDA-G at : 2020年11月05日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
trackbacks
trackbackURL:
comment form