2022年10月08日
縄文人が生み出した道具・技術~編む・資材管理~
前回は縄文人が生み出した道具や技術について、住居編を記事にしました。
今回は「編む」に関する道具・技術を深めていきたいと思います。
〇編組
編組(へんそ)製品とは、「編む」と「組む」技術によって作られた製品のことで、衣服や敷物、籠やザルなど多くの道具があります。縄文人はこの技術を使って、編み目の間隔を狭くすればザル、広くすればフルイになるように、技法や素材の間隔そして材料を少しずつ変えて、多彩な道具を生み出しました。
今知られている多種類の編み方のほとんどが縄文時代に成立していたようです。
画像はこちらからお借りしました
【衣服】縄文時代の衣服といえば腰にミノを巻いたような格好や毛皮のイメージがあるかもしれませんが、麻の繊維で編んで作られた編布(アンギン)も着用されています。編布は編み目が粗いため、高温多湿の風土では毛皮とは別の通気性のある衣服が必要だったことが考えられます。
【籠・ザル】野草の縄や細かく裂いた竹を編んだ籠が発見されています。籠の編み方も種類が多い。ヒロロ細工、マタタビ細工、山ブドウ細工の多様な種類の編み方があります。ヒロロ細工は細かい網み目とレース編みに似た仕上がりで抱え籠に適している。マタタビ細工は水切りと手触りの良さから炊事用具に、山ブドウ細工は強靭な素材であるため丈夫な籠類に使う。
編組やアンギンは、麻やツルなどの植物の素材が用いられており、どれも人が居住している空間の身近な資源です。素材を大量に消費する衣服や、大きな形状の籠などの道具を作るのために、相応の植物資源の管理が行われていたと考えられます。つまり、縄文人は身近な植物資源を最大限に活用するエキスパートであった。
縄文人が生み出した道具づくり・資源管理といった技術の高さが、現在まで継承されて我々の生活や文化に根付いていると言えるでしょう。
- posted by agatuma at : 2022年10月08日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
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