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2022年07月17日

万物との一体化回路によって道具はどのように変化してきたのか?②

画像はこちらからお借りしました。

 

前回の記事:万物との一体化回路によって道具はどのように変化してきたのか①

「万物との一体化⇒本質追求」により万物の性質を見出すことで、打製石器の用途・形状を発展を遂げた人類。

今回の記事は磨製石器の内容に照準を絞り、万物との一体回路によって道具の発達がどのように関係していったのかを追求してみたいと思います。

 

6万5千年前に磨製石器が登場しています。この磨製石器は装身具として利用され、その後、勾玉や翡翠、黒曜石へとつながっていきます。

剥片石器までの流れから磨製石器が登場したことは、何を意味しているのでしょうか?

 

装身具は現在でも残る原始部族や文献によると祭祀で利用され、精霊との交信のための道具となっています。

つまり磨製石器の登場とは、人類が万物の背後に精霊を措定するに至ったことの現れとなります。

 

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では、人類にとって精霊とはどういう存在だったのでしょうか?

 

人類が日常生活の中で精霊を措定した事例の一つとして、「ウスリー地方探検記」を題材に黒澤明監督が映画化した「デルス・ウザーラ」が挙げられます。主人公のデルスは森の精霊として措定していたトラを射殺してしまったことをきっかけに、身体機能や精神が衰弱してしまいます。

デルスにとってトラ(=精霊)は森の秩序を司る存在であり、デルスの主体の根幹を成す精神的支柱です。

 

磨製石器が美しい形・ツルツルした表面へと洗練されてきたのは、デルスのように、秩序化(=精霊化)を追い求めていった理由なのではないでしょうか。

それは、磨製石器の他にも90万年前以降に登場した左右対称の形状のハンドアックスにも、その精神が現れています。

画像はこちらからお借りしました。

 

これが後の黒曜石としてつながります。黒曜石は部族にとって最も大切な、精神的支柱です。黒曜石を他部族へ贈与することで、部族間の秩序化(≒一体化)として使われます。

 

以上をまとめると、道具の発達は万物と一体化し、その本質を抽出。さらに背後に精霊を見て秩序化を追求していると考えられるでしょう。

 

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